ピアノ・マン | Get Up And Go !

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年末でもあるし、少しでも楽しい気分で過ごせたら。 ということで、今回はベタな選曲でピアノ系シンガー・ソングラーターの曲をいくつか集めてみました。

エルトン・ジョン、ビリー・ジョエル、ギルバート・オサリヴァン、キャロル・キング あたりはすぐに名前が出てきます。 今回は "ピアノ・マン" と題してしまったので、キャロル・キングは選外ということで。 ポール・マッカートニーはピアノというイメージもあるけれど、基本はベーシスト。 トム・ウェイツは、"ピアノ・マン" というより "酔いどれ詩人"。 あれこれ考えていていると進まなくなってしまうので有名どころでとにかく行きます!



エルトン・ジョン ユニオンジャック
エルトン・ジョンは、70年代を代表するロック・アーチストのひとりだとは思います。 でも70年代半ば頃、初めてエルトンの曲を聴き音楽雑誌で写真を見たときは、アーチストというよりは "ロック・スター" というイメージでした。

派手な衣装とハイヒール・ブーツ。 そして奇抜なサングラス。 どこかのスタジアムで、ピアノを弾きながら大観衆を相手に演奏している写真でした。スーパー・スターですよね。 キャラクター的に何となく親しみを持てるところもあって、そのへんはビリー・ジョエルとも共通するのですが。

ただ曲を追っていくと、イメージとは少し違う綺麗なメロディのピアノ・バラードとか多いわけです。 そうピアノなのです。僕はその頃もうギターを弾いていたので、「あっこれはピアノで作った曲なんだな」 と何となくわかるんですね。 ちょっとアカデミックとでも言えばいいのか。 そのあたりが、ギンギンのギターと汗を感じるヴォーカルのロック・ミュージシャンとの違いでしょうか。 「Your Song」 「Candle In The Wind」 「Goodbye Yellow Brick Road」 ・・・。 作詞を担当したバニー・トーピンとのコンビで、70年代は多くの名曲を生み出しています。

はじめてライヴを観たときは驚きました。ピアノを打楽器のようにしてまさに叩くようにして弾いていて、まるでおもちゃのように鍵盤を扱っていました。 ジェリー・リー・ルイスのようなロックン・ロール・ピアノも原点のひとつとして持つ人なんですね。




ELTON JOHN / Your Song



ギルバート・オサリヴァン ユニオンジャック
ギルバート・オサリヴァンは、70年代に多くのヒット曲を持つすぐれたソングライターです。 繊細で甘酸っぱく、どこかに愁いを感じさせる孤独感を漂わせたメロディ・ライン。 イギリスの田園風景を思わせるのどかさも感じます。

ポール・マッカートニーからの影響を感じさせますが、ポールの持つロックン・ロールの資質はなくて、ポールのソフトな部分を純粋培養させた感じ、とでも言えばいいのか。

80年代は、マネージメントと印税の分配をめぐってのトラブルがあり、活動の停滞を余儀なくされ、日本でもほとんど忘れられていました。でもファンは忘れていなかったんですね。 92年の初来日公演には2回行きましたが、「ずっと待っていましたよ」 とばかりに、とても温かい雰囲気にあふれたライヴであったことを思い出します。会場には長年のオサリヴァンのファンであるという来生たかお氏もいました。

「アローン・アゲイン」 は、オサリヴァンの最も有名な曲であり、70年代を代表するといってもいい屈指の名曲です。 オサリヴァンの弾くピアノと、静かに響くアコースティック・ギターが曲を織りなしている繊細で美しい曲です。




GILBERT O'SULLIVAN / Alone Again (Naturally)



ベン・フォールズ・ファイヴ アメリカ
ず~っと時代は飛んで90年代。 80年代にもピアノ系のシンガー・ソングラーターはもちろんいますが(例えば ブルース・ホーンズビー とか)、どうもエルトン、ビリー、オサリヴァン のような強い印象の人となると・・・。

ベン・フォールズ・ファイヴはアメリカ、ノース・カロライナ出身のギターレス・トリオ。 ピアノのベン・フォールズが、鍵盤を叩くようにして弾くライヴ映像を初めて観たときは、エルトン・ジョンがすぐに頭に浮かびました。 メロディ・メーカーとしてもすぐれたものを持ったひとだと思います。 ただやっぱり90年代のひとなんですね。そこにパンキッシュなサウンドが加わって、より高揚感を持った演奏になっています。90年代になると、ニルヴァーナをはじめとしたグランジといわれる絶望感を伴った音楽が台頭してきたこともあり、ベン・フォールズ・ファイヴの音楽はとても新鮮に響きました。

脚本家の北川悦吏子さんがこのグループの音楽を気に入り、当時(1996年)大ヒットしたテレビ・ドラマ 『ロング・ヴァケーション』 の劇中で 「Philosophy」 を使用。 この事もこのグループがブレークした要因ではありますが、実はそれより以前に都内の輸入盤店ではかなり売れていたひとです。日本盤発売より前に輸入盤から火が点き、本国アメリカよりも先に日本で売れたひとです。

僕はその頃、都内の某輸入盤店で働いていたため、CDが売れていくのを目の当たりにしました。こういったインパクトの強い音楽は、店内のDJブースに持ち込んでプレイすると、すぐさま客からの反応がかえってくるのです。 あの時代はそんなことがままあったんですね。




BEN FOLDS FIVE / Philsophy



ビリー・ジョエル アメリカ
トリは "ピアノ・マン" ビリーで。 「ピアノ・マン」 は、今でこそビリー・ジョエルを代表する曲のひとつです。 ビリー・ジョエルがアルバム 『ストレンジャーk』 で、ポピュラー音楽の世界でスターと言う地位に到達したのは1977年のこと。73年の発表当時は、全米24位のスマッシュ・ヒットにとどまっています。

71年のソロ・デビュー作 『コールド・スプリング・ハーバー』 が売れず、その後ニューヨークからロスに飛んで酒場のピアニスト・シンガーとなった、その頃の経験がもとになっての曲です。

ガソリン・スタンド、工場、コック、ペンキ塗り、測量・・・。 下積みと言われる時代には様々な職を経験したといいます。 鬱に苦しみ、自殺を考えるところまで追い詰められた時代もあったそうです。でもその時代での人間観察が、ビリーの創作に深みを与えていると言うのはあると思います。

ニューヨークのライヴで、この曲を大観衆が一緒になって歌う映像を見ると、いかに大衆に愛されている曲であるかがわかります。




BILLY JOEL / Piano Man