箱入り息子のパリ -3ページ目

箱入り息子のパリ

ありがとう人生!




今朝お気に入りのパーカーを無くしたことに気づいた。ランニング用のしゃかしゃかした薄くて軽くて優れものだった。
去年の4月あたりに日本で買ったやつ、もう一回言わせてもらうとすごく、お気に入り。

鍾乳洞で長い年月をかけて染み込んで、窪みにたまった水みたいに綺麗な薄緑色。
ジッパーの部分が綺麗な七色のグラデーションになっている。

色んな所を一緒に旅してきた、いわば親友のようなパーカー。四国、パリ、ロンドン、マドリードetc
急な雨に降られた時、宿が見つからなくて野宿に近いことをした時。ミラノでボロネーゼをこぼして大きなシミになったと思ってめちゃくちゃ萎えたこともあったな。

実用的な話になると、ちょっと肌寒いけどもう一枚重ね着するほどでもないなーみたいな状況、風強いからセーターだとダメかなーなんて日も。
すでに自分の体の一部のような、皮膚のような感じだったから、悲しみもひとしお。
どこで落としたかなぁ、泊まってたホステルか、行き帰りの電車の中か、はたまた何の関係もない道端かな。
あーでも帰ってきてからそこそこ日数経ってるしもうダメかな。いや万が一ってこともあるし、もしかしたら残っているかも。
なんてA型特有のウジウジを存分に発揮している。
なんやかんや高かったんだよなぁあのパーカー、周りからの評判も良かったしなぁ、とかなんとか。
減価償却のことを考えても、もう少し長持ちしそうだったなぁ、そもそも何年保つものなんだろう、グズグズ。
徐々にダメな方のスイッチが入る、パチッ、という音が頭の中で鳴る、気がする。

数年前、その時はファイターズにいたダルビッシュ有投手が
「ホームランを打たれたらムカつくし相手にも勢いが出てくる。だから直後のバッターは絶対三球三振で」

単純にすごいなと思ったし、それが出来る、言えるだけの技術とか力があることを羨ましいとも思った記憶がある。だけど1番尊敬できたのは、その精神力。何くそ!みたいにすぐ切り替えられるそのメンタルに、テレビの前でシビれた。

一方僕はというと、大切なものを無くしたショックを引きずりながら、こうしてウダウダとその負の感情を文章にしている。

さっき書いた話に戻ると、僕の頭の中にはどうやら、良いスイッチとダメなスイッチが存在していて、折にふれてどちらかがOnになる。まぁダメな方のやつが若干イカレ気味みたいで、結構意味不明なタイミングで入っちゃう設計。
こうなるともう何をする気力も無くなり、ただ虚ろな目で壁紙とかを凝視してしまう。塞ぎ込んで、少々の優しさなら軽く打ち返してスタンドイン、くらいの嫌な人間になる。
親とか友達とかは良くもまぁこんな不快な人間に長い間付き合ってくれてるもんだとたまに思う。(感謝もしている、表に出さないだけで。)

とまぁ、どうにかして今のこの鬱屈とした感情を軽減しようとツラツラ駄文を並べて来たわけなんだけど、果たして意外と効果があったようでほんの僅かだけ、軽やかになったような。
パーカー着てない分だけそうなったってことか。
いやでも最初から着てなかったし、そもそも無くしたからこのブログを書いてるわけで…