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昨年12月22日、フィラデルフィア・ソウルのパイオニアのひとりであり、プロデューサーでアレンジャー、そしてソングライターとしても知られるトムベルさんが亡くなりました。 79歳。

1960年代後半から70年代にかけて、スタイリスティックスをはじめスピナーズ、デルフォニックスなどへ楽曲を提供。数々のヒット曲、名曲を生み出したひとです。

フィラデルフィア・ソウルと呼ばれるポピュラー・ミュージックのスタイルは、70年代半ば頃、日本でもブームとなりました。例えばスタイリスティックスやスリー・ディグリーズなどが有名です。スリー・ディグリーズなどは日本語の訳詞で歌謡番組に出演したこともありますからね。フィラデルフィア・ソウルは、歌謡曲と親和性があるんですね。歌謡曲側がフィリー・スタイルを曲に取り入れたりしていました。ソウル・ミュージックと呼ぶには白人的な要素も多くあり、洗練された音楽です。日本人の琴線に触れるような湿り気もあります。



DELFONICS / La-La-Means I Love You (1968)


トム・ベルは、ギャンブル&ハフのコンビとともに、フィリー・ソウル・ブームを作り上げた立役者のひとりです。自身が書いた初めてのヒット曲が、1968年のデルフォニックスによる「La-La-Means I Love You(ララは愛の言葉)」です。現在ではカバー曲も多い名曲です。90年代にスウィング・アウト・シスターがヒットさせたことでも知られています。

70年代と言えばディスコ・サウンドです。フィリー・ソウルもその流れには抗えずディスコサウンドとつながっていくわけですが、まだそれに侵食される以前に書いたダンサブルな曲もあります。スピナーズの「I'll Be Around」です。ファンキー・ディスコと呼ばれたサウンドですが、60年代モータウンの香りもかすかに残ります。 



SPINNERS / I'll Be Around (1972)


そして何と言ってもスタイリスティックス。
スタイリスティックスの作曲、プロデュースを手がけるようになると、次々と大ヒット曲が生み出されます。これがフィリー・ソウルの一大ブームにつながっていくわけです。

洗練されたメロディ。美しいハーモニー。木管楽器の響き。重厚なストリングス。フィリー・ソウルのことをスウィート・ソウルと呼んだりしますが、ソウル・ミュージックというより、ポピュラー・オーケストラと言っても良いのでは。トム・ベルは、子供の頃クラシックを学んだそうですが、そのことが既成のソウルミュージックとは違った形の音楽を生み出した、大きな要因なのだと確信します。



THE STYLISTICS / You Are Everything(1972)


昨年末より体調を崩し、さんざんな正月となってしまいました。今年はブログのペースを少し落とそうかと考えています。ぼちぼちと行きます。

今年もよろしくお願いします。 お弁当