
Pop LiFe Pop FiLe #49
雨の日にサンシャイン・ポップを


よし!これは洒落たタイトルだ! と悦に入ってはみたものの、雨がほとんど降らないという。梅雨時とは思えない天候ですが、このタイトルで決行します!
日本ではソフト・ロックと呼ばれているジャンルの音楽をいくつか。90年代半ば頃に出版されたガイド本「ソフト・ロック A to Z」の中では、”主に1966年以降1975年頃までのメロディとハーモニー中心の心地よいポップ・ミュージック" と定義づけされています。
ロックと名付けられてはいても、ロック特有の ガツン感はない音楽。 90年代半ば頃、僕は新宿の某外資系CDストアで働いていたのですが、"ソフト・ロック“ という括りの音楽が再評価され、ちょっとしたブームとなったことを記憶しています。
THE ASSOCIATION / Never My Love (1967)
ソフト・ロックを代表するグループのひとつです。高度なコーラス・ワークに裏打ちされた美しいハーモニーを特徴とするグループです。
"かなわぬ恋” という邦題を持つ「Never My Love」は、グループとしてのピーク時である3作目のアルバム『Insight Out』に収録された曲。全米2位を記録した大ヒット曲です。スイートなメロディと、そのメロディの良さを損なうことなく盛り立てるハーモニーが素晴らしいです。楽曲全体のアレンジが素晴らしいんですね。
日本で呼称されているソフト・ロックというジャンルは、欧米ではサンシャイン・ポップとも呼ばれ、1960年代カリフォルニアのポップ・ミュージックを指すそうですが、アソシエーションはそのカリフォルニア州ロサンゼルスの出身です。
CYRCLE / Red Rubber Ball (1966)
サークルはビートルズのマネジャー、ブライアン・エプスタインによって見い出され、1966年にデビューしています。ビートルズのアメリカ公演の前座も務めています。
デビュー曲「Red Rubber Ball」は、ポ-ル・サイモンによって書き下ろされた曲、全米2位のヒットを記録しています。当時 大学生であったという3人のコーラスは、爽やかさを売りにはしていますが、音楽的なセンスの良さも光っています。これはいい曲です!
CARPENTERS / Rainy Days And Mondays (1971)
最後は、先月17日に84歳で亡くなった作曲家、ロジャー・ニコルズの曲を。
ロジャー・ニコルズはアーティストとして自身の名義のアルバムもリリースしていますが、カーペンターズによって歌われた名曲群も有名です。 ポール・ウィリアムスとの共作という形で、「雨の日と月曜日」「愛のプレリュード」「愛は夢の中に」「あなたの影になりたい」という邦題のついた曲を書いています。
家の居間のレコード棚にはカーペンターズのレコードもあったため、小学生の頃から耳に馴染んだ曲たちですが、当時はカーペンターズの曲の中でも地味な曲に感じていました。現在ではカレンの声によって歌われる「雨の日と月曜日」を聴くと、特別な気持ちになります。
ところで雨の日が休日であるなら、家にずっと籠っていても罪悪感が消えて嫌いではないんですけどね。 音楽を聴いたり映画を観たり。
明日は夜から雨になりそうです。
ロジャー・ニコルズへの哀悼の意を込めて
8月に『THE ROGER NICHOLS SONG BOOK』というタイトルで、ニコルズの曲を集めた2枚組CDがリリースされます。その時にまた、ロジャー・ニコルズの曲を取り上げたいと考えています。
