通電火災(復電火災)の恐ろしさ | 某社員?

某社員?

私的な考え

どーも。

料理は盛りつけ次第で美味しそうに見えたり、不味そうに見えたりします。
これ、どの世界でも言えますよね。

某社員?でございます。

技術者の間で議論されている非常時の復電火災。
これ、過去の災害の教訓が生かされていない場面があります。

ちなみに、復電火災とは別名「通電火災」とも呼ばれ、

倒壊によって損傷した屋内配線が短絡した状態のまま停電が復旧し、

短絡した 配線が発熱して周辺の可燃物を発火させる現象

つまり、電気系統にダメージがある状態で電気を入れると燃える。
ということです。

何が言いたいかというと、しっかりチェックして安全を確認しないと電気を入れることは出来ない。
そうしないと火災が起きるかも。ということです。

回避方法は
他の電気回路を分岐しない専用回路を儲ける
商用電源と切り離す。

コレがポイントです。

欧米では昔から変圧器の供給能力と遮断器SCCRとの協調設計が義務付けられており、MCCBにする場合でもそれは同じです。
日本には、そんな規定はありません。

そして実際、サンフランシスコ大地震のときでも、阪神大震災のような復電火災は起きませんでした。

日本の配電系統の場合、MCCBのSCCRはよくて5kA、普通には1.5kA。
よって地震が起こったら商用主幹ブレーカを直ちに断にして、屋内配線の絶縁抵抗値をメガ―で測定、間違いないことを確認するまで絶対にONにしてはいけないのですが、これを知らない方が多いです。


ココまで読んだ方はお気づきでしょうが、
災害時、しっかり電気回路の安全チェックをしないで商用と繋がっている売電型ソーラーを動かすと・・・

火災になる可能性が大です。

以下、よく出る質問を会話形式で書きます。

Q.この危ないか危なくないかの判断って素人で出来るの?
正直、厳しいと思います。

Q.異常が見つからなかった場合、使えるの?
使えます。

Q.異常が見つかった場合、どうすればいいの?
問題が解決するまで、絶対に商用電気を使ってはいけません。

Q.ソーラー用の蓄電池が出ているが、使っても良いの。。
蓄電池から先の回路に異常があると火災の原因になります。その際は使えません。

Q.では異常があった場合、蓄電池内の電池を使って電気機器を動かして良いのか?
安全装置が入っていると思いますが、万が一安全装置が働かなかった場合、火災になるので、絶対にやめて下さい。

Q.では、どうすればいいの。
安全が確認できるまで、商用電源以外の発電機等の専用回路電気を使って下さい。

Q.専用回路電気というものに異常があったら?
原因が電線系統なのか、本体異常なのかにもよりますが、
電線ケーブルが断線していたりするような異常であれば、
新規に露出のダラダラでもいいので、
使いたいところまでケーブルを延ばして下さい。
そうすれば使えます。
勿論、火災は起きません。

これは非常に難しい問題ですが、知らない人が多いと思います。

自分の身は自分で守る。
火災などの二次災害を防ぐためにも、専用回路の設置は必要不可欠ではないでしょうか?


ちなみに欧米の場合、電力会社との責任分界ブレーカは今でもほとんどが「ヒューズ」です。
接点のないヒューズは非常に大きなSCCRを得られます。
小型のものでもそれは50kA、100kAで、地震で屋内配線がまともに短絡しているところに、大容量の変圧器から電力を供給したとしても、ヒューズで確実に遮断し、いわゆる復電火災はまず起こりません。

※SCCR とは Short-Circuit Current Rating の略です。これは各動力回路機器が持つ短絡電流に耐えられる限界の 電流値のことです。この「耐えられる」とはその機器が壊れてもいいが、隣接するその他の機器へ危害を及ぼさない 事を意味します。