今書いている詩 (115) 「たろうさんの娘(3)」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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    たろうさんの娘(3)

 電話では腕を捻挫したと聞いていましたが
 元気な姿を見るまでは大丈夫かなと
 心配症のたろうさんでした

 金曜日の昼間に来るとは聞いていましたが
 昨日は仕事で遅くなる日でした
 早く帰りたい気持ちばかりで
 うわの空の運転でした
 危ないですよたろうさん

 身体が揺れているように思いながら
 車のドアを開けて玄関の靴を見ました
 リビングに入ると娘と妻が楽しそうに
 話しながら待っていました
 長椅子に二つの袋を投げ出すように置きます
 
 娘の幼い時も可愛かったけれども
 成人して彼氏と暮らすようになっても
 娘といることが嬉しいのです
 よほど前世から強く結ばれていた
 親子なのでしょう
 
 妻は持たせる品を買ってあります
 苺が好きなのです
 自分の家の苺は3回に分けて食べるのに
 家の苺は一度に食べてしまい
 3個しか残っていません
 
 「冬菜と大根を持って帰りな」と言うと
 妻が庭に下りて行き大根を抜きます
 「冬菜は採らないのか」
 「この冬菜は黄色くなっているでしょう」
 青い葉を少しと細い大根を3本抜きました
 「大根の葉っぱは味噌汁に入れたり
  炒めたりして食べな」
 
 彼氏はたろうさんに気を効かせて
 ゆっくり迎えに来ました
 目の横に剃刀負けして絆創膏が貼ってあります
 「大根を播くのが遅くて出来が悪いのですよ」
 たろうさんはそう言いながら玄関で見送ります

 洋子さんは外までお見送りです
 娘さんは今年の秋には加藤姓になる予定です