「プールで歩くように病院の先生に言われて一人じゃ不安やから付き合ってくれる?」
そう母に電話でお願いされたのがプールに入る2日前。
急だな、オイ
ということで、山盛りカレーを作り、子どもたちに家のことは任せ、母の元へと行ってきた。
朝10時ごろ、そろそろプール行こうか、と言うと
「いや、もう少しゆっくりしてからの方がエエかな」
と却下。
11時、目が合うと母が
「どう?お昼食べてからプールってのは」
とじりじり引き延ばし作戦を決行してくる母。
「アカン、お昼の後、言うてたら今日はやめとこか、になるに決まってる。行くで」
と半ば強引に母をプールへ連れていく。
水着は現地で購入することにしていたので、さて、試着とまいろう、とワンピース型の水着を渡すと
「コレ、どうやって着るのよ」
と、不思議な質問。
「おパンツ履く時みたいにここに足を通すんやんか」
と。
知らんことないがな、お宅の世代は、締め付けてなんぼのボディスーツ全盛期でしょうが、カタチおんなじやで、と思いながら、両足を通したところで、「これ以上、上にあがりそうにないわ」と言い出す。
見ると、V字となるおまたーる部分をまわりの布地を下にひっぱって、ボクサーパンツみたいに仕上げていたのだ。
まぁ、ステキ
言うてる場合かっ。
もう、そないプールいやかい?とこのかわいらしい抵抗にちょっとずつ面白くなってくるという。
ここはこう、と言いながら肩紐に腕を通して「よし、このサイズでよさそうやね」と決定して再び脱ぐことに。
「え?今必死に着たのに脱ぐん?」
と母。
「試着やからショーツの上からはいてるし、そらそうやろ」
と言うと、
「えーーー、もうエエよ、着替え一式もってきてるし、ショーツ履いたままで」
え・・・・
てか、そんなハイレグなパンツはいてんの?
と見たら、ちょっとどころやあらへん、大幅におばばーるカラーがあふれているその姿に
そない丸見えでプール行けるかーーーい
と即却下。
再び水着を着るという工程をおこない、やっとプールサイド。
すたっもんだ着替えに30分以上かかるという。
そこは、競泳用のプールと歩行用のぐるり回れる浅めのプールがあるので、その歩行用へ。
バーを持ってプールに入る階段を少しずつ降りていく。階段で降りた先が一番深い場所で、母の身長だと胸の下あたりまで水がやってくる。
「じゃ、ここから腕持ってるからゆっくり歩いていこか~」
と言ったとたん
「ちょっと、ちょっとーー!!」と母の悲鳴。
「どないしたんよ」
と聞くと
「足、足を一歩前に出したら、ほら、勝手に勝手に浮いてくるーーー!!!どうしてーーー!!!!」と
いや、水の中やからね!!!
浮力ってご存知デスヨネ・・・
なんだ、この会話、と思いながら、おそるおそる質問をしてみた
「お母さん、最後にプール入ったん、いつ?」
と。
母、ワタシの目をじっと見てひと言。
「初めて」
マジかーーーっっっ
ってことは、もしかして、泳げない?
「泳げるわけ」と母。
何を堂々と答えている・・・
「あんたのおばぁちゃんが『水は怖い、近寄ったらアカン』そうやってお母さんを育てから、泳げないことに関してはおばぁちゃんが悪い」とか言い出す始末。
いや、もう誰のせいでもエエわい
いやぁ、もう2020年一番の衝撃かもしれない。
そんなことを思いながら、ほぼ静止してるかのような、秒速3センチのナマケモノとええ勝負できそうなスピードで歩行スタート。
右手はプールのヘリをつかみ、左はワタシにしっかり捕まっている。
途中少し上り坂になり水深が浅くなる部分では
「後ろ、後ろにいっちゃうわーーー」
言うて軽くパニック。「坂やし、前体重でお願いしますわ」と上がったところで、母が気が付く。
ない、ない!!!
なにを落としたのかと思うと、
ない、右手でもつところがない!!!!
と。
「左手は、あんたの娘をがっつりつかんでるやんか~」
と言うも
「でも右がないから、右に倒れたら一緒に倒れて、上がってこれずに・・・あーー怖い」と。
足、ついてるしね。
倒れても立てるしね
と言ってももう聞かない。
わたし、母の前に向かい合わせで立ち、両手を持ち前へ前へと進ませるという
ナニこれ「あんよが上手」やんか
二人で笑いながら、その母にとっての窮地を脱し、プールのヘリが登場して速攻つかむという。
1,2分で1周できるようなプールを15分以上かけてやっとスタートライン近くへ戻ってきた時、母の進行方向が階段へと向かっていることに気付く
「え?1周で終わるつもり?」
と言うと
「え?」
『終わる以外の選択肢があるの?え、もういいじゃない、これで』という何とも言えない表情と瞳で語りかけてくる。
「はい、もう一周」
と、言うことで、やってること普通なのに、まるでスパルタ指導員のようになってもうたワタシ。
ナマケモノ、あんよが上手、ヘリ速攻つかみ、ナマケモノの再放送。
ちょっとずつ慣れて来たのか
「プールの中はカラダが軽いのね」と言ったり
「あの人は一人で歩いてる、怖くないのかしら」
と周りを見る余裕も。
これはいい調子かな?と思うも、ぐるり周り終わると
「今日はもうこれで」
と、歩行訓練2周で終了。
まぁね
80半ばにして人生初のプールとか
ようやったっちゃぁ、ようやったよね。
そういえばアメリカへ越した最初の夏はプールで振り回されてたなぁ~
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詳しくはルームにも書いてるよ~
★水着入れていくのにいいね、ベトナム刺繍★
★着替えるの楽チンだった、コレ着ていったのよ~★
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今日もお読みいただきありがとうございました
Boi