ある洋服屋さんでの出来事。
お客様「この白いシャツ、何枚か持っているんだけど、
洗濯すると色が染まっちゃうのよねー」
店員「色違いで黒もありますよ」
この会話、果たしてお客様のニーズを把握しているのでしょうか。
他でも買えるものなら、一瞬にして買う気が失せてしまいますよね・・・
リピーターを逃してしまった瞬間です。
この会話から分かること。
「この白いシャツを何枚かもっている」
おそらく、白いシャツが仕事か何かで普段から必要なことが分かります。
そして、「すでにこの白いシャツを何枚か持っている=気に入っている」ことが分かります。
「洗濯すると色が染まってしまう」
これに対し、この会話では受け止めがありません。
この場合、黒色を勧められ、
「では、黒にします」と思うお客様は果たしてどのくらいいるのでしょう。
では、このような切り替えしではどうでしょうか。
この白いシャツを何枚か持っている、ということに対し、
店員「いつもお買い上げ有難うございます。すでに何枚かお持ちでいらっしゃるのですね」
お客様「そうなの。着心地はいいのよねー」
となります。この商品の良さはすでにお客様には分かっている、ということを
切り替えしの工夫で、お客様自身の言葉で言っていただくことができるのです。
ここで、購入への動機付けができます。
そして、
店員「白いシャツをお探しなのですね。
お仕事か何かで必要でいらっしゃるのですか?」
お客様「そうなんです。スーツのインナーを探しているんです。白でないといけないもので」
など、会話が展開していきます。
よりお客様のニーズをチャンクダウンする(掘り下げる)ことができます。
また、洗濯すると色が染まってしまうということに対し、
店員「そうなんです。素材の性質で色が染まりやすいようですが、
お洗濯の際に、白いものだけで洗うようにして、
一緒に漂白剤を少し混ぜていただくと比較的色持ちすると思います。
染まってしまってから色を抜くのは大変なので・・・」
など、お客様の要望の受け止めと、
プロからのアドバイス(対処方法)を付け加えると
会話が展開していきます。
これで、お客様はお気に入りをまた買ってしまう心理につながっていくわけです。
100%満足ではないけれど、思わず買ってしまう。
そこにつなげるには、やはりセールストークの工夫が必要なのですね