近くに 舗装されていない 小径がある。
雨が降れば 水たまり が出来る。
雀が水浴びをしている処に出会うと、足を止めて 遠くから そっと見守る。
なぜか微笑みが こみあげてくる。
青空になると水鏡になり 不思議にも、別次元の世界が映り込み、想像力が羽ばたく。
人と車の行き来が少ないから、何故か趣深い一角なのである。
ここは一度も舗装されていない、お寺の私有地なのだ。
時には渡り鳥だろうか 美しい羽根の 名前の判らない 小鳥を見かける時がある。
遠い昔、幼かった頃の田舎の景色にまで想いは飛ぶ。
それは、 まやかしの世界 に近い。
カラスにも、穏やかにして、餌が多い処なのだろうか群れて来る。
時に争いの様相を見せる、騒々しい光景が繰り広げられる。
風の強い日には小さな 漣がうねる。
早春には片側の土手一面に土筆が群れるように燃えたち、懐かしい季節の光景が眩しい。
雨の日はぬかるむが 映る雲の様子に 心惹かれる。
秋の夕暮れには 映り込んだ夕焼け が遠くの国に迷い込むのかと、悲しい時でも笑が内側から湧き出す。
穏やかな地域であるが、様相の変化は、通り過ぎる時、一遍の物語の世界に迷い込む。
牛や馬で引いた荷車は既に無いが彷彿とさせられる。
心の中から現れる世界は 人それぞれなのだろう と想像の世界を遊ぶ。
都会の近くであるが存在は 幻 かもしれない。
誰も声高には語らないけれど 静かに心を遊ばせながら その時々の空間を通り過ぎていく。
もしも、布に現したならば、どんな布が現れるだろうと夢想する。