皆さま、こんにちは!
接遇人財コンサルタント 佐藤久美です
突然、唐突なタイトルで申し訳ございません。
「それは外部講師の仕事ではありません」と、実際には言ったりはしません
お請けした以上、何が何でもやります。
しかし、
研修を研修会社や外部講師に発注なさる際、
社内のご担当さまによっては、
何をどこまでどのように依頼したらよいか
ご存じなくお困りの方も多いと存じますので、
取り上げてみたいと思います。
外部講師が研修でできないこと、やってしまってはいけないことがいくつかあると私は考えています。
例1:「会社の理念や戦略、目的をつくること」
これは、会社のトップがなさることです。
また、研修を受注する際、研修目的や動機づけが当然必要になりますが、
研修実施の目的を外部講師に考えさせるというのは、
自社の社員への思いや、理念、信念、戦略がないと等しいことになります。
文言は外部で考えるとしても、
研修をする以上、そこに思い入れをお持ちいただきたいのです。
それがないと、私たち外部講師は、ご依頼者に代わって十二分にお役に立つことができないのです。
人材(人財)育成は、技術やスキルを習得できればよいものでは決してありません。
「なぜやるか」「どうなってほしいか」が重要です。
例2:「会社の決まり事やルールをつくること」
たとえばマニュアルであるとか、業務の基本となるものについては、
会社の決定事項に該当するわけですから、
外部講師の立場で、そこまで責任を負うことはできません。
決定事項に基づいて、より効果的に業務を遂行するためにはどうしたらよいか、
その部分が外部講師の役目になります。
ガイドラインやマニュアルを作成するという外注業務もありますが、それはその専門が行います。
もしくは、研修テキスト以外の発注をしていただく必要があります。
どちらにせよ、社内の責任者が元になるものを考える必要があります。
決まり事を作るうえで、外部に丸投げは危険です。
例3:「事前に研修実施の目的や意図を受講者に説明する」
研修当日まで、何をやるか、なぜ研修をやるかを知らされないまま、
受講者が集まっているようなことがあります。
研修も仕事の一環であれば、その仕事の目的や意図は、
指示する上司から説明をする責任があります。
研修への心構えをつくるうえでも、環境を整えていただく意味もあって、
これは事前にお願いしたいことです。
例4:「外部講師本来の役割以外のことを要望される」
外部講師は研修のことだけに集中させていただきたいのです。
研修目的や成果に関係しないことを間接的に要望されますと、困惑することがあります。
外部講師が研修当日に考えるのは、受講者満足と研修成果です。
もちろん、発注者のご満足も重要ではありますが、
発注者、受講者、外部講師の三者が、同じ目的において、同じゴールを見ることができない研修は、成功することはまずないでしょう。
研修がもし上手くいかなかった場合に、責を負うのは講師です。
本来の職務が上手くいったとしても、これでは報われません。
われわれも人間です。心が折れる瞬間です。
例5:「研修で困りごとをすべて解決しようとする」
研修はあくまでも一つの手段にすぎません。
むしろ、研修後の継続的フォローの方がずっと重要になってきます。
やって終わりでは意味がありません。
「研修を受けたときはよかったのだけど」という声をときどき耳にしますが、
そのあとのフォローは、社内でなさっていますか?
研修を発注した方、社内指導者が見守る必要があります。
うちの会社にそんなポジションはない、というのであれば、つくるか、
発注者、または経営者様が社員の皆様の変化を直に見守っていただきたいのです。
例6:「講師を信用しない、任せることができない」
外部講師に依頼をするならば、ある程度信用し、委ねていただく信頼関係がないと研修は成立しません。
講師も前に立って責任を負う以上、その信頼関係がないと責任をもって発言ができません。
また、講師の意図する進め方に都度その場で介入し、スムーズな進行を妨げるようなことが多くあると、
どんなに臨機応変に対応しても、研修プランが成り立たたくなってしまいます。
研修成果を一番に考えている外部講師にとって、これも心が折れる瞬間です。
研修は投資です。
そして、形がないものでもあります。
だからこそ、研修が求められる場合は、
社内の発注者と外部講師との役割分担が必要となってきます。
そして、受講者を含めた三者が見つめるゴールは、同じであることだと私は考えます。
研修は、このような前提や環境を整えることが、実は最も重要なのです。
社内人事で急に指導係になった方や、
他部署から人事に異動したばかりであるなど、
研修は受けたことはあっても、発注業務は経験がないという皆さまへ、
今回の記事がお役に立ちましたら幸いです。
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