Pop LiFe, Pop FiLe #33 | Get Up And Go !

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Summer Love Songs 晴れ
命の危険を感じる暑さも少しは和らいだのでしようか? 電気代の請求が怖いのは私だけではないでしょう。"ゲリラ豪雨" が俳句の季語となり、夏が変わっていってしまっても、やっぱり夏はビーチボーイズと詠ちゃんであることには変わりはありません。 あっ詠ちゃんって大瀧さんのことね。(*^^)v

今回の記事にも、前回の記事と合わせて夏の証しを残しておくことにしました。

THE BEACH BOYS / Wouldn't It Be Nice (1966)
1966年に発表されたビーチ・ボーイズの名盤『PET SOUNDS』の冒頭に収録された曲です。邦題は「素敵じゃないか」。リードヴォーカルはブライアン・ウィルソンが取っています。 名曲ゆえ、映画やCMで何度も使用されてきた曲です。初めてこの曲を聴いたのは、1983年のアメリカ映画『再会の時』の中でした。個人的には、"my favorite songs" の上位にずっと居続けている曲です。

最も印象に残る「素敵じゃないか」は、ブライアン・ウィルソンの半生を描いた2015年の映画『ラブ & マーシー 終わらない夏』のラストで流れる場面です、ビーチ・ボーイズのリーダーとして波乱万丈の人生を過ごしてきたブライアンが、恋人とハッピーエンドを迎える場面です。音楽によって得た成功が自らを苦しめ、けれどその音楽によって自らが救われるんですね。お薦めの曲、お薦めの映画です。





THE BEACH BOYS / I'm So Young (1965)
オリジナルは1958年の黒人ドゥワップ・グループ、ザ・ステューデンツによるもの。フイル・スペクターのプロデュースによってロネッツも取り上げていて、ビーチ・ボーイズのヴァージョンはロネッツを意識してのものです。この時期ブライアン・ウィルソンはフィル・スペクターに傾倒していたんですね。

コーラスは洗練されています。深めのエコーがかかっているのはフィル・スペクター影響下の音といってもよいでしょう。イメージとしては、去り行く夏のラブ・ソングといった感じでしょうか。






THE BEACH BOYS / Surfer Girl (1963)
ビーチ・ボーイズ初期の名曲です。ビーチ・ボーイズのバラードの中でもとりわけ好きな曲です。"サーフィン" という題材が、ビーチ・ボーイズにとって需要なツールであることは言うまでもありませんが、ビーチ・ボーイズのメインライター・ブライアン・ウィルソンはサーフィンをやりません。ほとんど泳げないとも言われています。

ブライアンにとっての海は純粋な憧れであり、実在はしないノスタルジアなんですね。ブライアンのバラードに登場する海は夕暮れの寂しさを思わせます。サーフボードを抱えて浜辺を歩く女たちは、女神にも似たものであったのかも知れません。

ブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズで大きな成功を手にしますが、それは無垢さと引きかえであったということです。精神に変調をきたした後、その狂気が才能をさらなる次元に引き上げてしまいます。アーティストとしての歩みは壮絶なものですが、残された作品に特別な輝きがあることは確かです。