「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」(2007年7月15日;通巻第1865号)より。
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それは中国の売春婦の文化破壊的行為から始まった
パキスタン「赤いモスク」武力鎮圧を賞賛した北京の影、ムシャラフ政権の危機
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ペシャワールはアフガニスタンとの国境の町、麻薬と密造武器と難民の町である。タリバン征討作戦以来、西側からの物資が入りこんで、なぜか活気がある。国際都市でもある。米国はパキスタンに過去六年だけでも百億ドルを注ぎ込んできた。
このペシャワールの町に「セックス・パーラー」を堂々と開設し、ポルノビデオを売り、こうした中国人の無遠慮で価値紊乱的な売春宿が公序良俗を乱した。敬虔なイスラム教徒が非難を繰り返してきた。ポルノビデオ屋を襲った神学生グループもでた。
中国人の売春宿経営者も売春婦もそんなことにお構いなく「営業」を続けた。発端は中国である。
六月、神学生らが立ち上がり、中国人売春婦六名と男の中国人(ポン引き?)、合計7名を拉致した。イスラム過激派の指導者ガジ師は、この行為を賞賛し、無神論の中国を非難した。
(中略)
▼ムシャラフは「紅色清真寺」を軍事鎮圧する以外、選択はなかった
さてイスラマバードのモスク(イスラム教寺院)のなかで「赤いモスク」(紅色清真寺)を呼ばれるのが「ラール・マスジド」だ。ここに多数の神学生らが立てこもった。拉致した中国人は解放したが、純粋なイスラム教を汚したとし、それを軽微な扱いで釈放するよう圧力をかけたムシャラフ政権の腰砕け、その背後にいる中国に抗議した。「モスク内の子供や女性が“人間の盾”にされている」と軍が突入を躊躇ったが、ガジ師は「我々の殉教によって、パキスタン全土にイスラム革命が起きる」と気勢を上げた。このときから国際的な関心が集まったが、一部メディア以外、中国要因を報道しなかった。
(中略)
ムシャラフ大統領は7月12日夜のテレビ演説で、「神学生らが中国人7人を拉致した事件を厳しく非難する一方で、中国を「最大の友人」と呼び、モスク突入決断は中国からの外交的軍事的圧力があったことを示唆した。ムシャラフ大統領は演説で「中国はわれわれが困難に直面しているときでも、協力を惜しまなかった」とも発言した。
ブッシュ政権も「ムシャラフの決断」を肯定した。いまや「タリバニスタン」となりつつあるアフガニスタン情勢を睨みながら、米国はパキスタンの不安定かを恐れているからである。海外に亡命中のブット元首相でさえ、英紙とのインタビューで「こんかいのムシャラフの決断を指示する」とエールをおくった。
パキスタン全土では夥しい抗議集会が開催され、野党、統一行動評議会(MMA)の呼びかけで、数百人が「ムシャラフは殺人者だ」と叫んだという。北西部ペシャワルでは、赤いモスクの指導者アブドル・ラシド・ガジ師の教えに従うことを誓い、「ムシャラフをつぶせ」と繰り返した。北西部では軍の隊列に自爆テロが決行され、パキスタン軍兵士二十数名が死んだ。
しかしながら、パキスタン全土に拡がっているのはムシャラフ非難ばかりではなく、反中国感情である。「ことの起こりは中国人売春宿からである。だが、こうした売春コネクションを報道する中国のメディアはない」と上海からNYタイムズのハワードフレンチが報道している(13日付け、ヘラルドトリビューン、二面)
パキスタンはインドとのカシミール紛争を抱えているので、軍事同盟の相手として中共との特殊な関係はしょうーがないのでしょう。。。
しかし、諸悪の根源ですな。┐('~`;)┌
ふんそうが おこったここも しなのかげ ( ̄□ ̄!!!)