
今月12日、アメリカのジャズピアニスト、ラムゼイ・ルイス氏が亡くなりました。 出身地のシカゴで安らかに息を引き取ったとのこと。 87歳。
このブログではジャズミュージシャンについてはほとんど取り上げていないし、実際、詳しくはありません。それでもジャズ売り場に勤務したことが数年あって、好きなアーティストもいます。ラムゼイ・ルイスもそのひとりです。
ラムゼイ・ルイスの音楽は、ジャズの中でもファンキー・ジャズあるいはソウル・ジャズと分類されていて、コアなジャズ・ファンの間では敬遠されていた時代もあったそうです。実際、売り場でも、いわゆるジャズおやじと呼ばれていた年配のジャズファンから 「あんなものは… 」という言葉を聞いたことがあります。「あんなものとは何事だ!」とは思いましたが、ソウルフルで土臭さも感じるジャズを指して、まぁ クールではないということなのでしょう。だいたい、ジャズファンって屈折していて変わった奴が多いんですよね。だから好きではないのです。 すいませんこれは脱線です。
RAMSEY LEWIS TRIO / The "In" Crowd (1965)
1965年5月 ワシントン州 ボヘミアン・キャヴァーンズでのライブ録音。
お里がロックの僕などは、ラムゼイ・ルイスのわかりやすさが好きなんですけどね。 わかりやすさというのは、最初に好きになったアルバム 『THE IN CROWD』を主として指しています。現在ではジャズの名盤本の類には載っているアルバムです。僕が働いていた90年代も、一日に数枚売れるいわゆる定番商品でした。
そのわかりさすさもあってか、アルバム 『THE IN CROWD』冒頭の曲 「THE "IN" CROWD」は、1965年10月 全米チャート最高位5位となる、ジャズとしては異例のヒットを記録しています (ちなみにこの時の1位はビートルズの 「イエスタデイ」)。 この曲、「聴いたことあるぞ!」 という人 多いと思いますよ。 観客から手拍子と掛け声も聞こえる、生の息遣いを感じさせるライヴの名演でもあります。

アルバム『THE "IN" CROWD』の大ヒットによってなのか、同年65年にやはりライヴ録音となるアルバム 『HANG ON RAMSEY』もリリースされています。こちらもライヴの熱気と楽しさが伝わるアルバムです。ラムゼイのファンキーなピアノを際立たせているのは、ラムゼイ・ルイス・トリオとして活動していた当時のリズム隊、エルディ・ヤング (b) とレッド・ホルト (ds) のサポートによるところも大きかったことも記しておく必要がありますね。
当時全米を席巻していたビートルズ・ナンバーを演奏しているのは、ライヴの掴みとして考えればよい選曲だと思います。一緒に歌い身体が動き出したらそのままに踊る。そういったライヴでの風景が目に浮かんできます。
90年代になると、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクがちょっとしたブームとなったこともあり、ラムゼイ・ルイスのアルバムは、ソウル / R&B コーナーから流れてきて買い求める若いファンも増えたことも思い出します。
RAMSEY LEWIS TRIO / A Hard Days Night (1965)
1965年10月 カリフォルニア州のナイトクラブ、ライトハウスでのライヴ録音。
.....Ramsey Emmanuel Lewis Jr.
.....may.27 1935 - Sep.12 2022
