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「ふるさと納税」は地方を救う?

 「あなた、出身大学は?」ということよりも、「あなた、どこの中学出身ですか?」なんて人に聞かれることが多くなりそうだ。
自民党の参院選目玉政策として、「ふるさと納税制度」が注目を浴びているからだ。
 どんな制度かというと、通常、住民税というのは、個人が公共サービスを受けている現住所の自治体に支払う税金である。しかし、税を納めるようになった個人を育てたのは、個人のふるさとである。そのふるさとに対して、住民税の一部を納付しようというのが「ふるさと納税制度」の趣旨である。

 個々人が所得を得るに至った過程には、成長するまでの教育が大きく影響を与えているばかりか、義務教育の過程で人材育成の経費がつぎ込まれている。そのことを考慮に入れない税制というのは、単視眼的な視点であり、全人格的とは言えない。「原因」を考慮に入れず、「結果」だけを基準に税を集める。このような片寄った考えを正し、あるべき姿に戻してくれるのが、この「ふるさと納税」である。

 この妙案、大きく2つの点で現在の問題点を改善できうる可能性がある。
 一点目は、最近特に問題になっている地方の財政格差の是正ができるかもしれないという点だ。ニュースなどで自分が育った町が財政難で窮していると知った者は、「じゃあ自分の税金を育った町に。」と考えるだろう。例えば、沖縄県の財政難は全国的にも知れ渡っているが、芸能界に目を向ければ活躍している沖縄出身者が以外と多い。そういった人たちが、東京都に支払っている住民税の一部を沖縄に納付することで、格差を縮めることができるわけだ。
 実際に有名な話では、シアトルマリナーズのイチロー選手は、恩返し納税のためふるさとに住民票を置いたままである。オリックス時代の2000年には5000万円を超える額を生まれ育った地元に納税している。

 もう一点は、最近大きな社会問題にもなっている公立小中学校の教育レベルが向上するという点だ。つまり、現在の活躍に対して居住地に税金を落とすばかりでなく、その個人を育て上げた地方も将来恩恵を受けるわけだから、自治体は教育に力を入れて優秀な人材を育てようとする。そればかりか、通り一辺倒な教科力ばかりでなく、芸術やスポーツなど多様な有名人・署名人を輩出することで学校も評価されるであろうから、小中学校の教育者達は、学校の勉強という基準の他に流動的な「物差し 」を持って生徒に接する必要に迫られる。個々の児童、生徒の個性を尊重し、その才能を伸ばすのが真なる教育であるという本質的なビジョンに辿りつくであろう。
 つまり、地方交付税のように国のルールで分配する『与えられた税』ではなく、地域の教育に対する『評価としての税』だということができる。

 しかしながら、問題点も指摘されている。
 「居住地の行政サービスに対する対価」というのが住民税の理念であり、地方に一部を納付することで、収入が同じであっても居住地に納める税額に差が生じる。同じ行政サービスを受けながら、これでは不公平ではないかという意見だ。また、こういった方法は税制上好ましくなく、自分の育った自治体の力になりたいのであれば、「寄付」というかたちで貢献すべきだという考えもある。
 さらに、石原東京都知事を代表とする、大都市の首長や政令都市を抱える都道府県知事などは、「都市に入るべき税金を地方が収奪するナンセンスな政策」と一様に批判している。

 そもそも、「地方自治」というのは、自らが支払った税金をどのように使ってほしいか、自分の意思を反映させるために選挙で首長・議員を選ぶことを基礎としている。
 しかし、「ふるさと納税」で多額の貢献をした人は、そこに住んでいないわけだから自分の税金の使い道に口をはさむことはできないのである。これが「寄付金」ならば、一緒にメモなどを添えて「子どもの教育環境の充実に使って下さい。」なんて希望を伝えることもできるだろうが、「納税」となれば自分の声は全く届かない。おまけに、カネの使い道を決定できる地方議員なんかは、地元の人への知名度の浸透は不可欠なので、経営や儲けを無視した「箱モノ」をやたら造りたがる傾向がある(笑)。「オラんとこの先生が、このホールを造っただ。」なんていうのは、役に立たなくてもものすごい宣伝効果になるからだ。
 これでは、ふるさとを思い自分が力になれればと、多額の納税をした個人も浮かばれない…。

なんというか…。やはり結論は一つのようだ。
 財政格差やふるさと納税を論じる前に、国民が税金の使われ方をチェックできるシステムの構築の方が急務である。
 ある政党が、やたら有名人に出馬を打診したり、一見地方にはおいしそうな話を電波を通じて広げているが、選挙に勝つためのパフォーマンスなのか、本当に必要な策なのか、国民はしっかり真実を見極める目を持たなければならない…。
 そして、その上で国民が求めなければならないのは、自分の税金がどこの自治体にまわっていくのではなく、どのように使われ、どのように国や地方の発展に寄与しているかである。
 使い途の透明性があってはじめて「ふるさと納税」はその意義が評価されるであろう…。


 そういえば、5万円以下の還元水は透明とは限らないよね…(笑)。



PS:本日の画像のお題

「地方の人材不足は深刻…。」


baninu