
というわけで、今回はポール・マッカートニーの曲のカバーズを。ポールの誕生日でも何でもありませんが。 ポールの曲のカバー・ソングは膨大な曲数があり、しかも音楽性の幅がとんでもなく広い。 何らかのくくりを設けないと収拾のつかないと内容となってしまいます。なので今回は、題して "ロッキン・ポールなカバーソングを!" ということで。コンサートツアー再開を祝して!
ポール・マッカートニーのライヴに一度でも参加したことのある人なら、音楽性の幅の広さを実感としてわかってくれるでしょう。 忘れもしない2013年の来日公演。 その日のセットリストでは、ライヴ終盤に「Yesteraday」の後に「Helter Skelter」という順番で組まれた箇所があったのです。
久しぶりの生の「Yesterday」。 皆が「やっぱり名曲だよね」とうっとりしてしていると、あの 「だららららららら」のギターイントロが。例えるならば、至高の名曲によって皆がうるうるしていたら、いきなり肩をふん掴まれて回転コースターに押し込まれ、上へ下へとぶん回される。高齢者も多いポール・マッカートニーのライヴ。 失禁者も出るのではないかと心配にもなりますが、振り子の両端を行ったり来たりするのが、ポール・マッカートニーのライヴなんですよね。
VOW WOW / Helter Skelter (1988)
というわけで、ハナはバウワウ の「Heleter Skelter」で。 日本のバンドです。
実はバウワウ、70年代のデビュー当初、近所に住んでいました。まだ BOW WOW と名乗っていた頃です。立川基地に隣接する米軍ハウスにメンバー皆で住んでいたようです。言ってみれば合宿生活ですね。よく見かけましたよ。 その当時は、音楽雑誌で見た顔だぞ、といった程度の認識。 近隣で少し話題になったのが、BOW WOW のロゴの入った大きなトレーラー車がたまに駐車していたことですかね。
あまり興味もなかったのですが、人見元基というヴォーカルが加入して、バンド名をVOW WOW に改名して少し経った頃、イギリスで人気となっているというニュースが。 ネットなどない時代です。 音楽雑誌の記事としてだったと思うのですが。
僕は大学を卒業した後、CD・レコードを輸入するインポーターという職に就いたのですが、そこで扱っていた KERRANG というイギリスのロック雑誌を見てびっくり!けっこうな誌面で写真付きで紹介されていたので。駅周辺をウロウロしていたあの連中が! 読んでみると、イギリスのロック・キッズたちの憧れであると。 イギリスのアルバム・チャートにもインしていました。
「Helter Skelter」は、ヘヴィ・メタル・ロックの原型のような曲。 VOW WOW に違和感なくはまっています。というかカッコいい!
AEROSMITH / I’m Down (1987)
アメリカのハード・ロック・バンド、エアロスミス。 70年代のエアロは大好きでした。『TOYS IN THE ATTIC (闇夜のヘヴィロック) 』『ROCKS』『DRAW THE LINE』あたりのアルバムは、当時随分と聴き込みました。 ですが80年代になると低迷してしまい 「あの人は今」の状態となってしまいました。
87年の『PERMANENT VACATION』が、セールス的には復活アルバム。 ここから再び黄金期へ突入となったわけです。デスモンド・チャイルドという、コマーシャルなロックを書けるソングライターと組んだことも成功の一因だと、世間一般では言われています。ですがエアロ独特の猥雑な雰囲気もしっかりと残されていて、やっぱりこのアルバムはいいアルバム、そして売れるアルバムです。
アルバム中の一曲、ビートルズ全盛期のポールの作ったストレートなロックン・ロール「I'm Down」のカバーが目立たくなっています。かっこいいんですけどね。スティーヴン・タイラーはかなりのビートルズ・ファンだったようです。 卑猥で大きな口を見ると、それがミック・ジャガーと重なり、イメージとしてはストーンズ系なのですが。
ジョンの作った曲もポールの作った曲も好きだったよです。ジョンの作った曲では70年代にカバーした「Come Together」 が印象に残っています。スティーヴン・タイラーはポールのライヴの「Helter Skelter」に飛び入りしたこともあります。ポールの好きな曲のひとつに「You Won't See Me」 を挙げているのが意外中の意外です。
GUNS’N ROSES / Live And Let Die (1992)
80年代半ば頃、ガンズ・アンド・ローゼズが登場した時には、エアロスミスに似た雰囲気のバンドだなと思いました。 いわゆる "セックス、ドラッグ & ロックン・ロール" みたいなね。レスポールを持ったギタリスト、スラッシュなどは、70年代ハードの匂いがぷんぷんでしたからね。
なので、ポール・マッカートニーがソロとなってから作った「Live And Let Die (死ぬのは奴らだ)」のカバーがシングルとして発表されたときには、意外でしたね。やっぱりバンドの持つイメージと違いましたからね。あるヘヴィ・メタル・ロッカーのインタビューで(誰だかは忘れた)で、「部屋ではヘヴィ・メタルなんか聴かねぇよ」と言っていたことを思い出しますが、音楽は様々な要素によって作られているということですね。
92年の、バンド絶頂期の東京ドーム公演には行きました。ロックの歴史を俯瞰する中では、これは絶対に行かなければいけないという瞬間があるんですね。
「Live And Let Die」も演奏されました。 あのライヴは凄かった! 長時間に渡ってのライヴでした。それまでには、85年のブルース・スプリングスティーンの来日公演が4時間近くて、凄いなぁと思いましたが、ガンズのライヴも長くてパワフル。 ブルーザー・ブロディとハルク・ホーガンが合体したみたいな (ちょっと古いか)。 やっぱ肉食獣には勝てねぇよと思い知りましたよ。
。。ポール・マッカートニー様、
。。来年は来てね ☆
