疲れを残さない眠りを
睡眠時間には個人差がありますが、
平均八時間として人生の約三分の一は
眠っている勘定になります。
人生八十年とすると、実に二十六年は
床の中にいるわけです。
睡眠があるからこそ仕事も遊びもできるのです。
一見、何と無駄な時間をと思いがちですが、
睡眠はとても重要な働きをしています。
睡眠があるからこそ、仕事も遊びもできる
わけで、人間が一年間フルに活動していくためには、
少なくとも三か月の休養（睡眠）は
必要なのです。
仕事の残業や受験勉強で睡眠不足が
続いたときなど、あの布団の中へ入るときの
安堵感は何ともいえません。
心安らかな眠りに入るときの安心感は格別です。
逆に眠れない日々が続くと、イライラし、
やたら感情的な行動を取りがちです。
睡眠不足は健康を害する第一の要件でもあります。
カイロプラクティックの立場からみますと、
睡眠不足の人は触診ですぐにわかります。
背骨とその両側が固くなっているからです。
こういう人は、横になったり
いわゆるリラックスした状態でも
筋肉や内臓の緊張がとれません。
立って動いているときと同じように
常にエネルギーを浪費していますから、
落ち着きがなく、疲れやすく、痛みに敏感です。
〇 熟睡するために
睡眠はいわば貯蓄と同じです。
その貯金を昼間使っているようなものです。
昼間の支出が貯金を上回っていれば赤字。
体は病的な状態といえます。
これが睡眠不足です。
もっとひどくなれば、借金の利子も加わって破産。
体はダウンしてしまいます。
疲労は、筋肉と神経に一番早く現れます。
寝不足だと思考力が鈍り、体に力が
入らなくなるのはそのためです。
また、睡眠は一日中働き続けた筋肉や内臓、
脳細胞がゆっくり休養する時間ですから、
体の動きは低下し、筋肉の緊張はゼロの状態に
近づきます。
いわば無防備の状態になるわけです。
このとき刺激を受けると、昼間の何倍もの
ダメージとなり、とりわけ悪い刺激は
体の疲労や痛みとなって翌日に現れます。
寝具が合わなくて、朝になって腰が
伸びないとか、寝違いをして起きてしまうのは
こうした理由からなのです。
ですから、寝具の良し悪しは睡眠の質にも
影響します。翌日の活力を得るためにも、
また疲労を回復させるためにも、体に合った
寝具を選ぶ必要があります。
布団でもベッドでもお尻が沈んでしまうような
ものはまず失格です。
クッションが柔らか過ぎると曲がりが大きく
なりますし、硬すぎると小さくなります。
お尻の固定した線から測って脊柱が最大
どのくらい弯曲しているか、その間の空間は
二センチ～三センチの幅が理想といわれています。
布団でもベッドでもフワッとする感じのものは
使わないこと。
ベッドであればクッション全体に
張りがあって表面が太鼓の皮のように
ピンとしているものを使用。
布団であれば下にひくマットレスは
やめるべきです。
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