トライ・サム・バイ・サム | Get Up And Go !

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ジョージ・ハリスン
GEORGE HARRISON
『トライ・サム・バイ・サム / Try Some Buy Some』


音譜
昔のこと、
誰かに少しためしてみたらと言われ
僕は少しためしてみた
次に買ってみたらと言われ、今度は少し買ってみた
しばらく経ってためし終え、それらを拒んだ僕は
目を開いて君を見たんだ

僕は何ひとつ持っていなかった
僕は何ひとつ見えていなかった
君への愛を求め
君の愛が僕を訪れてくれるまでは

Way back in time, someone said try some
I tried some, now buy some, I bought some,
After a while when I had tried them, denied them
I opened my eyes and I saw you

Not a thing did I have
Not a thing did I see
Till I called on your love
And your love came to me
ラブラブ


1973年発表、アルバム 『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』 に収録。 もとは、1971年に元ロネッツのロニー・スペクターのために書かれた曲。 そして同年、彼女のソロ・シングルとして、アップルよりリリースされています。 ジョージ・ハリスンは、同じバック・トラックを使用して歌を差し替えて録音。 アルバムに収録しています。






僕は何ひとつ持っていなかった
この曲が世間的な尺度で名曲と言われているかどうかは別として、個人的には歌詞、メロディ、コード展開 にジョージ・ハリスンらしさが出ていて好きな曲です。 コンポーザーとして、ジョン・レノン、ポール・マッカートニーには作ることの出来ない曲でしょ。 この曲が書かれた1970年頃には、ジョージはアーチストとしてジョン、ポールとは違う自分の世界を築き上げていたことがわかります。

この曲の収録されたアルバム 『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』 自体が、富や欲望に執着して精神性を失った西洋社会への警鐘なわけですが、アルバム発表より数年前に作られた曲ながら、アルバムのコンセプトから外れたものではなかったこともあり、自身のヴァージョンで収録ということになったのでしょう。 ただアルバム中、この曲のみフィル・スペクターとジョージの共同プロデュースとなっているため、音像の違いは感じます。

2番の歌詞には 「人生の中で、大物たち (Big fly) と出会い、ハイになるため死んでいく人たちを見てきた」 なんていう件もあります。 60年代にスーパー・スターとなったロック・アーチストはビートルズだけではありませんが、音楽という枠を越えて世界のトップに登り詰めたのはビートルズだけではないかと思います。

若くして成功を掴んでしまった彼等には、その若い感性ゆえに、他の誰にも見えないものが見えてしまったというのは当然あったと思います。それを作品として形に留めたという所に、アーチスト・ジョージ・ハリスンの素晴らしさがあるのではないかと思うのですが。

ビートルズとして成功を掴む以前から、ジョンとシンシアの後ろにいつもくっついて歩いていたというジョージですが、精神世界の探求の深さという意味においては、この時点でジョージはジョンと肩を並べたのではないかと思っています。






ポップ・アイコン、ロニー・スペクター
元ロネッツのリード・ヴァーカルで、プロデューサー・フィル・スペクターの夫人でもあったロニー・スペクターは、1970年当時、嫉妬深い夫を嫌悪し離婚を訴えていたそうです。フィルはロニーの機嫌を取るためにロニーをロンドンに連れていき、ジョージがロニーのために書いた曲、「トライ・サム・バイ・サム」 をアビー・ロード・スタジオにて録音したとのこと。

残念ながら、ロニー・スペクターは曲の持つ精神性が肌に合わず、曲としてはあまり好きにはなれなかったようですが。 もう一曲、ジョージがロニーのために書いた 「You」 のほうが、ロニーには相応しいようにも思います。 ただ、あのロニーお得意の 「Woh ho ho ho」 が聴けるだけでも、ロニー・スペクターのファンとしては買いなんですけどね。






「買い」 と言えば、ロニーのヴァージョンは長くCD化されずに、高価なアナログ・シングルを購入して聴いていたのを思い出します(80年代末頃、5000円ぐらいだったかな)。 2010年に 『THE BEST OF APPLE RECORDS』 でCD化され聴けたときは感動しました(それ以前はなかったはずですが)。

ジョージは憧れのロニーのために曲を書いたわけですが、ビートルズのメンバーだけでなく、ストーンズのメンバーのほとんどがロニーのファンであったそうです。 これはよく知られていますが、言い寄る男たちの中で、ロニーが恋に落ちたのはキース・リチャーズであったとのこと。









これは付録  (・ω・)/
ふたつのヴァージョンのバック・トラックが同じであるため、ふたりのヴォーカルを交互にして勝手にミックスしたものがいくつかアップされていました。 まぁこれはあくまでも洒落ということで、それぞれのファンには受け取ってほしいかな、と。







LOVE & PEACE ヒマワリ
ゆっくり休んでまたね ☆
From Y to N







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