今年1冊目、読んだ本の感想です
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夫の骨 (祥伝社文庫)
737円
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昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は……(『夫の骨』)。
家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。
(文庫本裏表紙より)
こちらは短編集です。本屋で帯に興味を惹かれて買いました。
矢樹純さんの著書は今回が初めて。
『夫の骨』(表題作)の他、
『朽ちない花』
『柔らかな背』
『ひずんだ鏡』
『絵馬の赦し』
『虚ろの檻』
『鼠の家』
『ダムの底』
『かけがえのないあなた』
の9つの短編で構成されています。
この短編はどれも家族間の“歪み(ひずみ)”について描かれています。
そしてどのお話にもあっと驚くオチが待っています。
文体は読みやすかったです。サクサク読めました。
しかし、短いながらもなかなか読み応えがありました!
後味爽やかではない話が多かったですが、いろいろ考えさせられるものがありました。
家族とは。どんなに厄介でもいびつでも一生切り離すことができないもの。そして形は違えど絆が存在し、それを守ろうとするものである。
じめっとした話やイヤミスがお好きな方にお勧めです。