もう5月も後半ですね。

皆さまお元気でしょうか。

 

MAのお話をアイデアニュースさんの記事でさせていただいたので、MAカテゴリの記事を少しお休みしていました。

前の記事、ツイート埋め込み直してあります)

 

ちなみに、アイデアニュースさんからは記事掲載の記念でクオカードを頂きました!

改めて、この度はありがとうございました。

 

 

そんなわけで「その1」からだいぶ経ってしまいましたが、続きを書いてみようと思います。

 

※前回までの記事は「MA」カテゴリの記事をご覧ください

 

 

その1(以後、「前回」と呼びます)では、登場人物のカット、視点、MAの意義などについて書きました。

今回からはさらに、旧演出と新演出共通で登場する人物の違いについて、掘り下げていこうと思います。

 

 

マリーの違いについては前回少し触れました。

マリーが違えば、相手役も変わる。

というわけで、マリーの相手役、フェルセン伯爵について。

 

“マリーの愛人”という立ち位置がフェルセンですが、新演出の際にも各種インタビューで話題に上ったり、劇中でも描かれていたりするように、マリーとフェルセンはプラトニックな関係だったとされています。

 

ただ、旧演出のマリーとフェルセンよりも、新演出のマリーとフェルセンのほうが、愛が強く感じられたんですよ。

それこそ、お互いがお互いを必要としている感覚が、ナンバーからもグッと伝わってくる。

 

マリーとフェルセンがそれぞれ一途でありながら、

新演出のマリーは、夫であるルイへの扱いも優しい。

旧演出では、ルイが尻に敷かれている感じがしました。

 

そもそも、旧演出のフェルセンが影薄いような気がしなくもないのですよ。

(芳雄さんごめんよわたしはあなたのフェルセンも実際に観てみたかったよ)

これはあくまでもライブ盤を聴いただけで実際に公演を観ていない私が思った話です。

 

ただ、両方ご覧になった方の感想をネットで色々拝見していたら、

「新演出でフェルセンがかっこよく描かれてる」

というような感想も実際に見つけましたし、

旧演出では存在しなかったフェルセン単独のナンバーも、新演出で生まれましたね。

新演出はフェルセン主観の物語なので、当然といえば当然なのかな。
立ち位置が本当にガラッと変わった。

 

 

そして、フェルセンとマルグリットの関わりが、旧演出では薄いのかな?という気がしました。
新演出だと、貸し借りが生まれているじゃないですか。

(旧演出でも芝居部分ではあったのでしょうか?)
 

フェルセンもマルグリットのことをそれほど下には見ていない、という印象が新演出版にはありました。


 

さて、そのマルグリット・アルノーについて。

それこそアイデアニュースさんの記事にも書かせていただきましたが、

私がMAで一番感動したのがマルグリットのナンバーなのです。

 

では早速ナンバーについて……

といきたいところですが、ナンバーについての話は下書きの時点でだいぶ長くなってしまっているので、次に回しまーす。笑

(たぶん次の記事が一番濃くなる予感がします)

 

 

今回は先に、マルグリットの人物像について触れておきます。

 

旧演出マルグリットは、純粋だった彼女が「この世の中間違ってる」と、

少しずつ気付いていく過程が丁寧に描かれています。


新演出のマルグリットは、最初から恨み憎しみの炎を燃やしているのだけれど、

「マリーも1人の女なんだ、母親なんだ」と、

彼女に対していろんな発見をしていく様子が、2幕で丁寧に描かれています。

そして最後に、オルレアンや周りの行動が行きすぎていると感じ始めるんですね。

 

アニエス修道女がマルグリットに「間違ってる」と諭す旧演出。

マルグリット自身が「間違ってる」と気付き始める新演出。

新演出でアニエスがいなくなったことも大きいのかなと思います。

 


マルグリットといえば、新演出の2幕終盤でマリーが

「ありがとう、マルグリット」

と言った後にお辞儀をするマルグリットの姿が本当に泣けて泣けて仕方なくて、あのシーン大好きなんですよ私。

旧演出は(何度も言いますが)ライブ盤で聴いただけで視覚情報が得られなくてなんとも分からないのですが……。

 

ちなみに、そのときのマリーの声がPVの最後に入っているので是非観ておくれ。

 

 

↑DVD持ってるのに未だに何度も観てしまうMAのPV

 

 

いずれにせよ、マルグリットの心の変化の描き方が、旧演出と新演出でだいぶ違うような印象を受けました。

 

旧演出はとにかくマルグリットの視点なので、マルグリットのキャラが強い。

でも、新演出のマルグリットが弱くなったわけではないんです。

すごくバランスが取れてるんじゃないかな、なんてことを思いました。

それこそ冒頭に書いたフェルセンとマリーの関係も、

旧演出より新演出のほうが色濃く見えた。

(そもそもマリーはタイトルロールですし……)

それくらい、いろんな人にスポットを当てやすくなったのではなかろうか。

だから、主要な登場人物もカットしたのかな。

 

 

そして、マリーとマルグリットの腹違い設定について。

これについては、新演出だと明らかですよね。

台詞にも出てきます。

 

旧演出では、ライブ盤で聴ける限りでは、明言していないような。

匂わせてはいるのかな、という印象。

(もし芝居部分で存在していたら話は別ですが)
 

そのことを考えると、新演出マルグリットのマリーに対する気持ちが変わっていったのは、

腹違い設定をよりハッキリさせることで自然な流れにしたかったからなのかな、なんて。
 


 

 

さて、そろそろ第2回を締めたいと思います。

フェルセンとマルグリットは、新演出でも旧演出でも登場する主要人物です。

ただ、描かれ方はだいぶ変わったのではないかと思います。

 

旧演出MAは、マルグリットの目線で綴られていく。

新演出に出てこない、アニエスの存在感も強い。

カリオストロが運命を錬金術で操っていて、ボーマルシェは狂言回しの役割を果たしている。

 

新演出MAは、フェルセンの目線で綴られていく。

それでいて、マルグリットの視点も強い。

それぞれが、それぞれの運命の歯車によって動いていく。

……というか、動かされていく。

 

 

というわけで、第2回はフェルセンとマルグリットにスポットを当ててみました。

だがしかし、ナンバーの中にこそ考えを巡らせたい話題がたくさんあるのです!!!

 

ということで、第3回目はミュージカルナンバーを中心に書いていこうと思っています。

 

まだまだ劇場へ行ける日は見えませんが、こうして考察する時間を大切にしたいと思う、のこでした。

 

 

 

☆続きは以下にあります