マネー・フォー・ナッシング | Get Up And Go !

Get Up And Go !

音楽を中心に、映画、文芸、スポーツ など・・・。

より高く! より深く! けれど優雅に・・・ 冗談も好きなんですけどね (*゚.゚)ゞ





$Get Up And Go !


ダイアー・ストレイツ
DIRE STRAITS
『 マネー・フォー・ナッシング / Money For Nothing 』




さぁ 見てみな あのまぬけな奴らがやってることを
MTVでギターなんか弾いてら
あんなの仕事じゃないね
だけど ああすりゃ何もせずに金が手に入るってわけさ
若い女も寄ってくるってわけさ
あんなの仕事じゃないね
だが ああやれば儲かるってわけだ
あいつらは金の儲け方をよくわかっている
たぶん 小指に水ぶくれができる程度の仕事さ
せいぜい 親指にまめができるぐらいのことだろ

俺らは電子レンジを取りつけ
カスタム・キッチンを運ばなければならないのにな
冷蔵庫やカラー・テレビだって運ばなければならないってのによ

見てみろよ あのオカマを イヤリングに化粧だぞ
あの派手な髪だって地毛だぞ
あのオカマ 自家用飛行機も持っているんだと
億万長者なんだろ


Now look at them yo-yo's that's the way you do it
You play the guitar on the MTV
That ain't workin' that's the way you do it
Money for nothin' and your chicks for free
Now that ain't workin' that's the way you do it
Lemme tell ya them guys ain't dumb
Maybe get a blister on your little finger
Maybe get a blister on your thumb

We gotta install microwave ovens
Custom kitchen deliveries
We gotta move these refrigerators
We gotta move these colour TV's

See the little faggot with the earring and the makeup
Yeah buddy that’s his own hair
That little faggot got his own jet airplane
That little faggot he’s a millionaire



$Get Up And Go !-41FRDVE5HHL.jpg



1985年リリース、ダイアー・ストレイツ通算6枚目のアルバム 『ブラザー・イン・アームス / BROTHER IN ARMS』 に収録。シングルとして全米最高位1位を記録しています。ポリスのスティングが曲作りとバック・コーラスで参加しています。

1977年、ロンドンでマーク・ノップラー(Vo.G) を中心に結成されたダイアー・ストレイツは、78年にデビュー。 ルーツ・ミュージックをあらたに解釈し構築した音と、ボブ・ディランを思わせるマーク・ノップラーのヴォーカル・スタイル。 またライヴでもその魅力は発揮され、デビュー後まもなく 「悲しきサルタン」 などのヒットを飛ばして、一躍人気バンドとなりました。

ライヴと音楽性の高さでその地位を築きあげた彼らは、80年代に入りMTV全盛を迎えても、ビデオ制作には消極的であったそうです。そしてレコード会社の説得もあってようやく本格的に取り組んだのが、この 「マネー・フォー・ナッシング」 です。


$Get Up And Go !



出来上がったビデオ・クリップは、MTV批判ともとれる面白い内容のものとなりました。CGアニメによって作られた職人風ふたりのキャラクターが、テレビに映るロック・スターを見ながら、「見てみろ。あんなの仕事じゃねぇよ」 と愚痴るユーモラスな内容です。タイトルの 「マネー・フォー・ナッシング」 は、何もせずに儲けた金。つまり日本語で言う 「あぶく銭」 を意味する言葉のようです。


この曲は大ヒットを記録し、MTV批判でありながらもMTVで賞を取り、グラミー賞も受賞。同曲収録のアルバムもメガ・ヒットを記録しています。

ところで歌詞の中に "faggot" という単語があるのですが、これが近年カナダで問題になったのだそうです。意味としては "オカマ" といったものですが、この曲では派手な格好をした長髪の男を 「このオカマ野郎!」 と言って罵るように使われていると思うのですがのですが・・・。この曲が同性愛者を侮辱する言葉だと、ラジオを聴いていたリスナーがクレームをつけたのだそうです。 「はぁ 何を今さら」 といった感じなんですけどね・・・







僕はダイアー・ストレイツのライブには行ったことはありませんが、この曲だけはライブで聴いたことがあります。

80年代末頃ごろだったのですが、エリック・クラプトンがデビュー何十周年だったかを記念した、マーク・ノップラーとエルトン・ジョンがツアーに参加してのコンサートがあったのです。場所は武道館でした。

ノップラーとクラプトンのギターが絡み、エルトンのコーナーもありの盛りだくさんな内容のライヴでした。その夜はスティングが突然ステージに姿を現し、「マネー・フォー・ナッシング」 を一緒に歌ったのです。どうやら来日がたまたま重なってのことだったようで、またその日スティングがオフだったようです。

このサプライズはその夜一番の歓声で迎えられました。そりゃ そうですよね。予期せず登場したそのひとが、あのスティングなのですから。 スティングには独特のオーラを感じたし、カリスマ性もありました。その曲だけ歌い終えると帰っていきました。カッコいい ~ !って感じでした。

「今日は特した気分だね」 なんて一緒に行った友達と話しながら帰ったのですが、今思い起こすと、あの一曲の印象があまりに強いため、超豪華なはずのあの夜のライヴも時が経つほどに他の演奏がくすんだ色になっていく印象があるのです。まぁ あの一曲だけでも十分に価値のあるライヴだったのですが。










$Get Up And Go !