N版→『小さくてクリーム色の豆柴豆太と二人のマスター(ご主人様)』

オリジナル版→「1011」の番外編。


 

 

 

 

いち_石豆同盟』の続き

 

 

 

 

今日はあのYUKIのおうちに行く日だ!
遊んでくれるんだって!
聞いたときは嬉しすぎてちょっとおもらししちゃった。
ママがユーキのところに行ったらおもらしはしないように頑張るのよ、て言った。
 
頑張る!
 
ユーキは今日もかっこよかった!
やっぱりボール遊びがとっても上手で、
ぼくの師匠だ。
もっともっといろいろ教えてほしいなぁ。
いっぱい遊んでもらったあと、ユーキのおうちに行った。
お米をはこんで、三人でお話してる。
大好きな人達の話す声を聞いてると、居心地がよくて寝てしまいそう。。
 
 
「じゃぁ、そろそろ豆太をホテルに連れて行こうか」
 
ん?パパがなにか言ってる・・・
 
「そうね」
「ホテル、ですか?」
「行く先にアレルギーかもしれない、ていう人がいるから様子がわからなくて、今日は豆太を連れていけないのよ」
 
 
…エ?…
 
(@ ̄Д ̄@)?
ホテルってなぁに?
 
 
「そうなんですね。ペットホテルみたいな?」
「うん。初めて僕たちと離れてってことになるんだけど、懇意にしてるところだからゴージャスなおもてなしで過ごさせてあげられるとは思うんだ」
 
 
…エエエ?!
離れる??
 
Σ( ̄□ ̄;)
 
 
 
ボク、、一緒ニ連レテ行ッテクレナイノ??
 
 
 
「豆太、祐希にバイバイして」
ママの声が聞こえた。
 
 
ヤダヤダ!ペットホテルなんて行きたくない!
 
全力ダッシュしてユーキのお部屋のベッドの下に隠れた。
 
「豆太?!」
 
ベッドの一番奥に逃げた。
 
「んー、手が届かない!」
ユーキのベッドは大きいから逃げこむにはピッタリだ。

パパとママの声がする。
「豆太、出ておいで」
 
やだ!
(`・ω・´)
 
「豆太ー」
みんなが呼ぶけど僕は出ていかなかった。
 
そしたら
なにか魅惑的なものが見えた。
 
「これあげるから出ておいで」
 
|д゚)チラッ

あ・・・
 
“ころころボーロ” … だ!
 
ぼくの一番好きなおやつ!
シャクシャクして甘くてめちゃくちゃおいしいんだ!
 
食べたい・・・
(@ ̄ρ ̄@)...。o
ころころボーロ・・・
 
・・・
 
(>_<)んー!
 
(;>_<;)”んんーーッ!!
 
食べたいよ・・・すっごく・・・

体がブルブルってなった。
 
だけど・・・
それでも・・・
 
やっぱりヤダ!!
 
 
ボクを置いていかないで!
 
 
  …
 
…ぼくを知らない人たちのところに置いてかないで…
 
ひとりにしないで…
 
おやつなくてもいいもん!
ぼくはパパとママと一緒にいられるだけでいいんだ!
ゴージャスなおもてなしとかいらない!
ホテルなんて絶対に行きたくないよ!!
 
 
「豆太。パパとママ、帰っちゃうよ?」
 
『・・・』
(_ _。)...
 
 
「私だけ残りましょうか?」
「うーーん。」
「あの…。もしよかったら、ですけど。このまま一泊くらい面倒みますよ。」
「祐希が?」
「はい」
「そんな、そんな!悪いわ」
「豆太は寂しがると思いますけど。明日休みですし僕は豆太と一緒にいたいです」
「夜泣きで祐希が眠れないことがあったらいけないから」
「一晩くらい大丈夫ですよ」
「でも、、」
「うーん、どうしよう。」
パパがボクの方をのぞきこむ。
相談してる。
「もし、、ユーキさえよかったら、なんだけど...でも、迷惑かけたらほんと申し訳ないからなあ...」
「僕は全然OKです」
お願いする?とパパママは目を見合わせる。
「ほんとにごめんなさい」
「いいえ」
「明日はできるだけ早く迎えにくるよ」
「ゆっくりで大丈夫ですよ」
 
にっこり笑うユーキ。
え?なになに?どうなるの??
ボクはペットホテルに行かずにすんで、ユーキとこのあとも遊べるってこと??
 
「じゃぁ、、柵とか、お世話グッズもってきてもいい?」
「はい、助かります」
 
ベッドの下から様子をうかがっていると、​​​組み立て式の柵が建てられていくのがみえた。
 
僕のトイレ、僕の寝床。僕のおもちゃ。
あっという間に準備された。
さてはペットホテルに渡そうと思ってたから一式が揃ってるんだな、って思った。
 
「様子がおかしかったらここの病院へ。僕たちの連絡先はここ。何かあったら時間は気にせず電話してきてくれて構わないし、いざとなったらすぐ駆けつけるから」
「わかりました」
 
パパとママがベッドの下をのぞきこむ。
「じゃぁ、豆太。明日また迎えに来るから、ユーキに迷惑かけちゃだめだぞ」
 
『うん!わかった!』
僕は頷いてみせた。
 
「まったく、しょうがないわねぇ」
「豆太はペットホテルのことも、今日ユーキのとこにお泊りさせもらうこともよくわかってる感じだな」
「いつもは聞き分けのいい子だから、そうかもしれないわね」
ボクが動かないのをみて二人は苦笑する。
 
 
 
パパ・・・
ママ・・・
 
僕のこと…嫌いになっちゃう?
 
そう思ってたら出ていくとき、二人が振り返った。
 
「離れるのは僕たちも寂しいんだよ、、豆太」
「豆太。愛してるわ」
そう言っていっぱいキスを投げてくれた。
 
『パパ!ママ!僕も愛してる!!』(クゥン!キュゥン!)
ってお返事した。
 
二人が出ていく後ろ姿がみえた。
 
 
僕は初めてパパママと離れ
ユーキというかっこいい男の子のおうちにお泊りすることになった。
 
 
 
つづく