任天堂の事業戦略に関してしばしば見られる論点について | みらいマニアックス !

任天堂の事業戦略に関してしばしば見られる論点について

任天堂の事業戦略に関してしばしば見られる論点について、みらい的にアイディアをメモしてみるテスト。


ハードから撤退しパブリッシャ/デベロッパになるべきか?
→No。
・ハード売上を捨てることは経営の観点からは全く非現実的。少なくとも短期~中期的には。
・任天堂ブランドはハード+ソフトの一体で成り立っており、どちらかを捨てることはブランド全体の崩壊につながりかねない。極めてリスキーな選択だ。


Wii Uをさっさと捨て、PS4を超える高性能ハードを急いで出すべきか?
→No
・Fusion(仮)に加えてQOLまでやらねばならない現在の任天堂にそんなリソースの余裕はなさそう。
・そもそも任天堂は既にWii Uに膨大な投資をしてしまっている。そうそう簡単には引き下がれないはずだ。
・仮に出したとしても、高額な本体価格はキッズ・ファミリーにフックしない。サービス・ラインナップが貧弱でゲーマーも振り向かない。Wii U以上の誰得ハードになるだろう。
・当分の間、Wii Uを細々と維持していく以外に選択の余地はない。


XboxやPSに参入(自社IPを投入)すべきか?
→Yes and No
・ゼルダのようなゲーマー向けのタイトルは任天堂ハードを大きく牽引しないため、自社独占する意味は薄い。マルチ・プラットフォームに展開し、大きなブランドに育てるほうが良い。
・仮にゼルダをXboxで独占できるならMSは間違いなく大枚を叩く。あるいはノーティが開発したゼルダに注目しないゲーマもいないに違いない。いずれにせよ成功する可能性は高い。
・逆にマリオのようなキッズ向けタイトルは任天堂ブランドの根幹であり、自社ハードとの一体性を死守する必要がある。そもそもゲーマーはたいして食いつかないだろうし、仮にMS/SCEのコンソールに出してもセールス全体はそれほど増えないのではないか。


スマートフォン/タブレット市場に参入すべきか?
→Yes and No
・スマートフォン/タブレット市場の主流の層はキッズでもゲーマーでもなく、マリオにもゼルダにも食いつかない。従って任天堂のこれらの既存作品・既存キャラクターを出しても大きな売上は期待できない。任天堂ブランドにおけるハード・ソフトの一体性を毀損するリスクもあり、この種の参入は避けたほうが良い。
(追加)一方で任天堂のオトナ向けIP(脳トレ、ルーブル、絵心等)やソーシャル色の強いIP(Miiverse、トモコレ、ブツ森等)はスマートフォン/タブレット市場でその本領を発揮する可能性がある。
・また、キッズが最初に触れるゲームがスマートフォンやタブレットであるケースは多く、今後は一層増加する。任天堂ブランドを維持するためには、幼児・小児への任天堂キャラクターの露出を増やしておいたほうが良い。ブランドへの投資としてスマートフォン/タブレット市場への参入は必要だ。
・いずれにせよ、スマートフォン/タブレット市場は既に市場のメインストリームであり、本格的な進出は避けられないだろう。