「わしが思うたのは、国民航空は病人にたとえたら末期癌や」「いかなる名医、ノーベル賞級の医者でも
治せん(中略)、長居は無用や」
年末から読み始め、やっと読むことができました。
危ない目に遭ったことがあるのにJALを利用してた自分に対しても腹が立つほどのエグさだった。
searchingの単純な感想を述べるとすれば
「JAL、やはりこわい…もう乗りたくない。ハッピーエンドでないのがまた、やりきれない」に尽きます。
利用客が航空会社に求めることは、まず安全に飛ぶこと、それもなるべく
定刻通りに飛んでくれることだけ。
そして余計な機内販売等のサービスを充実させるより、救命胴衣をパラシュートにしてほしいと
心配性なわたしは前から思っています。
事故時には身体をちぎってしまう凶器に変わる細いシートベルトと、浮き袋に毛が生えた程度の
ライフベストでは、どうしようもないじゃないか。
自動車より事故率が低いとはいえ、乗客には防ぎようがないのが飛行機事故なんだから。
以下、ウィキペディアより『沈まぬ太陽』について。
国民航空社員(モデルは日本航空とされている)で同社の労働組合委員長を務めた主人公、
恩地元(実在の日本航空元社員がモデル)が受けた不条理な内情を描き、人間の真実を描いた作品。ナショナルフラッグキャリアの腐敗と、単独機の事故として史上最悪の死者を出した
日航機墜落事故
を主題に、人の生命に直結する航空会社の社会倫理を鋭く抉り出した作品である。
内容が内容だけに、作品が世に出た当時は作者に対して「事実をねじ曲げて書いている」
などという激しい抗議がJALを中心として起きたそうですが、利用客としてみれば今でも
JALの体質って大して変わってないように思える。
今は財務面が相当厳しいみたいですが、それは数年前続いた機体整備の不備等が過剰報道
されたことも大きいかもしれない。乗る人明らかに減ったでしょ。
わたしの危ない目というのは2001年9月10日、初めてのひとり海外旅行で乗ったJAL機が
故障し恐ろしい思いをしたこと。
夜のフライト、離陸後真夜中に日本に引き返した。引き返すほどの故障だから
飛び続けられなくてよかったけれど、今思い出しても良い思いがしないのは着陸まで
ほとんど情報も与えられず、マニュアル的な対応しかされなかったから。
あの時まだこの本を読んでなくて本当によかった。
そして翌日再出発するまでホテルに缶詰で、翌日起こった911のテロを知らなかったから
のん気に飛べた。
それにしても主人公の恩地さんのモデルになった方
のプロフィールを見て、涙がこみあげてくる。
作中の登場人物と実際の人物を検証してるサイトもありました。
取材の偏りや小説である以上のフィクション部分はあるとみても、やはり作品として
心を動かされずにいられません。
すべては、山崎豊子さんが観光で訪れたナイロビで、案内人をした恩地さんのモデルとなる人と
出会ったことがきっかけ。一部作者がメディアで答えていたインタビューを抜粋して載せています。
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
(インタビューより)ナイロビの空港に降りたつと、古武士のような東洋人が立っていて、それが「恩地さん」でした。翌日から四輪駆動の自動車でサバンナを案内してもらい、動物の生態やアフリカの歴史を聞きました。穏やかで何をたずねても造けいが深く、ご自身の見識を持っておられ、単なるアフリカ通ではないことが感じられました。あれこれお聞きしていると、元航空会社の社員としての経歴を、ポツリポツリと話してくださいました。
私は、アフリカの自然を見にきたのに、アフリカの大地で今の日本ではなかなか会うことができない日本人に出会えたと感慨を持って帰ってきました。
それからあらためて、あなたをモデルに小説を書かせていただきたいとお願いにいったのですが、最初は「私の人生は、他人にわかるはずがありませんので、ご辞退します」と拒絶されました。それでも何度かお願いし了解を得て小説に書かせていただきました。
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
(インタビューより)テヘランの空港で日本へ帰る奥様が、二人の子どもの手を引いて搭乗機に向かっていきます。彼は、アフリカへ向かう飛行機に乗る。そのときに、「声をかけたけれど、妻は振り返らなかった。その後ろ姿を見ながら泣きました」と話してくださいました。私はこの場面を小説に書くとき、泣きながら書きました。奥様に会って、「なぜ振り返らなかったのですか」と聞きました。「振り返ったら崩れます」と奥様はおっしゃいました。会社はこんなことまでしていいのでしょうか。私は、このことを知って、航空会社がどんなに取材を妨害したり、誹謗中傷してこようと、最後までこの作品を書きあげなければいけないと思いました。(JALについて)あの会社は、あれだけのことをして、反省もしないで「組合側にたった一方的なでっちあげの小説だ」という怪文書を流し、一部のマスコミが掲載しています。どこまでも低次元な会社で怒りを通りこして今はあきれはてています。
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
落ちゆく機内で家族に書かれた遺書、皮膚片だけでも持ち帰りたいと夫を探す未亡人、最愛のひとり娘の
乗った機が墜落したと聞いて気を失った父親のエピソード、事故後発見されたコックピットでの会話など、
インタビューをもとに淡々と書かれている。泣かずに読めない。『ユナイテッド93便』も衝撃だったけど、これは…
想像を超えている。
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
関連URL(長すぎて読む気はしませんが、カワイソウ、JALこわい、だけの情報だけ載せるのは
さすがに忍びないので)
http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/
http://www.geocities.jp/showahistory/history7/60c.html
山崎豊子インタビューhttp://www.bekkoame.ne.jp/~jcau/yamazaki.htm