クラブ 27、または27クラブ、フォーエバー 27クラブ。 27歳で亡くなったロック・ミュージシャンたちを、いつしかそんな風に呼ぶようになりました。 調べていけば、26歳や28歳でなくなったミュージシャンだってそれなりの数がいると思うんだけど、時代を代表する、あるいは象徴するミュージシャンの死がその年齢に集中している、ということで単なる偶然で片づけてしまっていいのだろうかと。 それでたびたび話題になったりするわけです。
最初は、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリスン の4人、60年代末から70年代初頭にかけて、時代の要請で燃え尽きるようにしてロックし、逝った5人を指していたと思います。 そこに90年代以降カート・コバーンとエイミー・ワインハウスが加わり、そこでまた27という数字が話題にのぼったりしたわけですね。
僕が高校の頃 最初に聞いたのは BRIAN JONES、JIMI HENDRIX、JANIS JOPLIN、JIM MORRISON を指しての、Jの伝説とかJの呪いといった言葉で、クラブ27というのは、もっと後に聞いた言葉です。 4人に共通しているのは、その死にドラッグが絡んでいるということでしょうか。
それから27ということでは、悲劇のバンド、バッドフィンガーのリーダーで、75年に自殺によって亡くなったピート・ハムも享年27歳であったということを、ここに付け加えておきたいと思います。
Janis Lyn Joplin (Jan. 19 1943 - Oct. 4 1970)
このひとの歌には、今でも激しく揺さぶられることがあります。 おまえは自分に与えられた生を全うしているのか! ってね。
ロックの歴史をふり返ってみれば、10年おきぐらいに、革命的なムーヴメントというのが起こっています。50年代のエルヴィス・プレスリー登場、60年代のビートルズ現象、70年代のパンク・ロック。 そして90年代にブームとなったグランジ。
1991年、ニルヴァーナのアルバム 『ネヴァーマインド』 の大ヒットが、その頃アメリカのチャートを席巻していた、聞き易くコマーシャルなアメリカン・ハード・ロック勢から、ロックの主流を奪うきっかけとなった、というのは明らかな事実です。
グランジ。 カート・コバーンはセックス・ピストルズに憧れを持ってはいたようですが、パンクやハード・ロックのような外に発散するエネルギーとは違う、もっと退廃的で内側に向かう攻撃性を感じさせる音楽です。 絶望という言葉を感じさせたりもします。
このバンド及びグランジが持っていた精神性って、それ以降に誕生した世界中のロック・バンドの思想面に、大きな変化をもたらしたと思いますよ。 日本の女の子バンド(チャットモンチー) の歌詞に 「希望の光なんてなくたっていいじゃないか」 というのがあったけれど、僕らの世代だと 「希望を持とうよ、夢を持とうよ」 ってなってしまうんですね。
1994年 うつ病に苦しんでいたと言われるカート・コバーンは、ショットガンで頭部を打ち抜き自殺しています。 自ら望んでクラブ27入りしたのでは? なんて言う人もいますが、妻であるコートニー・ラヴによって殺されたのでは? という他殺説も多くささやかれています。
Kurt Donald Cobain (Feb. 20 1967 - Apr. 5 1994)
「僕は新しい友達を見つけて幸せだ。 そいつは頭の中にいるんだ」 と歌った曲。 "リチウム (Lithium) " は躁うつ病の治療薬として知られています。
エイミー・ワインハウス。 クラブ27のメンバーとしては新参者です。 実は今回こんな記事を思いついたのは、今月23日がエイミー・ワインハウス 5回目の命日にあたり、それに合わせるようにして 映画 『AMY エイミー』 が日本で公開されるからです。 このひとの歌は好きですねぇ。 よく聴きます。
亡くなったときには 「やはり」 といったものはありました。 破滅的な生き方をする人でしたからね。 彼女の歌の中には、ビリー・ホリデイ、グラディス・ナイト、ティナ・ターナー といった先人たちの影響が見えますが、生き方においては、やはり破滅的な生き方をして亡くなったジャニス・ジョプリンを思わせるものがあります。
過剰摂取が伝えられたドラッグは、男に教えられたものだそうです。 アルコール依存症でもあったそうです。 10代の頃から酒と男に溺れていたという彼女は、「ハッピーになりすぎて歌を書けなくなったらどうしよう」 などと言うひとなので、男運のなさは自ら呼び込んだものだと言えなくもないですね。
60年代のソウル・ミュージックから大きな影響を受けた音楽スタイルを、わかりやすく現代に伝えた彼女の貢献は大きなものです。アデルの成功だって、この人が作った下地があったればこそだと思いますよ。
早すぎる死でした。 もっと彼女の歌を聴きたかった・・
Amy Jade Winehouse (Sep. 14 1983 - July 23 2011)
リハブ (Rehab) は、「更生施設には入りたくない」 と歌った曲です。
ロック・ミュージシャンではありませんが、ひとり忘れてはならない人がいます。 1938年に、やはり27歳で亡くなったブルースマン、ロバート・ジョンソンです。 ロックの原形たるブルースの、その世界での伝説的な人物です。
このひとにまつわる伝説や謎は多いのですが、その中のひとつが有名な "クロスロード伝説" です。 深夜12時に十字路に立ち、悪魔と取引きすることによって願い事をかなえるという、南部黒人社会の伝説です。
ギターの腕前が未熟であったロバート・ジョンソンは、人前で演奏するたび客たちは怒りだし 「やめろ!」 となじられたそうです。 しばらく姿を消した彼が、次に人前に現れたときには、飛躍的にギターの技術が向上していた。 それがあまりに短期間での上達であったため、「悪魔に魂を売ってギターの技術を手に入れたに違いない」 という伝説となったということです。
命を削っての悪魔との取引き。 いささかオカルト的ではありますが、クラブ 27のミステリーって、この伝説に鍵があるのではないかと・・・。 これ以上は想像におまかせします。
Robert Leroy Johnson (May 8 1911 - Aug. 16 1938)
「クロスロード」。 エリック・クラプトンがクリーム在籍時、ロック化してカバーしたことで知られる曲。 この映像には、女好きであったがゆえに毒殺されてしまったロバートの物語が描かれています。 因みに、同じく女好きであったクラプトンは今も健在です。

