先日、THE GRAIL OF SICSのライブに行った話をしたが、その際に上手側のギター、勝君の音作りやそれによるバンドサウンドで悩んでたり、色々と試行錯誤をしてるって事を話したと思う。
以前にも紹介したが、勝君の使うギターは、
【Mayones Rdghus 7 V.F.Multiscale Transparent Dirty Red Burst】
Mayones、読み方は「メイワンズ」。
「マヨネーズ」じゃないよ(笑)
三木楽器のカスタム・オーダー品で三木楽器オリジナルになる。
仕様は、
になる。
真ん中を中心に扇型に打ち込まれたファン・フレット(ファンド・フレット)が特徴でもあり、それに合わせて、PUやブリッジも斜めになってるのが分かる。
PUはBare Knuckle(ベア・ナックル)になるが、このファン・フレット仕様に合わせた特別仕様で、ハムバッカーだが2つのコイルはズラされていて、ボディのザクりも斜めにされてる。
逆に言えば、ファン・フレット専用のリプレイスメントPUが無い為にPU交換するものが無いと言った所。
何でもDuncanがファン・フレット向けのPUを開発中なのだとか。
さて、THE GRAIL OF SICSのライブ後に軽い打ち上げにも参加したのだけど、そこでも勝君のギター・サウンドの話になって、どうもギターの音が薄いとの事。
TOPはメイプルだが、バックはスワンプ・アッシュ、11pのスルーネック仕様で、7弦ながらにチャキチャキ感があると言うか、ペラペラしてるそう。
っで、勝君の使うアンプはHughes & KettnerのCorbladeで、真空管を6L6にしてみたり、EL34に戻したり、色々としてる見たいで、ライブ後にアンプを色々と見せてもらったが、色々と変更を加えたところで大きくも変わらないって所に落ち着きつつもあった(笑)
ライブの翌日に勝君からIbanezの7弦、ファン・フレット仕様でEMGが斜めに入ってるのがあって、PUを替えてみる事にしたと言う。
打ち上げの時に「PUは専用でも、普通にPUが斜めに入るんじゃね?」って俺が軽い気持ちで言ってたんだよね(笑)
っんで、ライブから1週間ぐらいか、先週末ぐらいに勝君から連絡があって、PUはサウンドを大きく変えるべく、アクティブを選択、DuncanのBlackoutにしたと。
しかしながら、やはりPUが入らなかったらしい。
っが、PUの角、対角2ヵ所を1mmずつ削れば入るから、削ってみる。と(笑)
PUは入れる事は出来たが、今度は音が出ないと。
はい、「助けて」と私に依頼が来ました(笑)
久々ですね。
日時を合わせて「了解!」とは言ったものの、実は内心「音が出る様に出来るだろうか?」ってのはあった。
っと言うのも、勝君が自分でやってるって部分で途中までは手が加わってる部分でね。
最初から自分でやる方が出来るって思うからね(笑) まぁ実際にキャビティ内を見ないと分からない部分はあって。
そして昨日、勝君がギターを持って昼過ぎに到着。
駅前のカレー屋にて昼食にして、そこで色々と事前に聞き、俺の家に。
まずキャビティ内を開けてみると…、
勝君が自分でやったと言うハンダ付け、配線が結構酷かった(笑)
流石にその写真は取らなかったけど、ハンダ付けって中学の技術の授業で習うんだが、勝君は習った覚えは無いそう。
なら仕方ないと、まず配線、ハンダ付け手直しから。
ハンダ付け経験が少ない人にありがちの「しっかり付けよう」との思いから、ハンダを必要以上に付けてしまって、所謂イモハンダになってしまってた。
こうなるとノイズの原因になったりしてしまうので、必要最低限、そして「ハンダは電気を通すものでは無い」って俺の基本概念から。
実際は電気を通すけど、ハンダ付けは電気的溶接なので、溶接方法であり、通電用途では無いと考えてるので。
ハンダ吸い取り線にて取り除き、PUからの配線はハンダ付けする部分のみを出してハンダ付け。
BlackoutはPU本体にはEMGと同じくコネクタ配線なのに、ポッドやコンデンサーは全く何も付いてない仕様。
その為、結構線の長さが長過ぎたりして、コンデンサーの長い部分はカットして再度ハンダ付け。
手直し後に配線チェック。
っで、音が出ないって事は、配線をどこか間違ってるか、必要な部分に配線がされてないか。
Blackoutの配線図、ネットで調べても出て来なかったのよね(笑) なんで、事前にチェックする事が出来なかったのよね。
色々とチェックしてると、ジャックは元々ギターに付いてたのがステレオジャックだったので、流用。
しかしながら、ステレオジャックの配線がブラス・マイナス逆だったので付け替え。
3点PU切り替えレバースイッチの配線が外れていたので付け直し。
っで、一旦音を出してみる。
すると、音は無事に出た。
チューニングや弦伸ばしはしてなかったっと言うか、音が出なかったから出来なかったそうなので、弦伸ばし、チューニング。
っんで、弾いてみる。
…………っが、
ヴォリュームが効かない……
っあれ?(笑)
再度、キャビティ内をチェック。
ヴォリュームポッドに配線されて有るハズの部分に配線がされてない(笑)
そこを配線してハンダ付け。
すると、ヴォリューム正常に!
PUの線とか、様々な配線は短ければ短いだけ良いんだけど、勝君のギターだし、PUをまた別のギターに流用する時に困るので、長い配線は絡まない様にキャビティ内、ポッドにぐるっとやったり、9V電池交換時に絡まったりしない様に。
こんな感じで。
9Vを入れて、
こうなると。
9Vは勝君が用意してたヤツ。
電池のメーカーで音が変わる事を話したりしたら色々と試してみると。
一応、スタジオで自分のアンプやバンドで音を出してみて、18Vにするかは考えるとの事で、取り敢えず9Vのままに。
っつー訳で、
完成!
正面。
PUは無理矢理押し込んでるんで、ちょっと元のPU用のザクりに対しては歪さはあるけど、アクティブPUはバータイプのポールピースなハズだから、問題ないだろうと思う(笑)
ボディ。
PUを無理矢理押し込んだり、ドライバーでガリッとやったりした為、拍子にボディに引っ掛き傷を入れてしまったらしい(笑)
俺個人としてはPU角の隙間が気になるんで、スポンジで埋めたい所。
ネック。
ファン・フレット
以前、島村楽器で試奏したS7Gってメーカーの7弦もファン・フレットだったけど、その時初めて弾いて、ハイフレットになると、高音弦のポジションがあやふやに分からなくなる(笑)
ポジション・マークもサイドにあるだけやし、ハイフレットでは6弦側よりも手前にズレるから、目印にはならんし。
しかしながら、長時間弾いていると、ちょっと慣れてくる不思議(爆)
弾きまくってたら、何だか「結構行けるやん」ってね。
バック全体。
サテンフィニッシュで肌触りは良いし、丸みを帯びてるからプレイアビリティは良さそう。
俺は座って弾いただけだから、その感想だけやけど。
ボディバック。
弦は裏通し。
しかしながら、10-58のゲージでレギュラー・チューニングだが、テンションは少し緩めで弦高も低い。
俺の好みはもう少しテンションは強めで弦高も高めだけどね(笑)
ヘッド裏。
ペグはスパーゼルのロックペグ。
これ楽なんだよね。
でも弦伸ばし時に5弦だか4弦が巻き弦を残し、スポッと外れた(笑)
こうならない様に、ペグポストからの弦は少し曲げておくのが良いんだけどね。
っつー訳で、
出来上がったギターを俺の練習用Marshall LEAD-12ではあるけど、1~2時間は勝君と俺で弾きまくってお互いにチェック。
Blackout、実は俺、初めて弾いたけど、EMGよりザラザラ感と言うか、粗さがあるね。 良い意味で。
EMGの方がまとまってて大人な印象。 Blackoutのそう言うとこがEMGのコンプ感に難色を示してる人には良いのかも。
Blackoutもコンプ感はあるんだけどね(笑)
俺は前のBare Knuckleの時を弾いてないから比べるって事が出来なかったんだけど、本日、勝君はスタジオに個人連で入って色々と試したらしい。
明らかにローは出過ぎるぐらいに出てるそうで、全体的にも音は太くなったんで、ソロは弾いていて楽しくなった見たい(笑)
取り敢えず、今後バンド練習やライブで音を詰めていく感じになるのかな。
もし俺が直せなくて、音が出ないままだったら、どこかリペアショップに出すつもりだったらしい(爆)
まぁとにかく、直って俺も安心と、経験にもなって勉強になった。
次回のTHE GRAIL OF SICSのライブが楽しみになったね!
ってな訳で!