
Like A Rolling Stone
先日、LOVE PSYCHEDELICO のふたりが担当するラジオ番組「Third Stone From The Sun」で、この曲がかかっていました。Naoki君にはたまに、突然に石が襲いかかってくるのだそうで、それがとんでもない激痛なのだと。石というのは尿管結石のことね (*^^)v。 その石は尿管を通り抜けてしまえば何事もなかったように、普通の状態にもどるのだと。その話の後にかかった曲が、ボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」でした。
転がる石(Rolling Stone)= 結石。あるいは結石の痛みで転がる石のようにのたうち回る行為。いずれにしても凄い自虐ネタです。Kumi さんは「痛かったでしょ」と笑いながらも、いつものようにネイティブな英語で曲紹介していました。そのギャップが可笑しくて、電車の中で吹いてしまいましたよ。
そういうわけで、「Like A Rolling Stone」は、実は尿管結石のことを歌った曲なのです
(んな わけね~だろ!)

「Like A Rolling Stone」は、1965年 ボブ・ディラン 6枚目のアルバムとしてリリースされた『HIGHWAY 61 REVISITED (追憶のハイウェイ61) 』の冒頭に収録された曲です。ボブ・ディランの楽曲としては、一般的に「Blowin' in the Wind」の次に有名な曲じゃないでしょうか。
ディラン自身にもライブ・ヴァージョン他いくつかのヴァージョンがあります。カバー曲も多くありますが、このヴァージョンを超えるものは多分ないでしょう。唯一無二のロック名曲と言ってもいいのかも。アメリカの音楽誌「ローリング・ストーン」が2004年に選定したロック名曲500の1位にも選ばれていますからね。
どこぞの裕福で高貴な女性の人生の転落を見た主人公が、「いったいどんな気分だい(How Does it Feel)」と語り掛ける歌です。イメージとしては耳元で繰り返しがなり立てる感じでしょうか。高貴な女性は、栄光の座にあるものであり、栄華をきわめた権力者であり、当時の若い世代にとっての体制側。 体制への痛烈な批判を込めた曲と言うわけです。
同時に 「肩書きだとか名声だとかの飾りを捨ててしまえば、もっと自由に楽に生きられるぞ」という、ディラン自身のメッセージだとも言われています。音楽史的に、この曲こそがロックの始まりだとする評論もありますが、それは理解できますね。ロックという音楽には、体制に対する反乱という概念もその一部としてありますからね。

僕自身、ボブ・ディランについては70年代までの曲は現在もよく聴きますが、あとはそんなに詳しくはないんですよね。15歳の時、「Like A Rolling Stone」を初めて聴いた時には、”なんてカッコいい曲なんだろう" と思いました。英詩が直接入ってくるわけもなく、ディランの畳みかけるような歌の響きを先頭にした、サウンド全体がカッコいいと思ったんですね。アル・クーパーのオルガンも、ディランの語りのカッコよさを際立たせていると思います。
当時リアルタイムで聴いた「Hurricane(ハリケーン)」なんかも、同じように響きとしてのカッコよさを感じたのだと思います。ここで言いたいのは、ノーベル文学賞を取ったとは言え、歌詞の研究は後回しにしたほうが良いのでは、ということです。
一度だけボブ・ディランのライヴに行ったことがあります。2014年4月のことです。少し驚いたのは、若い世代のファンが意外に多かったということ。 ポール・マッカートニーやローリング・ストーンズのライヴよりもその割合は多かったと思います。そして服装や髪形をスタイリッシュに決めているんですね。イラストレーターとかデザイナーとかのクリエイティブな仕事をしていそうなスタイルです。ボブ・ディランも、実はいつもスタイリッシュに決めています。サングラスなんかいつも高そうなのをしています。
ボブ・ディランは感覚的な人だと言われています。現在でも若いファンを生み出している要因は、そのあたりにありそうです。若い世代にも訴えかけることの出来る何かがあるのでは、という事です。
というわけで今回は前回の "何で今さらシリーズ”の第2弾として、ボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」についてを、個人的な見解を中心にまとめてみました。
(゜o゜)
以下は参考資料みたいなもんです。
JIMI HENDRIX / Like A Rolling Stone (1968)
ROLLING STONES / Like A Rolling Stone (1995)
