
Pop LiFe Pop FiLe #52
オーリアンズは、洋楽を聴き始めた70年代に好きになったバンドのひとつです。1972年にニューヨーク州ウッドストックで結成されたオーリアンズ。 爽やかなハーモニーを特徴とするアメリカン・ポップ・ロック・バンドです。
バンド名のオーリアンズ (ORLEANS) は、バンドメンバー全員がニューオリンズ R&B が好きであったことに由来しているそうです。ハーモニーの美しさが前面に出てはいますが、バンドのボトムには黒人音楽のリズム感があるということです。美しいハーモニーと演奏力の高さから、西のイーグルスに対し東のオーリアンズと呼ばれた時代もあったというのは頷けるものです。
Dance With Me (1975)
作詞・作曲は、バンドの中心メンバーであるジョン・ホールと彼の妻であるジョアンナ・ホール。75年にシングルとしてリリースされたこの曲は、全米最高位7位となる大ヒットを記録。バンドはスターダムに駆け上がります。
70年代洋楽の名曲のひとつだと思います。僕が聴いた最初のオーリアンズの曲です。10代の頃、ラジオで毎週聴いていた「アメリカン・トップ40」という番組であったと記憶しています。アコースティック・ギターの乾いた響きと、美しいハーモニーが見事に溶け合っています。
70年代の洋楽には手作り感があるでしょ。
"Dance with me, I want to be your partner" とシンプルに歌い上げたロマンティックな曲。ホントにいい曲だと思いますよ。
Still the One (1976)
76年に全米最高位5位を記録したこの曲も、オーリアンズを代表する曲のひとつです。オーリアンズはアメリカ北東部で活動を始めたバンドながら、爽やかで美しいハーモニーを特徴とすることから、ウエストコースト出身のバンドと思われがちです。この曲のユニゾン・コーラスには、ビーチ・ボーイズを思わせる所もあります。
この曲のもうひとつの特徴は、曲全体に鳴り響くギター、ストラトキャスターのサウンドです。各弦の音がきれいに分離されたギター・ワークは、ストラトの持つ特徴的な響きです。ジャカジャカと響くこの音、聴いていてかなり気持ちがいいです。さらに、ジョン・ホールとラリー・ホッペンによるツインギターが、この曲の素晴らしさにとどめを刺しています。
作詞・作曲はジョン・ホール & ジョアンナ・ホール。 オーリアンズの良さの詰まった軽快なこの曲も、オーリアンズのベスト曲のひとつに挙げたいです。
Love Takes Time (1979)
「Still the One」収録のアルバム『Walking and Dreaming』を最後に、バンドの中心メンバー、ジョン・ホールはグループを脱退します。西海岸的な意匠をまとった音楽で順調にヒットを飛ばしていたバンドも、本来の音楽志向との違いからストレスを感じていたメンバーもいたということです。よくある話とは言え、このあたりがバンドの難しいところですね。
しかしながらホール脱退後のオーリアンズは新しい体制でアルバムを作り、ヒット曲も出しています。それが79年に全米11位のヒットなった「Love Takes Time」です。それ以前にはなかった力強さを感じさせる曲となっています。この曲の収録されたアルバム『Forever』も、ハーモニーがシャープあったり、ソウルフルな楽曲もあったりと、全体的にパワフル。素晴らしいアルバムです。
今回の3曲だけでオーリアンズのすべての魅力を語ることは出来ませんが、代表的なヒット曲によって記事にしてみました。他にも素晴らしい曲があるので、それはまたの機会に

