Rock Feel , Rock Field #8 | Get Up And Go !

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より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ






プログレッシヴ・ロックという分野の音楽は、現在でも脈々と続いていて、このアメブロでもずっとプログレを追い続けて記事にしているブロガーさんもいます。60年代末から現在までのバンドを追っているファンもいます。根強いんですね。

僕自身はと言えば、洋楽を聴き始めた70年代半頃からずっと苦手分野です。ただし好きな曲もあるし、よく聴いたアルバムもあるので嫌いとは言い切れないのですが。ストレートなロックや、気持ちを高揚させてくれるわかりやすいポップ・ミュージックが好きであった耳からすると、プログレのドラマチックな構成を大げさに感じ、あるいはクラシックと融合させたロックに胡散臭さを感じたというかね。これは音楽的な好みの問題ですが。

プログレ変革! or 変節?
70年代半ばから、人気としては下降線を辿っていたプログレは、70年代末にもなるとあまり聴かれなくなっていた印象があります。
当時の音楽雑誌、ミュージック・ライフのグループ部門人気投票での、3つの人気バンドの順位を見ると、
1976年
5位:E.L.P. / 7位:ピンク・フロイド / 10位:イエス  
1979年
12位:イエス / 19位:ピンク・フロイド / 24位:E.L.P.
これは日本の洋楽ファンの人気投票ですが。

プログレッシヴ・ロックは、パンク・ファンからはオールド・ウェイブだの金持ちの音楽だのと攻撃され、そしてディスコ・ミュージックの隆盛によっても、衰退の道を歩まざるを得なかったということだと思います。

ところがどっこい、プログレはしぶとかった!ニヤリ
というわけで、今回の本題です。




RUSH / The Spirits Of Radio (1980)
1974年のデビュー時は、ギターのリフを主体としたハード・ロック・バンド。すぐに重厚長大でテクニカルな楽曲を志向するようになり、英国のプログレが主流の中、カナダ産のプログレ・トリオとして名を馳せるようになります。

プログレ人気が下火となる中、ラッシュは1980年のアルバム『PERMANENT WAVES』で方向転換します。 その象徴となる曲が「The Spirits Of Radio」です。 これはあくまでも想像ですが、レコード会社にも何か言われたんじゃないですかね。 クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』の中で、レコード会社のお偉方が「君たちアート志向も良いけど、こんな長くて凝った曲じゃぁ、ラジオ局は流さないし売れないよ」みたいことを言う場面があったでしょ。

クイーンみたく「てめぇら全員 Fuck だ!」じゃなくて、ラッシュのメンバーは素直だったのじゃないかって。「そうだよなぁ、子供のミルク代も稼がにゃならんしなぁ」ってね。繰り返しますが、これは想像です ニコニコ

路線変更ってマイナスのイメージもありますが「The Spirits Of Rodio」は個人的には大歓迎! ポップで軽快なこの曲は大好きです。





ASIA / Heat of The Moment (1982)
1980年、E.L.P.(エマーソン・レイク & パーマー)は解散。同年イエスも活動を停止。エイジアが登場したのは1982年です。 メンバーは元イエスのスティーヴ・ハウ(ギター)、ジェフ・ダウンズ(キーボード)、元E.L.P.のカール・パーマー(ドラムス)、元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン(ベース、ボーカル) 等の凄いメンツ。 当時かなりの話題となりました。

スーパー・バンド! と言えば聞こえは良いのですが。結局のところは食い詰め浪人たちが「武士は食わねどってわけにもいかんやろ」って感じで集まったのではないかと見ています。

「食っていくための変節」だの「4分プログレ」だのと陰口を言われても、凄腕が集まれば路線はどうあれ出来上がりは一級品。 「Heat Of The Moment」は全米4位となるヒットになっています。ゴージャスでポップな作りの曲ですが、この音楽の中にスティーヴ・ハウがいるというのが何とも不思議な感じではありました びっくり

この曲は日本でもヒットしています。 ひとつ思い出すのが、1983年に日本武道館で行われた来日公演(昼間の公演)が、関東ローカルのテレビ神奈川でなんと!生中継されたことです。生中継って嘘だろ! と思いながら見ていました。





YES / Owner Of Lonely Heart (1984)
この曲の登場は大げさでなく衝撃的でした。プログレのポップ・ソング化には違いないのですが、プログレッシヴとは "革新的、進歩的" の意。 この曲はまさにそれに当てはまる曲だと思います。

新生イエスのメンバーはジョン・アンダーソン(ヴォーカル)、クリス・スクワイア(ベース)、アラン・ホワイト(ドラムス)、トニー・ケイ(キーボード)、そしてトレバー・ラビンという、南アフリカのラビットというアイドル・バンドに所属していた抜群のルックスを持つ若いメンバーが、ギタリストとして加わったのも大きな話題となりました。

見た目だけでなく、ギタリストとしての腕も超一級。この人の加入が、とかくダサいと言われるプログレのイメージ一新に貢献したのは間違いないでしょう。 この曲の収録されたアルバム『90125』は、トレバー・ホーンがプロデュースしています。オーケストラをサンプリングした使ったオケヒ(オーケストラ・ヒット)が、大きなインパクトとなっています。当時の最先端技術の知識に関しては、トレバー・ホーンだけでなくトレバー・ラビンも長けていたようです。

「Owner Of Lonely Heart」は、プログレッシヴ・ロック、最後の進化形です。 80年代はMTVの時代。この曲の全米1位ヒットには、無機質さを表現したヴィデオ・クリップも大きな役割を果たしています。
時代が変わり音楽の形が変わっても、そこに唯一無二のジョン・アンダーソンの声があれば、それは YES であるということを最後に付け加えておきます グラサン






※ 追記 
本記事は、1月24日付、音楽レビュージャンル・記事ランキングにおいて、1位となりました。励みになります。
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