ロニー・スペクター | Get Up And Go !

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ロニー・スペクター。 「ビー・マイ・ベイビー」 「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」 など多くのヒットを持つロネッツのリード・シンガーであり、60年代を代表するポップ・アイコンのひとりです。

そのロニー・スペクターの伝記映画が、ゼンデイヤ主演によって制作されることが、昨年秋に発表されています。 ゼンデイヤと言えば、近年では映画『グレーテスト・ショーマン』 での空中ブランコ乗りの役が印象に残っています。 そして歌手 / ダンサーとしても活動しているひとです。

それだけに、音楽映画としても期待をしてしまいます。 ゼンデイヤ主演はロニー・スペクター本人の希望によるものだそうです。 映画は、ロニー・スペクターの自伝をもとにしたものとなるので、フィル・スペクターによるロニーへの嫉妬による監禁や、今や伝説?となった奇行の数々もおそらく描かれることになるでしょう。 興味の湧くところです。

奇しくもフィル・スペクターが今年に入って亡くなり、メディアがロネッツを取り上げる機会も増えています。 ファンとしてはなるべく多くの映画館で上映してほしいと願うところです。







ロニー・スペクターは、1943年 ニューヨーク出身。 1958年、ヴェロニカ・ベネット (ロニー・スペクター) は、実姉のエステル・ベネット、従妹のネドラ・タリーを誘い、後にロネッツとなるガールズ・グループを結成。1961年に、コルピックスよりレコード・デビューしています。これはヒットには至りませんでしたが、新たに受けたオーディションでフィル・スペクターの耳にとまりフィレスと契約。フィル・スペクターは、即座にロニーの声を気に入ったと云われています。

1963年、フィレスからのデビュー・シングル 「ビー・マイ・ベイビー」 が、全米2位となる大ヒット。60年代に計9曲がビルボードホット100入りすることとなります。フィル・スペクターによる大きな後押しがあったとは言え、ビートルズやストーンズのメンバーたちも虜となった、ロニーの声の魅力によるところも大きかったと思います。




The Ronettes / Be My Baby (Live)


メンバー3人はアフリカ系ではありますが、ロニーの歌からは黒っぽさはあまり感じられません。 チェロキー・インディアンや白人の血、そして日本人の血も混ざっているとのことなので、そのことと関係があるのかもしれません。ロニー自身は、「自分はロックン・ロール・サイドの女である」と語っています。

「イズ・ジス・ホワット・アイ・ゲット・フォー・ラヴィン・ユー」 は、キャロル/キング / ジェリー・ゴフィンのペンによる楽曲です。ロネッツ最後のホット100ナンバーとなったこの曲は、現在ではカバー曲がいくつも存在する、フィル・スペクター関連の中では人気のある曲です。完成された 「ウォール・オブ・サウンド」 を聴くことができます。

1966年 ロネッツは解散し、68年 ロニーはフィル・スペクターと結婚しています。




The Ronettes / Is This What I Get For Loving You


ロニー・スペクターは、フィル・スペクターの訃報を受けての声明の中で、「彼のことを狂おしいほど愛し、心と魂を捧げました」 と語る一方で、「素晴らしいプロデューサーでありながら、ひどい夫だった」 「レコーディング・スタジオの外ではちゃんと生きることができなかった」 とも語っています。

フィル・スペクターの嫉妬による束縛は、彼女を家に監禁することとなり、またやむを得ず外出する際も、ボディ・ガードという名の監視を付けるという異常さ。 自らが惚れ込んだ才能であるのに、結婚したとたんにそれを封印させることになってしまったわけです。





1974年、ふたりの離婚は成立。ロニーは同年、ブッダより気持ちも新たにロネッツとして2枚のシングルレコードをリリース。新たなメンバーとの録音でした。「ゴー・アウト・アンド・ゲット・イット」 は、当時流行していたディスコサウンドによるもの。「ウォール・オブ・サウンド」のロニーとは違う新鮮さを感じますが、ヒットには至っていません。ロニーは、ブッダでのシングルの後、一度引退しています。




The Ronettes / Go Out And Get It


1977年、ロニーはカムバック曲としてシングルをリリース。ビリー・ジョエルの 「さよならハリウッド」 をカヴァーしたものです。

ビリーはもともとこの曲を、「ビー・マイ・ベイビー」 をイメージしながら書いたそうです。それがロニー自身によって歌われ、さらに演奏はブルース・スプリングスティーンとの活動で知られるE・ストリート・バンド。プロデュースは、彼女のファンであるリトル・スティーヴンが担当しています。





自分のファンであるアーチストたちに囲まれて録音されたこのシングル・レコードは、ロニー・スペクターのキャリアのなかでもハイライトのひとつと言って間違いないでしょう。



Ronnie Spector & The E-Street Band /
Say Goodbye To Hollywood




ロニー・スペクターは80年代以降も活動を続けますが、それはまたの機会に。コロナ感染拡大の中、最近のライブ情報は伝わってきませんが、Twitterは頻繁に更新しています。元気でいるようです。
(^_^)









Ronnie Spector & The E-Street Band