この記事は『落雷対策・建物の電気火災対策』シリーズの**解説編(3ポイント)です。
全体像や基礎から確認したい方は、「落雷対策・建物の電気火災対策」(テーマ)を開き、
「全体像 → 基礎(SPD/コヒーラ型) → 業界別(相間中和法)」の順にご覧ください。
まずは40秒で要点だけ:https://youtu.be/nIAgFKJ9N5Y?si=RbXdZwkVPTIcF0Cd
詳しくはLP(解説・実験・図表等):https://inazuma-spd.com/
落雷対策や建物の電気火災対策を最短で理解するために、
まずは危険の正体/守り方の骨子/実装・運用の3ポイントを整理。
**電気サージ抑制装置と相間中和法(コヒーラ型による)**の位置づけを掴みます。
1. 危険の正体:外部雷と“内部”から入るサージ
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外部雷(直撃):避雷針など“空間”の対策で建物に落とさない。
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内部雷(配線侵入)+開閉サージ:電源ライン等に瞬間的過電圧が流入→誤動作/基板破損/通電火災の引き金。
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だから二段構え:外は避雷針、内は**SPD(電気サージ抑制装置)**で回路を守る。
2. 守り方の骨子:分電盤+機器直前の“二段保護”
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配置:建物入口(分電盤)で大きなエネルギーを一次処理 → 機器直前で低クランプに仕上げる。
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性能の要件:クランプ≤300V(当社実測≈280V)/応答1ns未満、用途に応じた耐量・TOV耐性。
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方式の要点:相間中和法×コヒーラ型SPDでL–N差を瞬時にバランス化→追加接地が難しい現場でも後付けしやすい。
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認証:UL1449/CEなど第三者適合を“証拠”として提示(保証そのものではない点を明確に)。
3. 実装・運用:導入順序と点検・保証
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導入順序:①分電盤 ②重要ラック/制御盤のPDU/機器直前 ③長配線・屋外経路の見直し。
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点検ルール:表示灯の確認/端子ゆるみ・変色・腐食の目視/概ね周期点検を運用へ。
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保証の考え方:**初期不良1年+性能5年(例)**など“説明責任に耐える書き方”を稟議に添付。
よくある質問(FAQ)
Q1. 避雷針があれば十分?
A. 直撃は避雷針、配線侵入のサージはSPD。役割が別なので併用が基本です。
Q2. 一般的な“雷ガード”タップで代用できる?
A. 家庭用タップは耐量・速度が限定。B2B設備は分電盤+機器直前の二段保護が前提です。
Q3. コヒーラ型/相間中和法の利点は?
A. 低クランプ×超高速でL–N差を素早く均衡化。後付けしやすく現場停止を最小化できます。