恋はあせらず | Get Up And Go !

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音楽を中心に、映画、文芸、スポーツ など・・・。

より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ






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シュープリームス
THE SUPREMES
『恋はあせらず / You Can't Hurry Love』



私には恋 恋が必要なの
私の心を落ち着かせてくれるために
私を自分のものだと言ってくれる誰かを探さなければ
でも ママが言うには

恋はあせってはダメ
待たなければいけない
恋は簡単にはいかないもの
ギヴ・アンド・テイクなもの

恋はあせってはダメ
待たなければいけない
信頼が得られるまでに 時間をかけて
それがどんなに かかっても

I need love, love
To ease my mind
I need to find, find someone to call mine
But mama said

You can't hurry love
No, you just have to wait
She said love don't come easy
It's a game of give and take

You can't hurry love
No, you just have to wait
You got to trust, give it time
No matter how long it takes




1966年、シュープリームス通算7枚目の全米No. 1ヒットです。アルバム 『The Supremes A'GO-GO』 に収録されています。尚、現在はより英語での発音に近い ”スプリームス”と表記される場合が多いようですが、今回は意固地にシュープリームスにこだわって表記させていただきます。これを "逆バラカン" と言います。初っ端からつまらないジョークでスタートです。


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今回はモータウンと言えばこの曲をあげるひとの多い、あまりにベタな選曲で。

1964年という年は、ポピュラー音楽史の中ではビートルズがアメリカを席巻した年として特記されています。ビートルズ旋風が吹き荒れるその中で、実はアメリカの黒人音楽専門レーベル 「モータウン」 が大躍進を遂げた年でもあります。64年5月にメアリー・ウェルズの 「マイ・ガイ」 がモータウン初の全米1位を記録すると、続いてシュープリームスは3曲続けてのNo.1を記録。アメリカ勢としてビートルズに対抗した唯一の勢力といえるでしょう。

シュープリームスは。続く65年も3曲がチャート1位を記録。No.1ヒットが2曲途切れ、人気にやや陰りが見えたかに思えた66年のNo.1ヒットがこの 「恋はあせらず」 です。この場合のジョークは 「ヒットはあせらず」 となります。


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ダイアナ・ロスが一番人気!



モータウン・レーベルを象徴するようなポップで楽しさに溢れたこの曲は、ホランド-ドジャー-ホランド(HOLAND - DOZIER - HOLAND) というモータウン専属のソングライター・チームによって作られた曲です。このチームの楽曲は単純明快です。軽快なリズムに弾けるメロディー、そしてわかりやすい歌詞。これこそがモータウン・レーベルのコンセプトでもあるわけで。

ただ、「恋はあせらず」 に関しては作曲チームのひとりラモン・ドジャーは 「気がついたら基本的にゴスペル・ソングになっていた」 と言っているので、ブラック・ミュージックの技法がベースにあるのも確かなのでしょう。60年代全体のポピュラー・ミュージックを見渡した場合、この3人によるソングライター・チームは、レノンーマッカートニーの次にくるチームなのではないかと、個人的には思っています。


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HOLAND - DOZIER - HOLAND



1959年、デトロイトでジャズを売る小さなレコード店を営んでいたベリー・ゴーディー・ジュニアは、モータウン・レコードを設立します。経営方針としては、購買ターゲットを黒人層だけでなく白人層にも といった考えがあったようです。ただ、感じるのはそういった商売の臭いよりも、「黒人もこれからはお洒落して楽しもうよ」 とぃった前向きなエネルギーです。ビートルズやストーンズも影響を受けたモータウン。長くなるので、モタウン・サウンドについてはまた あらためて・・・。

因みにモタウンという名前は、デトロイトが自動車産業の街であったことに由来しています(MOTOWN = MOTOR TOWN)。そしてタムラ・モータウンという場合のタムラ(TAMLA)は、学生時代に学年でひとりはいた日本人姓 「よーっ!田村じゃねーか」 の田村とはまったく関係ありません。蛇足ながら・・・






そしてカヴァー曲としては、ハゲ・コリン・・もといフィル・コリンズのヴァージョンをあげたいと思います。82年にリリースされたこの曲は全英で1位を記録。日本でも当時、MTVで頻繁にオン・エアーされていました。1951年、ロンドン出身のフィル・コリンズは、年代的に60年代後半のロンドンを染めたおしゃれでグルーヴィなムーヴメント、「スウィンギン・ロンドン」の洗礼をギリギリで受けた世代に思えます。映像からもモータウンへの憧れが伝わってきます。

それにしても、この 「ひとりシュープリームス」。今見ても妙にハマるのです。非常にユーモラスで茶目っ気たっぷり。でも それだけじゃなくて・・・
んー キモカワ・・・(一歩手前) ひとこと余計でした (^_^)v















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