ドクター・ジョン | Get Up And Go !

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ニューオリンズを代表するミュージシャンのひとり、ドクター・ジョンが亡くなったのは、今月6日のこと。死因は心臓発作。78歳でした。ドクター・ジョンについて、個人的な思い出も絡めて少しだけ。

少年時代からR & B、ゴスペル、ジャズを聴いて育ったという環境が、豊潤なアメリカン・ミュージックを生み出すこととなった大きな要因となっています。 父親がレコード店を経営していたのだそうです。当初はギタリスト。 クラブで演奏中、喧嘩の仲裁に入ったことにより銃で指を撃たれ、ギタリストとしての道を断念。ピアニストに転向したのだそうです。

高校時代に観た映画に、ザ・バンドの解散コンサートを捉えた 『ラスト・ワルツ』 という映画があるのですが、あの映画は洋楽の情報が少なかった時代にあって、日本ではまだ知名度の低かったアーティストも含めて、多くのアーティストを広く紹介することにもなった映画です。

僕はあの映画で、その当時すでに好きであったエリック・クラプトンの動く姿を初めて観ました。 ボブ・ディラン、ニール・ヤング、マディー・ウォーターズ、等も登場し、ドクター・ジョンは存在自体をあの映画を通じて知ることとなりました。『ラスト・ワルツ』 でドクター・ジョンを知ったというひと、かなりいると思いますよ。ちょっとコミカルに歌う曲 「Such A Night」 は、あの映画の中でも印象として強く残る曲でもあったし。




Dr. John & The Band / Such A Night
映画『ラスト・ワルツ』より。 歌い出しで聴衆から笑いがこぼれていて、「愛されていたんだな」 ってわかります。


月明かりの夜に、親友の連れてきた彼女に心を奪われてしまい、その彼女に 「一緒に歩きましょう」 なんて言われて良からぬことを想像し、 「今夜はなんて夜なんだ」 とユーモラスに歌う 「Such A Night」。 ライヴでずっと歌われてきたこの曲も、ザ・バンドと共に演奏されたこのヴァージョンは、音楽ファンにとっては大切な宝物です。

ドクター・ジョンをライヴで初めて聴いたのは、あの映画からずっと時を隔てた1999年のこと。 日比谷野外音楽堂で行われた 「ジャパン・ブルース・カーニヴァ」でのことでした。 この時は前から3番目ぐらいの席で、間近で見ることができたのです。 もともと年齢不詳の風貌であったので、『ラスト・ワルツ』 で見た頃そのままの印象でしたね。 もちろんあのしゃがれ声であったし。

訃報を知ったのは、いつもチェックしているエリック・クラプトンの Facebook からです。 追悼コメントが寄せられていました。多くのミュージシャン仲間が追悼コメントを出す中で、エリック・クラプトンは "most of all a true friend" という言葉で、自身にとってのドクター・ジョンという存在を表現しています。

"I am devastated, I tohught he would live forever" という言葉で締めくくられていたコメントと共に、ドクター・ジョンの代表曲 「Right Place, Wrong Time」 で共演した映像が貼られていました。 クラプトンにとっては思い出の共演であったのでしょう。。。



Dr. John & Eric Clapton / Right Place, Wrong Time




R. I. P. Night Tripper、Dr. John