背骨コンディショニング スペシャリスト/作業療法士の鈴木諒です。
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今回は、日本人の不調でも特に女性に最も多いと言われる「肩こり」についてお伝えしていきます。
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皆さんは肩こりを感じていますか?
私も昔、高校生の時とかはよく肩がこって自分でもんだり、親にもんでもらっていたという経験もありますけれども、肩こりについてやっぱり筋肉が凝ってるから揉むというようなイメージをされてる方もいらっしゃるかもしれません。
まず最初にお伝えしたいのは、肩こりを感じている時に筋肉をもんでしまうと
余計にどんどん硬くなってしまう
ということです。
確かに一時的にラクになったり気持ちよく感じたりすると思うんですけれども、あくまでそれは一時的な効果ですね。
それをどんどん続けてしまうと、筋肉の奥の方にある神経までもみ潰されてしまいます。
グリグリもむと神経までもみ潰されて縮こまってしまって、そのせいで感覚が鈍麻して逆に何も感じなくなってしまいます。
そうなると、すごく肩が丸まっていたりとか明らかに筋肉がパンパンに張ったりしていても、「自分は肩こり全然ないです」っていうように
肩がこってる感覚が麻痺してしまう
ケースもあります。
実際に背骨コンディショニングで肩こりはどう捉えているかというと、肩こりの筋肉といわれる「僧帽筋」という筋肉があるんですけれども、その奥を首の7番目(頚椎の7番)から出る尺骨神経という神経が通っています。
↑黄色の線が尺骨神経
(※私がフリーハンドで線を引いてズレはあると思うので、あくまで参考程度にお願いします)
よく肘をどこかにぶつけてビリビリと腕がしびれた経験がある方も多いと思いますが、それが尺骨神経です。
その首の7番から出てくる尺骨神経が、僧帽筋の奥を通ってて肩から腕から指先(小指側)まで伸びています。
首の7番の歪みによって、あとは肩の巻き込みがあって尺骨神経の流れが異常を起こすことで、それを肩こりと感じている。
肩こりというのは筋肉のコリではなくて神経の異常、つまり
「神経痛」を表面の筋肉がコリとして感知している
と考えています。
「猫背・巻き肩」という姿勢をとっている人を見たことがあると思いますが、それは背中の丸みと一緒にこの首の7番が後ろや左右にずれてしまって、尺骨神経の異常が起きているというように考えていただければと思います。
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ではどうやって解消したらいいのかというと、先ほどお伝えしたように首の7番がずれてしまった人はほとんどの場合、背中が丸まっています。
特に肩甲骨の間の
菱形筋
という筋肉が弱くなることで肩甲骨が外にひらいて肩が巻き込み、「猫背・巻き肩」の姿勢をとってしまうことが一番の原因と考えています。
↑菱形筋には「大菱形筋」と「小菱形筋」があります
この菱形筋なんですけれども、皆さん聞いたことある方は少ないと思います。
デスクワークが多かったりするとグッと背中を伸ばしたくなることがあると思いますが、なかなか菱形筋を単独で鍛えたことがある方は少ないんじゃないでしょうか。
この菱形筋をしっかりと鍛えることで肩甲骨が背骨の方に正しい位置に引き寄せられて、そうすると肩の巻き込みが防げて首の歪みも抑えられる。
そして尺骨神経の異常を防いで、肩こりも改善できるようになると考えています。
肩こりというのは揉んでほぐして良くするよりも
しっかりと背中を鍛える
そして
肩の筋力も鍛える
こうするとより効果的です。
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前々回の放送で腰の痛みについての捉え方と改善に必要なことについてお伝えさせていただきましたけれども、いずれにしても
体の後ろ側の筋肉を鍛える
今回の肩こりについては
背中の筋肉を鍛える
つまり筋トレすることで身体の不調や痛みを改善していくというのが背骨コンディショニングでの基本的な考え方です。
最初にお伝えしたように、筋肉をもんだりほぐしたりすると一時的には確かにラクになります。
ただそれはあくまで一時的です。
一時的にラクにしたとしても、根本的な原因が解決されていなければまた症状を繰り返してしまいます。
それを放っておくと段々痛みも強くなってしまいますし、日常生活に支障が出てしまう方もいらっしゃいます。
今回の肩こりについては、背中の筋肉を鍛えることが大事ですと覚えていただけたら嬉しいです。
菱形筋のトレーニングについては「ハイエルボーローイング」という種目を背骨コンディショニングではお勧めしています。
詳しいやり方については下記のリンクから動画を確認してみてください。
※菱形筋のトレーニング方法
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