NOW That's What I Call Music | Get Up And Go !

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NOW, That's What I Call Music
イギリス発のこのコンピレーション・アルバムの第1弾が発売されたのは、1983年11月28日。 今年40周年を迎えたことになります。最新版は No.116。 今や歴史あるコンピレーション・アルバムのシリーズとなりました。 先日、40周年を記念してのCDセットもリリースされています。

個人的には、仕事で商品として輸入し各店に卸していたこともあるし、あるいは店のスタッフとして特集企画を組んで販売したりとか、いろいろと思い出もあるシリーズです。

このアルバムが画期的であったのは、複数のレーベルが協力して作られたことです。日本でもアメリカでもレーベルを超えてのヒット曲集などなかった時代ですからね。当初はヴァージン・レコードとEMI のアーティストたちの曲で構成されていました。現在はCD化されCD2枚組となっていますが、当時はアナログ・レコード2枚組で発売されています。

以下が記念すべき第1弾の曲目リストです。皆さんどのくらい曲を知っていますか? 80年代洋楽世代の方は、かなりご存知なのでは。

- Disc 1 -
01 PHIL COLLINS / You Can't Hurry Love
02 DURAN DURAN / Is There Something I Should Know
03 UB40 / Red Red Wine
04 LIMAHL / Only For Love
05 HEAVEN 17 / Temptation
06 KC & THE SUNSHINE BAND / Give It Up
07 MALCOLM McLAREN / Double Dutch
08 BONNIE TYLER / Total Eclipse Of The Heart
09 CULTURE CLUB / Karma Chameleon
10  MEN WITHOUT HATS / The Safety Dance
11 KAJAGOOGOO / Too Shy
12 MIKE OLDFIELD / Moonlight Shadow
13 MEN AT WORK / Down Under
14  ROCK STEADY CREW / (Hey You) The Rock Steady Crew
15  ROD STEWART / Baby Jane
16  PAUL YOUNG / Wherever I Lay My Hat (That's My Home)

- Disc 2 -
01 NEW EDITION / Candy Girl
02 KAJAGOOGOO / Big Apple
03 TINA TURNER / Let's Stay Together
04 THE HUMAN LEAGUE / (Keep Feeling) Fascination
05 HOWARD JONES / New Song
06 UB40 / Please Don't Make Me Cry
07 PEABO BRYSON & ROBERTA FLACK / Tonight, I Celebrate My Love
08 TRACEY ULLMAN / They Don't Know
09 WILL POWERS / Kissing With Confidence
10  THE CURE / The Lovecats
11 SIMPLE MINDS / Waterfront
12 MADNESS / The Sun And The Rain
13 CULTURE CLUB / Victims
14  GENESIS / That's All






CULTURE CLUB / Karma Chameleon
ベタではありますが、まずはこの曲を取りあげなければならないでしょう。日本でも大ヒットしましたからね。 普段洋楽を聴かない人でも、わかりやすい歌詞のこの曲を口ずさんでいたりね。1983年を代表する曲であり、80年代洋楽を象徴する曲のひとつという言い方も出来るかも知れません。

見た目が奇抜であったため、色物のように見る人もいましたが、音楽的には優れていたし好きでした。「カーマは気まぐれ」という邦題のついたこの曲などは、モータウン・ポップを思わせるし、全体にポップかつソウルフル。 そしてアイデアに溢れていました。ジョージ・マイケルは、歌手としてのボーイ・ジョージをライバル視していたようです。

『NOW, That's What I Call Music』が発売された1983年というのは、第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンと言われる、イギリスの若いアーティストたちがアメリカの音楽市場を席巻していた時代です。このアルバムで言うと、デュラン・デュランとカルチャー・クラブがその代表格です。タイミングよく登場したシリーズでもあったと思います。





PHIL COLLINS / You Can't Hurry Love
フィル・コリンズのソロ初の全英No.1 ヒットが、記念すべきアルバムの冒頭に収録されています。「恋はあせらず」という邦題のついた、シュープリームスのカバー曲です。作詞・作曲は、モータウンで数々のヒット・ナンバーを持つソングライター・チーム、ホランド=ドジャー=ホランドによるもの。

これまで、多くのアーティストにカバーされてきた曲です。 MVを見るとおっさんのウケ狙い、宴会芸のようにも思えて、今見ても吹き出しそうになりますが、フィル・コリンズは原曲に沿ったアレンジで大マジメに歌っています。純粋にモータウンのファンなのだと思います。2010年には、モータウンのカバー・アルバムも出しています。

80年代のフィル・コリンズは、ソロとして、ジェネシスのドラマーとして、プロデューサーとしてもヒット作を出し、「また、フィル・コリンズかよ!」と言われるほどの大活躍でした。





MIKE OLDFIELD / Moonlight Shadow
作詞・作曲はマイク・オールドフィールド。 ヴォーカルにはマギー・ライリーをフィーチャー。イギリスでの最高位は4位、ヨーロッパの多くの国でチャート上位を記録する大ヒット曲となっています。

マイク・オールドフィールドと言えば、リチャード・ブランソンの設立したヴァージン・レコードの契約第1号アーティストとして知られています。73年の映画『エクソシスト』のテーマ曲、「Tubler Bells」が大ヒット。インディ・レーベルの主宰者でしかなかった山師・ブランソンは、金鉱を掘り当てて音楽業界でメジャーへと駆け上がっていったのです。

セックス・ピストルズの仕掛け人のひとりでもあったし、カルチャー・クラブの才能を見出した点なども考え合わせると、リチャード・ブランソンはある種の臭覚にすぐれた人だったのだと思います。因みに個人的なことではありますが、ブランソン氏が設立したヴァージン・メガストア・ジャパンという会社で90年代のほとんどを過ごしました。

新しい店がオープンするとオープン・セレモニーで来日していましたが、かなりエキセントリックな人でした。例えばオープン時のパーティーでは、テーブルの上に立ち上がって "Stop AIDS!" とプリントされたコンドームを花咲かじいさんよろしくばら撒いたりね。

後に航空会社を設立した際も、価格破壊で大手の航空会社をすべて敵にまわしたりと、会長というよりも風雲児、異端児といった呼び名がふさわしい人かと思います。気球で世界一周を挑んだことは凄いとは思いますが、やりすぎの面もありました。自分の中に壁だとか限界だとかを設定しない人なのでしょうね。





すいません、最後は話が脱線してしまいましたが、今回の『NOW That's What I Call Music』もヴァージン・レコードが考案したものでもあるし、お許しを (^-^;
『NOW』のヒットによって、MCAとWEA のコンピレーション『The Hit Album』なども生まれ、業界に風穴を空けたアルバムとなったのは間違いないでしょう。企画が優れていれば大ヒット商品になるということです。

『NOW』も90年代に入るとブランド化し、世界各国で "NOW" と頭についたコンピレーションが企画されるに至りました。たとえば日本だとJ-Pop を集めた『NOW JAPAN』。 他に 『NOW JAZZ』『NOW REGGAE』だとか。 ま、頭に "NOW" を付ければいいってもんじゃないですけどね。
(*^^)v