英国最高裁はこのたび
2010年に制定された
性差別を禁じる
『平等法』において
『女性』とされるのは
『生物学的女性』である、
との判決を下しました。
NHKなどはこれを
「トランスジェンダーは
法的に女性と定義されず」と
報じていますが、確かに
今回の判決は
そうも受け取れますが、
判事は同時にしっかりと
「平等法は
トランスジェンダーの人々も
性差別から保護する」と
述べています。
つまりトランスジェンダーの人を
「トランスジェンダーだから」
という理由で差別してはいけない、
女性を「女性だから」で
差別してはならないように。
さてこれはですね・・・
話せば長くなるんですけどね・・・
・・・この話(英国社会の
トランスジェンダー問題)は
本当に長くなる気がしてきたので
明日あらためて
記事にしたいと思います。
ともあれ今回の判決によって
「ほっとした」女性は
数多く存在すると思います。
たとえば性犯罪の被害者女性が
「今は男の人が怖いんです、
担当の看護師さんは
女性でお願いします」と言っても
「それは性差別です、
あの看護師は
身体的には屈強な男性ですが
心は女性です、あの看護師を
女性として受け入れられないのは
貴様が恥ずべき
差別主義者だからだ、
その思想をまず矯正せよ」とか
言われなくて済むようになったし・・・
いや、あったんですよ、
あとスポーツ界での活躍を
目指す女性にとっては
これは本当に
朗報なのではないかと。
ちょっと前までは
運動が得意な女子がいても
「女の子は運動では
お金が稼げないんだから」で
「スポーツは趣味・
嗜みの範囲で」みたいな
扱われ方だったのを、
近年はテニスにせよゴルフにせよ
フットボールにせよ団体をあげて
「女性も運動で食っていけます」
という方向になっていたのが、
ここ数年は『女子スポーツ』への
トランス女性の参加によって
「女の子は運動が得意でも
トランス女子には結局
勝てないんだから」な世界に
逆戻りする感覚じゃ
ありませんでしたか?
運動の機会だけじゃなくて
たとえば優秀な女子運動選手に出る
大学奨学金みたいなものも
トランス女子学生が
受け取るようになったら
女子学生の教育機会の
喪失さえをも招くわけですし。
それでこういうことを
今回書いていて
しみじみ思うんですけど
このトランスジェンダー問題は
英国において長い間
『言論上のタブー』
扱いだったなあ、と。
男性刑務所に入れるべきか
女性刑務所に入れるべきかの
議論がスコットランドでは
数年前に盛り上がったんですけど、
その時何が怖かったって
迂闊なことを言うと
「それはトランス差別」と
議論の余地もなく簡単に
非難されてしまったんですよ。
だからたぶん私も
ここらへんのネタを
ブログ記事には
していない・・・と思います。
当時、J.K.ローリング
(『ハリー・ポッター』
シリーズの作者、早いうちから
一貫して『女性の権利』を
守って孤軍奮闘していた)とか
恐るべき勇気の
持ち主だと思いましたもの。
そんなわけで今後英国では
『女性用トイレ』は
生物学的女性専用のトイレに
なったみたいなんですけど、
じゃあこれからトランス女性は
どのトイレを使えばいいの?
ということは皆で
考えないといけないと思います。
私は別に女子トイレで
トランス女性と遭遇しても
嫌な気持ちに
なったりはしないんですが・・・
いやでもこれ難しいですよ、
本音で話してしまうと
私がトイレで遭遇しても
気にしないトランス女性は
『女性らしいトランス女性』で、
見た目が超男性的な
トランス女性が
女子更衣室にいたら
それはやっぱり気になる、
でもそれって結局
ルッキズムというか
人間見た目ですべてを判断、
みたいな話になるのか?と。
ちなみに私は幼少時
小学校で一番背が高く
また髪の毛も短かったため
女子トイレでよく
善意の成人女性に
「ボク、男子トイレはお隣よ」と
優しく声をかけていただく
機会が多くありました。
(『ありがとうございます、
でもボク、女の子です』と答えて
相手の反応を楽しんでいた)
私は神経が図太いので
こういうのもネタにして
ここまで生きてまいりましたが
こういうのが心の底から
辛くて悲しい人も
たくさんいると思う。
真面目に考えて
いこうじゃありませんか。
なお今回のこの判決、
焦点となったのは
『女性』の定義で、
『男性』の定義については
見出しにもなっていないあたりが
トランスジェンダー問題で
いい方は悪いですけど
『ワリを食ってきた』のが
『女性』であることが
わかっちゃうというか何というか
違うんです、これは
トランスジェンダーの人々を
非難しているんじゃないんです
でもほら、トランス男性が
男子更衣室を使うとか
スポーツで
男子リーグを目指すとかは
それほど問題に
ならないじゃないですか
ここらへん、結局のところ
世間はまだまだ男女平等では
ないんだよな、という感じです
それにしても我々は
価値観が揺さぶられる時代に
生きていますよね、
滅多にない経験だと思います
・・・Norizoさんって
本当に図太いんですね
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