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地域包括で働く社会福祉士のBlog

福祉の現場のこと、介護のこと、読んだ本のことや子育て奮闘記など日々の気づきの記録です。

昨今のコンサルタントブームのようですが、日本におけるそのさきがけといえばやはりこの方でしょうね。

大前研一さんです。あの勝間和代さんも学生時代に大前研一さんの著作に影響されマッキンゼーに入ったと言っています。その大前研一さんの新刊がこちらです。

サラリーマン「再起動」マニュアル/大前 研一
¥1,575
Amazon.co.jp


題名から見るとまさに自己啓発、勉強本ですが、そういった内容は実は半分もないのではないでしょうか。本書の半分以上は正に大前研一さんが現在のビジネス観、世界観です。私は実は大前研一さんの著作を読むのが今回が2回目だったので、その一つ一つを興味深く読ませていただきました。


以下目次です(Amazonより引用)

イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
フェーズ1 第1章[現状認識] なぜ今「再起動」が必要か?
フェーズ2 第2章[基礎編] 「再起動」のための準備運動
フェーズ3 第3章[実践編] 「中年総合力」を身につける
フェーズ4 第4章[事業分析編] ”新大陸エクセレントカンパニー”の条件
フェーズ5 第5章[メディア編] 「ウェブ2・0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ] 新大陸の”メシの種”はここにある


本書の題名にもある「再起動」これがキーワードですね。パソコンでもある程度システムにかかわるバージョンアップなどを行うと、その後再起動を求められます。人間も同じ。システムに関わるほどの変革をするのであれば、自己否定し、再起動していく必要があります。

 具体的な再起動のためのノウハウについての説明はここではおこないません。正直言って、ビジネス書をよく読まれている方にとってはさほど目新しいものが無いということも事実です。ゆえに本書の要はむしろマニュアル部分ではなく、大前研一さんのビジネス観、世界観を知ることだと思います。世界はこう変わった、そしてこう変わっていくから、そのために個人も自己否定、再起動が必要なのだと意識させられます。


 先に書いたように私は大前研一さんの著作を読むのはこれで2冊目です。だけどそれでも感じたのは自身の係るビジネススクールの宣伝(のように見えなくもない)とマッキンゼー時代の話が非常に多い。体験談から書くものだからそれはそれでよいとも思いますが、やや食傷気味なのも事実です。そういえばAmazonのコメントにも同様の感想がありましたね。


 それでもなお、日本のコンサルタントのさきがけ、大前研一さんの視点を学ぶ価値の大きさははかり知れません。私も少しでも近付きたいと痛感した一冊でした。

今日も福祉関係の本です。5年ほど前に購入し読んだ本ですが、改めて読んでみると忘れていることも多いですし、またあらたな学びもありました。


と、アフィリエートを貼り付けようとしたら、Amazonにありません。どうやら絶版のようですね。初版は2000年だからさほど古い本でもないのですが・・・。


「行動障害の理解と援助」長畑正道・小林重雄・野口幸弘・園山繁樹 編著 コレール出版


行動障害って福祉業界以外で働く方にとってはなじみのない言葉かもしれません。でもなんとなくイメージわきますよね。おおむねそのイメージ通りと思われて結構です。私たち福祉の世界では利用者(サービスやケアを受ける方々のことをこのように呼ぶことが多いです)の行動障害や問題行動というものに悩まされることが多くあります。問題行動というと何かすごく悪いことのようですが、ようは私たち支援者や社会にとって好ましくない行動だと思います。

たとえば人や自分に暴力をふるったり、わざと人のものを盗んだり、大きな声を所構わず出したりなどなど・・・。ありとあらゆるものがありますが、この行動障害や問題行動についてまず正しい理解をしておきたいと思います。

本書より引用です。

「絶対的な行動障害が存在するのではなく、生きている時代、日常的に属する集団、生活年齢、その他の条件によって規定されてくるもの」

どうでしょうか。どんなに困った行動でも価値観や世界が違えば必ずしも悪いことではないということです。たとえば人を殴るという行為。暴力はいけませんが、格闘技や戦争などの世界では当たり前です。まして人間以外の動物たちに目を向ければ弱肉強食の世界ですよね。ようは良い悪いなんてものは現代の人間社会、日本での価値観に基づくものなわけです。私たちはそれを当り前のように感じていますが・・・。


さて、前置きが長くなりましたが目次を紹介します。

 第1章 行動障害の意義と背景

 第2章 行動障害の類型

 第3章 行動障害の医学

 第4章 行動障害と障害特性

 第5章 行動障害の援助の基礎

 第6章 行動障害の援助の方法

 第7章 他害行動を示すADHD幼児への援助

 第8章 複数の行動問題を示す重度知的障害生徒への援助

 第9章 強固な行動障害を示す重度知的障害生徒への援助

 第10章 乱暴な行動を示す重度知的障害生徒への援助

 第11章 強度行動障害を示す自閉性障害者への援助

 第12章 頻繁な他傷行動を示す重度知的障害者への援助

 第13章 引きこもりを示す自閉性障害者への援助

 第14章 青年期急激退行を示すダウン症者への援助(1)

 第15章 青年期急激退行を示すダウン症者への援助(2)


わたしが本書を読んで感じたことは

「いかに基本プロセスを徹底するか」

でした。私は障害者の施設に勤めて10年になりますから、ある程度の知識も技術も経験もあります。ですから本書に書いてあることは「なぁ~んだ、知っている」ということがほとんどです。

しかしその「知っている」を実践しているかというと、ほとんど無意識的にやっていることがほとんどであり、体系だててプロセスを意識しながら行っていることはあまりありません。

障害の特性にしろ、なぜ行動障害を起こすのかにしろ、どう対処するのかにしろ、理論的には決して難しいことではない。ただそれをしっかりと意識して愚直に実行していくことが難しいのかなとも思います。


でもね、やっぱりむずかしいですよ。これ。

語弊があるかもしれませんが、赤ちゃんに「泣く」という手段以外で自分の要望を伝えるようにさせることなんてできないじゃないですか。発達年齢が低い、これ以上上がらないという人にどうやって適切なコミュニケーション手段をつけてもらうか。極めて難しい問題だと思います。

久々に福祉の本を読みました。いろいろと今後のキャリアデザインについて悩んでいるところではありますが、まずは今の職場でNo.1になるというのが、自分自身を高める上で大きな目標ですから。
デキる福祉のプロになる現状打破の仕事術/久田 則夫
¥2,100
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たぶん福祉業界で働いている方以外は著者の久田則夫さんのことをご存知の方は少ないでしょう。でも福祉業界の中では非常に有名な方であり、ある意味異端な方だと思います。

なぜ異端か。それは福祉業界で仕事術などビジネス本ライクことを書く方が極めて少ないからだと思います。福祉の本を分類すると大きく二つです。ひとつは福祉の思想やエッセイなどについて述べた本です。介護保険での老人の生活やら、障害者とその家族の手記などです。そしてもう一つが、専門的な知識や技術について説明した本ですね。介護のHow toや法律について、資格勉強本などです。そんな中、いわゆる昨今のビジネス書にたくさん見られるような仕事術について述べた本は極めて少ないです。っていうか私はほとんど見たことない。久田則夫さんはその少ない福祉の仕事術について語る第一人者といってもいいのではないでしょうか。


前置きが長くなりましたので、目次を紹介します。

 第1章 プロとして果たすべき使命を把握し、行動を起こそう

       -変革の時代を担うのはアナタである-

 第2章 職場の中で十分に評価されない、と嘆く前に考えるべきこと

       -プロに求められる本物の力と「5Kの心」を身に着け、組織の発展に寄与する真の職業人となろう-

 第3章 伸びる人と伸びない人はどこが違うのか

       -スマートな発想で6無主義職員との決別を図ろう-

 第4章 サービス向上をはかるには”出る杭”職員の出現が欠かせない

       -”出る杭”は打たれておしまいではない、打たれて強くなるのだ-

 第5章 レベルダウンをもたらす”パラサイト職員”の蔓延を阻止せよ

       -その知られざる特徴を把握し、増殖防止に着手しよう-

 第6章 人脈は困った時にあなたを救う命綱になる

       -ワンランク上のプロになるために、ヒューマンネットワークの拡大に努めよう-

 第7章 変化をためらう姿勢はどこから生じているのか

       -変革を担う人材になるためには-

 第8章 ”ダメ上司”とどう向き合うか?

       -要注意!その存在を放置すれば、あなたの職場は失望と人材流出とサービス低下という3つの危機に直面する-

 第9章 ストレスマネジメントのスキルを身につけ、どんな時も最善のサービスが提供できる人材をめざそう

 第10章 逃げの姿勢で転職を繰り返しても職業人として明るい未来は手に入れられない

       -よりよき転職の決め手はあなた自身の姿勢にある-

 第11章 リフレクション・スキルを習得し、マンネリ打破を実現する真のプロフェッショナルとなろう

 第12章 要注意!その言動が職場内に不信の連鎖を引き起こす

       -信頼を得るためには”職員間コミュニケーション力”の向上が欠かせない-

 第13章 記録の魅力と偉大なるパワーに注目せよ

       -要注意!低レベルな記録が放置されれば、プロに必要とされる5つの力の喪失を招く-


目次を見るだけでもおなかいっぱいです(笑)。230ページ程度の普通の本なんですけど、ビジネス書の全部入りといった内容です。実際に読んでみるとビジネス書、ビジネス雑誌の引用がたくさんありますし、個人目標を設定することでモチベーションを保っていくなど昨今のビジネス書で言われている内容が多いです。プロフェッショナルにこだわることや、インパクトのあるキーワードを多用するところもビジネス書のようです。でもそれらがしっかりと福祉の職場の視点で咀嚼され書かれていることがこの著者のすごいところだと思います。福祉職場にありがちな最初はモチベーションが高いけど厳しい現実と待遇を前に、やる気を失ったり、転職をしたり、精神的にやんて行く人たちへのアドバイスが盛りだくさんです。私はやる気はまだまだありますが、よりよい仕事をしていくために、そして後輩を指導していくために有用な考え方がたくさんありました。ぜひぜひ福祉業界の方々、これから福祉を志す方々には読んでもらいたい本だと思います。

ただひとつ心配なのは、このような本がどこまで福祉業界で働く人たちに受け入れられるだろうかということです。

先に述べた福祉の本の種類、大きな二つに代表されるように、私の周りの人たちも、福祉に大事なものは心であり、それをエッセイや手記で感じ、あとは技術や知識を学ぶといった方々が多いです。そしてそういった方々に多いのは、ビジネスの世界、お金の世界とは違うのだ、そういう世界はあさましい的な考え方です。だからビジネス書を読む方も少ないです。

福祉に心が大切なのはわかります。でもそれはどこの業界、業種でも同じです。人に喜ばれるから報酬をえられるわけです。それを福祉だけ神聖化するのはどうかと・・・。まあこれは今回は関係ないですね。

少なくとも私はビジネス書から多くの学びを得てきました。そしてこれま出の仕事の中で、まあ恥ずかしくない程度の成果はあげられたと思っています。ですから、みなさんも食わず嫌いせずにぜひこのような本も読んで、実践してみてください。きっと世界が変わります。