
二人の夏
二人の夏は蒼い月影につつまれた
二十歳の夢の断片
濡れた髪 風に梳かせ 波寄せる砂浜で
うつむいて肩をふるわせた君は夏の汐風
月は君の瞳の中で 小舟のように揺れてた
二人の夏は蒼い月影につつまれた
二十歳の夢の断片
月に抱かれ二人片寄せ浜辺を歩く
街の灯り遠くに揺れ 二人を酔わす
いつの日にかこの浜辺 想い出す日がくる ♪
「二人の夏」 は、浜田省吾が愛奴時代の1975年に、グループのデビュー・アルバムのために書き下ろした曲です。ファースト・シングルとしてもリリースされています。この曲、周囲の評判は良かったにも関わらず当時はほとんどヒットしませんでしたが、後に夏の名曲のひとつとして語られていくようになっていきます。1987年にはセルカバーとして再録音されています。

一聴してすぐわかりますが、ビーチ・ボーイズ風のバラードです。浜田省吾は、この時点ではソングライターとしてまだ駆け出しだったそうですが、それでもこんなにもいい曲を書いてしまったんですね。曲のラストでの "夢のかけら" と繰り返す部分には、とりわけ素晴らしさを感じます。
愛奴解散後のファースト・ソロアルバムでは、泥臭くごつごつとした作風の曲がみられ、ここではボブ・ディランからの影響が窺えます。 ビーチ・ボーイズも浜田省吾の音楽的ルーツのひとつですが、美しいハーモニーを持ったアメリカン・ポップスからの影響が、後に社会的で骨太なメッセージを歌っていくことになりながらも、大衆性を失わなかった要因だと思われます。 浜田のライヴで、バンドのメンバーたちとのア・カペラを聴いたことがあるのですが、これが聴衆を魅了する素晴らしいハーモニーなんですよね。
1995年、山下達郎氏がシングル 「世界の果てまで」のB面で、ライヴ録音によるこの曲のカバーを発表しています。山下達郎もビーチ・ボーイズをルーツのひとつに持つシンガーです。同じルーツを持つアーティストの楽曲をカバーするという事には、意味があるように思います。同志的なつながりとでも言えばいいでしょうか。 山下達郎のシュガー・ベイブも、愛奴と同じ1975年のデビューです。
SHOGO HAMADA & THE FUSE
Two Of US in Summer
本日 7月18日は海の日。 ここのところは暑さがやわらぎ、雨模様であったり曇天が続いたり。そんな日が続けば、つい先日の電力逼迫のニュースなどすっかり忘れてしまうんですね。
小生の夏の日々と言えば、近年は海に行くことなどなく、冷房の効いた部屋でゴロゴロしながらビールを飲んで音楽を聴いて過す。 その音楽はビーチ・ボーイズであったり大瀧詠一であったり。 なんか毎年同じことをブログに記していますね。 浜田省吾の 「二人の夏」も、夏によく聴く曲のひとつです。

