
AT THE HOLLYWOOD BOWL selected by Yang
『LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL』。 ビートルズ・ファンの皆さんは、当然 聴きましたよね。 期待していたとおりの音の良さ。アナログ時代より聴きやすくなっています。 具体的にはそれぞれの楽器、歌がクリアに聴こえ、常にバックで聞こえている大歓声との分離が良くなっているのを感じました。
それでも初めて聴いた人の中には、あの嬌声をうっとおしく感じた方もいるかも知れません。 でも当時のビートルズのライヴの熱狂を伝えるドキュメントとしては、絶対に必要な音ですからね。 部屋ではなるべくスピーカーで鳴らし、空気を伝わる大音量で聴くようにしています。
『BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL』 (→ ☆)
今回は 「ハリウッド・ボウルはビートルズだけではないぞ!」 ということで、カリフォルニア州のハリウッド・ボウルで行われたライヴをいくつか選び、あれこれ語ってみます。
COLDPLAY / Every Teardrop Is A Waterfall (2012)
私、21世紀に入ってからのイギリスのロック・バンドについてはよく知りません。 とは言え、コールドプレイぐらいは知っています。ポップでメロディアスな音楽なので、抵抗なくすっと入ってきましたからね。 はじめは U2 の影響が大きいなと思いましたが、よく聴いてみると、主として80年代ロックの様々な要素が混じりあっていて、そのあたりがすんなり聴けた要因なのかも。 夜の野外ステージが似合う曲もあります。
映像の冒頭はハリウッド・ボウルの会場の様子を捉えています。
丘陵地の斜面を利用して建設された野外音楽堂です。 収容人員は約1万7千人とのこと。1922年に開場。 当初はクラシック音楽が中心でしたが、ジャズのコンサートも開催されていたようです。
それが、1964年のビートルズのコンサートの開催を機に、ロック・バンドのライヴも行われるようになったというわけです。65年にはボブ・ディランも行っています。 現在までにジャンルを問わず様々なコンサート、イベントが開催されてきたハリウッド・ボウル。 ポール・マッカートニーはソロとなってからもここでのライヴをやっているし、1999年にはジョージ・マーティン指揮による 「ビートルズ・ナイト」 というコンサートも開催されています。
DOORS / Hello I Love You (1968)
ドアーズは、68年にライヴを行っています。 これは現在CDにもDVDにもなっています。 ドアーズはLAのバンドなので、地元開催ってことになるのか。 それでも、ドアーズの音楽とハリウッド・ボウルって、どうもピンと来ないのですが。 ドアーズの音楽って密室的なところもあるし。 「さぁ、みんなでばっちりキメて、夜空に向かってトリップしようぜ!」 なんて、ジム・モリスン MCで言わないだろうし(いや、言いそうか)。
ここでのドアーズのライヴ演奏の評価は高くはないようですが、7月5日にライヴは行われ、8月に入るとビルボードで 「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」 は1位を獲得。 アルバムも大ヒットを記録し、バンドは絶頂期を迎えています。 客席にはミック・ジャガーもいたとのこと。
そのドアーズが、同時代のロックでもっとも影響を受けたのが、ヴァン・モリスン擁するゼムです (と、レイ・マンザレクは言っている)。 ジム・モリスンはヴァン・モリスンと同じステージで 「グローリア」 を当時一緒に歌った事もあるそうです。
いやぁ~ うまく、ヴァン・モリスンにつなげました ホッ (^o^;)
VAN MORRISON / Gloria (2008)
ところでハリウッド・ボウルでのコンサートは、カリフォルニアの日射しを避けるために夕刻開演がほとんどなのだそうです。 そんなわけで今回の記事タイトルを 「星空の音楽会」 とつけたわけですが、実はこれ、日本でも60年代にテレビ放映されたアメリカのアニメ 「トムとジェリー」 のタイトルのひとつなのです。
1950年に、邦題として 「星空の音楽会」 とついた作品があり、そしてその原題はナント! 「Tom and Jerry in the Hollywood Bowl」 となっています。そのコンサートでの指揮者がトムで、ジェリーが乱入するというドタバタの設定。 あのアニメ、幼少時によく見ていましたが、これはちょっと興味あります (^-^)/
以前にも本ブログで触れた、ビートルズの全米ツアーに同行取材したラリー・ケインという記者の著書にある言葉をそのまま載せます。
「星空の野外ステージで演奏するビートルズ。それは贅沢な眺めであった」
「ハリウッド・ボウルは雰囲気という点でも、サウンドの素晴らしさという点でも、ベスト・コンサートであった」
星空の音楽会 のトリは 「ドリーム・オン」 で!

STEVEN TYLER & JOE PERRY / Dream On (2013)
プライベート映像にしてはなかなかの出来。2013年6月のオープニング・ナイトでのライヴです。