いかに基本プロセスを徹底するか 「行動障害の理解と援助」 | 地域包括で働く社会福祉士のBlog

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福祉の現場のこと、介護のこと、読んだ本のことや子育て奮闘記など日々の気づきの記録です。

今日も福祉関係の本です。5年ほど前に購入し読んだ本ですが、改めて読んでみると忘れていることも多いですし、またあらたな学びもありました。


と、アフィリエートを貼り付けようとしたら、Amazonにありません。どうやら絶版のようですね。初版は2000年だからさほど古い本でもないのですが・・・。


「行動障害の理解と援助」長畑正道・小林重雄・野口幸弘・園山繁樹 編著 コレール出版


行動障害って福祉業界以外で働く方にとってはなじみのない言葉かもしれません。でもなんとなくイメージわきますよね。おおむねそのイメージ通りと思われて結構です。私たち福祉の世界では利用者(サービスやケアを受ける方々のことをこのように呼ぶことが多いです)の行動障害や問題行動というものに悩まされることが多くあります。問題行動というと何かすごく悪いことのようですが、ようは私たち支援者や社会にとって好ましくない行動だと思います。

たとえば人や自分に暴力をふるったり、わざと人のものを盗んだり、大きな声を所構わず出したりなどなど・・・。ありとあらゆるものがありますが、この行動障害や問題行動についてまず正しい理解をしておきたいと思います。

本書より引用です。

「絶対的な行動障害が存在するのではなく、生きている時代、日常的に属する集団、生活年齢、その他の条件によって規定されてくるもの」

どうでしょうか。どんなに困った行動でも価値観や世界が違えば必ずしも悪いことではないということです。たとえば人を殴るという行為。暴力はいけませんが、格闘技や戦争などの世界では当たり前です。まして人間以外の動物たちに目を向ければ弱肉強食の世界ですよね。ようは良い悪いなんてものは現代の人間社会、日本での価値観に基づくものなわけです。私たちはそれを当り前のように感じていますが・・・。


さて、前置きが長くなりましたが目次を紹介します。

 第1章 行動障害の意義と背景

 第2章 行動障害の類型

 第3章 行動障害の医学

 第4章 行動障害と障害特性

 第5章 行動障害の援助の基礎

 第6章 行動障害の援助の方法

 第7章 他害行動を示すADHD幼児への援助

 第8章 複数の行動問題を示す重度知的障害生徒への援助

 第9章 強固な行動障害を示す重度知的障害生徒への援助

 第10章 乱暴な行動を示す重度知的障害生徒への援助

 第11章 強度行動障害を示す自閉性障害者への援助

 第12章 頻繁な他傷行動を示す重度知的障害者への援助

 第13章 引きこもりを示す自閉性障害者への援助

 第14章 青年期急激退行を示すダウン症者への援助(1)

 第15章 青年期急激退行を示すダウン症者への援助(2)


わたしが本書を読んで感じたことは

「いかに基本プロセスを徹底するか」

でした。私は障害者の施設に勤めて10年になりますから、ある程度の知識も技術も経験もあります。ですから本書に書いてあることは「なぁ~んだ、知っている」ということがほとんどです。

しかしその「知っている」を実践しているかというと、ほとんど無意識的にやっていることがほとんどであり、体系だててプロセスを意識しながら行っていることはあまりありません。

障害の特性にしろ、なぜ行動障害を起こすのかにしろ、どう対処するのかにしろ、理論的には決して難しいことではない。ただそれをしっかりと意識して愚直に実行していくことが難しいのかなとも思います。


でもね、やっぱりむずかしいですよ。これ。

語弊があるかもしれませんが、赤ちゃんに「泣く」という手段以外で自分の要望を伝えるようにさせることなんてできないじゃないですか。発達年齢が低い、これ以上上がらないという人にどうやって適切なコミュニケーション手段をつけてもらうか。極めて難しい問題だと思います。