
ガール・ポップ 80's 。 ずっと以前からやろうと思っていた企画記事です。 好評ならシリーズ化します。
やっぱり最初はマドンナでしょう。好き嫌いは別として、80年代を代表するポップ・アイコンのひとりだという意見に、異を唱えるひとは少ないのでは。 84年に 「ライク・ア・ヴァージン」 が大ヒットし、洋楽テレビ番組 (あの時代日本でもいくつかあった) で、ミュージック・ビデオと共に紹介されると、瞬く間に人気となりましたからね。
現在では、アーティストとしての巨大な才能は誰もが認めるところではありますが、初めは嫌う人もいました。僕自身も同時期に登場したシンディ・ローパーのほうが断然好きでしたね。 女性でもそういう人が多かったはずです。
きちんと聴いてみれば、ポップ・ソングとしてはなかなかいい、と当時もわかってはいましたが、 あのディスコ・ポップ調が安易で薄っぺらに聴こえたのと、イメージの悪さも手伝って毛嫌いしていたのでしょう。 "第2のマリリン・モンロー" なんて言われ方もされましたが、モンローのようなふくよかさ柔かさは感じないし、むしろ男っぽい感じさえしました。 それになんか受け狙いのあざとさばかりが目についたと言うか。
「おっ!これはいいかも」 なんて、抵抗なく聴けるようになったのは、86年のアルバム 『トゥルー・ブルー』 からでしょうか。儲けた分をきちんと作品に投資したという事なのか、アルバムとして曲もサウンド面も質の高い作品となった気がします。
MADONNA / True Blue (1986)
ひと口に80's・ガール・ポップと言っても、様々な個性があるわけですが、根底には60年代ガール・ポップのリヴァイバル、再評価というものがあったように思います。 ガール・ポップ (あるいはガールズ・ポップ) という言葉自体が60年代的というか。これが70年代だとシンガー・ソングライターの時代で、そういう言われ方はほとんどされないわけで。
80年代が60年代と違うのは、シンセサイザーという鍵盤楽器の普及でしょうかね。 僕のようなギターを中心にした音楽が好きな人間にとっては、温かみのない音に感じましたよね。 それが踊るためだけに機能したみたいなダンス・ミュージックと結びついたわけで。 ユーロビートって流行ったでしょ。
カイリー・ミノーグの 「ロコモーション」 は、キャロル・キング作でリトル・エヴァの歌唱で62年に大ヒットした曲のカバーです。 でも僕の世代ではグランド・ファンクのハード・ロック調が頭にこびり付いていたわけで、最初は 「なんだこれは! やめてくれ!」 でしたよね。「そうか今は80年代なのね。この音なのね」 と、自分を納得させるのには、当時結構な時間を要しました。 (^_^;)
KYLIE MINOGUE / Loco Motion (1988)
オーストラリア出身で、イギリスでアイドルとなった人です。 この曲はイギリスでもアメリカでもヒット。
スウィング・アウト・シスター。 このひとたちもデビュー当初はシンセサイザーを駆使しての音楽ではありましたが、チープと言うよりも最先端という言葉が似合うサウンドを持っていました。
すぐに好きになりました。 同じ60年代でも、バート・バカラックを彷彿させる要素もあったし、ジャズやソウルがセンス良くミックスされていてとてもイギリス的。 ホーンセクションを用いたアレンジが洒落ています。 現在までもずっと好きな音楽です。
デザイナー兼モデルであった女性、コリーン・ドリューリーのヴィジュアル面はもちろん、歌声も魅力的です。日本との関わりも深く、親日家であるのもうれしいところです。
SWING OUT SISTER / Breakout (1986)
イギリス・マンチェスター出身。 デビュー時は3人組。 2作目以降は、コリーン・ドリューリーとアンディ・コーネルのデュオ・チームとなります。