
このブログも最近はすっかりバラエティ化しています。ならばもうひとつ、夏の定番、怪奇モノで。音楽絡みの記事ですが。
昨年の今頃にも 「過ぎ行く夏にホラー映画を!」というタイトルの記事をアップしています。その part.2といったところです。
ウルトラQ - メインテーマ (1966)
皆さんにとっての最初の恐怖体験は何でしょうか。僕にとっては、物心ついて初めて "怖い!" と意識したものは、テレビドラマ「ウルトラQ」であったと思います。"物心ついて" というのは、それが幼児期であり、ゆえに単に怖いテレビドラマを見たという以上の "体験" であったということです。テレビの中に入り込んでしまって、それが疑似体験以上のものになってしまったということです。
1966年に円谷プロによって製作された特撮テレビドラマ「ウルトラQ」は、当初アメリカのテレビドラマ「トワイライトゾーン」を意識して企画されました。途中で怪獣路線へ変更するのですが、とりわけ怖いのは路線変更以前のSFタッチのドラマやゴシックホラーものです。何度も再放送されたドラマですが、今見ても怖いものがいくつもあります。
ここで2つだけあげるなら、未来人が夜の遊園地に現れる「2020年の挑戦」と、迷い込んだ古い洋館に現れる巨大グモを描いた「クモ男爵」でしょうか。本当に怖い!ついでに言うなら石坂浩二のナレーションも怖い!
当時テレビ局に「子供がうなされて困る」という苦情があったそうですが、それはすごくよくわかります。そして宮内國朗氏によって作曲されたテーマ曲がまた怖い!たくさんのテレビドラマや映画音楽を手掛けられた方ですが、この「ウルトラQのテーマ」はまさにプロの仕事。 恐怖のメロディの傑作ですね。一昨年に公開された「シン・ウルトラマン」で、この曲が流れてきた瞬間はちょっと感動しました。
CROSBY, STILLS, NASH & YOUNG / Déjà Vu (1970)
デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グレアム・ナッシュ、ニール・ヤング。 方向性の違う4人のシンガー・ソングライターによって結成されたグループです。1970年発表のアルバム『Déjà Vu』は、4人の個性の違いを反映して楽曲のタイプはバラバラなのですが、アルバムとしての統一感はあります。完成度も高いアルバムです。
アルバム・タイトルでもある「Déjà Vu」という曲は、一糸乱れぬハーモニーが美しく、その隙の無さが緊張感を生み出しています。 "デジャ・ヴ" というのは、既視感を意味します。「あっこの風景、どこかで見たことがあるぞ」とか「この場面。過去にもどこかで経験しているぞ」とか、そういった経験はありませんか ?例えばそれは前世の記憶であるとか、いくつかの説がありますが。
10代の頃によく聴いていた、「セイヤング」という谷村新司さん担当回のラジオの深夜番組の中に、「ばんばんの超心理学コーナー」というのがありました。 チンペイさんとばんばんによる下ネタ満載の悪ふざけの番組内容の中にあって、そのコーナーだけは極めてまじめに心霊現象を取り上げて語っていました。そのコーナーの冒頭に使用されていたのが、どこか不安感も感じさせる曲「Déjà Vu」です。
真夜中ということもあってこれが怖かった! オカルトを意識して作られた曲ではないと思うのですが、番組の内容とハマっていたんですね。今思えば、よくこの曲の使用を思いついたなと思います。
GOBLIN / SUSPIRIA -MAIN THEME-(1977)
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンド、ゴブリンによる『サスペリア』のメインテーマは恐怖のメロディの定番です。『サスペリア』というのは、1977年制作のイタリアのホラー映画です。バレエの名門校に入学した若い娘の恐怖体験を描いた映画です。
日本では1973年公開の『エクソシスト』がきっかけとなって、ホーラー映画がブームとなっていたのですが、この『サスペリア』や『オーメン』も大ヒットしました。"決してひとりでは見ないでください” というテレビスポットCMでのキャッチコピーが流行語にもなったので、憶えている人も多いと思います。○○してはいけない系のコピーって、人間の心理をうまく突いていますよね。そんなにも怖いのかとか、あるいはいけないといわれると余計に興味をそそるとか、そういうのってあるでしょ。
この曲は『エクソシスト』のテーマ曲同様に、ミニマルという作曲手法を取り入れて作られています。反復を繰り返すことによって、じわじわと恐怖が増幅されていくという仕掛けです。この曲はそれをはっきりと意図して作られています。人の感情の深い所にある本能的な部分に、訴えかけるようにして迫ってきます。

。。ウルトラQ 「クモ男爵」