次世代携帯機の目指したもの (2)
3DSはDSと比べて、桁違いの描画能力を備えている。
頂点処理能力は12万から3060万の約250倍、フィルレートも3000万から16億の約50倍に強化された。
これは大変なパワーアップだ。
しかしこの超進化も、NGPと比べると全くかすんでしまう。例えばNGPの頂点処理能力は、実に5億3200万に達しており、これは3DSの17倍にあたる。スペックの点でみる限り、3DSはNGPに到底かなわない。
しかしながら、これでNGPの勝ち終了解散、とはならない。
3DSを、NGPではなくPSPと比べてみることで、ある興味深い事実を見つけることができるためだ。
それは、3DSの描画能力が現在のPSPとほぼほぼ同等、ということだ。具体的には、頂点処理能力は、3DSの3060万に対してPSPの3300万、フィルレートは、3DSの16億に対してPSPの6億6千万だ。
(フィルレートは3DSがPSPの3倍近い。しかし、ピクセルあたりに直してみると概ね同等になる。3DSのピクセル数はPSPの約2.1倍。フィルレートは2.4倍であり、ピクセルあたりのフィルレートの差は15%程度でしかない)
次世代機である3DSの性能が、6年も前に発売された現行機と同レベルという事実。
このことから、任天堂の意図がだんだん見えてくる。
まず任天堂は、3DSをもっと高性能、NGPクラスの性能にすることも可能だったはずだ。現にNGPはCPUやGPU等の主要パーツに社外の汎用品を利用している。それが汎用品である以上、当然ながら任天堂も利用することができたはずだからだ。
このことが意味しているのは、任天堂は、3DSの性能を次世代機のNGPではなくあえてPSPと同等にした、ということになる。
このことの意味は、また検討してみたい。