スーパースター | Get Up And Go !

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音楽を中心に、映画、文芸、スポーツ など・・・。

より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ








デラニー & ボニー
DELANEY & BONNIE
『スーパースター / Groupie (Superstar) 』

はるか遠い過去の日に
あなたに恋をした
2度目のステージが始まる前に
あなたのギターは甘く澄み切った音で響く
だけどそれはここにはなくて、ラジオの中

愛していると言ったことをわすれてしまったの?
また戻ってくると言ってくれたのに

あなたを愛している ・・・

Long ago, and, oh, so far away
I fell in love with you
Before the second show
Your guitar, it sounds so sweet and clear
But you're not really here, it's just the radio

Don't you remember, you told me you loved me baby?
You said you'd be coming back this way again baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby

I love you, I really do

音譜





1969年にシングル 「カミン・ホーム」 のB面としてリリース。当初はアルバム収録のなかった曲ですが、71年にカーペンターズのヴァージョンが大ヒットしたこともあり、72年にアルバム 『D & B TOGETHER』 に収録。 発表当初の曲タイトルは 「グルーピー」。 ボニー・ブラムレットとレオン・ラッセルの共作ナンバーです。

この曲を初めて知ったのは中学生の頃。 多くの例に漏れずカーペンターズのヴァージョンにおいてです。 そのずっと後にリタ・クーリッジのヴァージョンを知り、ほぼ同時期にデラニー & ボニーで、という順番で聴いています。

「グルーピー」 というのは、いわゆる "追っかけ" のことですが、行動がもっと積極的なひとたちを意味します。 わかりやすく言えば、アーティストと一夜を共にするのが究極の目的であり、仲間内では 「誰々と寝た」 を勲章としている人たち。 と聞いています。ロック・スターを狙った高級コールガールというのも存在していたようですが、グルーピーはファンとしての熱狂度が高じたひとたちのことを指すようです。






洋楽原体験としてカーペンターズを聴いていた頃は、健全で様式化されたポップスである 「スーパースター」 が、まさかそんな内容を持った曲であるとは思いもよりませんでした。 歌詞のほうもソフトな表現に変えています。

歌詞にある "You loved me" はベッド中での言葉であり、ファンに歌で語りかける 「君を愛している」 とは違うわけです。 ロック・ミュージシャンは街から街へと移動しながらコンサート活動を続ける人たちであり、アーティストにとってはライヴ後の疲れを癒すための一夜の遊びとも言えるわけですが、そうだとわかってはいても 「愛している」 の言葉にときめき、「また戻って来るよ」 の言葉に夢をつないでしまう、ちょっと切ない歌ですね。






この曲では、エリック・クラプトンがとても控えめなプレイでギター参加しています。 この頃のクラプトンは、ザ・バンドやデラニー & ボニーなどの、ゴスペル、カントリー、ブルース、R&B などアメリカの南部に根差した音楽に打ちのめされて、スティーブ・ウィンウッドとのスーパーグループ 「ブラインド・フェイス」を投げ出してまでして、デラニー & ボニーのツアー・メンバーのいちギタリストとして参加していた頃です。そのことについては、いずれあらためて記事にするつもりです。

それから曲の共作者であるレオン・ラッセルは、ソングライターとして多くのすぐれた曲を残しています。 昨年11月に亡くなっていますが、記事にするタイミングを逸してしまっていたため、こちらもなるべく早い機会に記事にしようかと考えています。