そんなわけで

ワシントン・ポー

なんですけど。

 

第一話

『ストーンサークルの殺人』の

原書(英語版)

『The Puppet Show』、

読み終えました。

 

 

 

 

ただこれは・・・

 

「原書を読んだ」といえるのか・・・

 

なんか途中からずっと

東野さやか訳の翻訳版を

同時読みしていたような・・・

 

 

 

 

それで何度も言いますけど

これ、訳者東野さん、本当

翻訳巧者だと思いましたよ。

 

もちろん後から勝手に

「私ならここは違う訳し方を

した」とか言えはするんです、

でもその『私』の訳文が

東野さんのそれより

『いい出来』とは限らない。

 

東野訳日本語版はですね、

何より世界観が

破綻していない点がいいと

私は思うんですよ。

 

辻褄が徹頭徹尾

あっているというか。

 

たとえばですね、私は最初

英語版のステファニー・

フリン警部がしれっと

『悪い言葉(Fワードとか)』を

使うことに驚いたんですよ。

 

日本語版フリン警部は

Fワードとか口にしないんです。

 

それでですね、センスのない

翻訳家だとたぶんここで

「Fワードを忠実に訳さなきゃ」

みたいに思いこんじゃって、

結果、フリン警部は

『滅茶苦茶言葉遣いの汚い

女性上司』になってしまう

危険性をはらんで

しまったかと思うんです。

 

でも英語をちょっと喋れる方なら

同意してくださると思うんですが、

こっちってFワードとかSワードとか

使う人は結構普通に使うというか、

我々日本語話者が考えるより

使用に対する心理的障壁が

低い人は低いじゃないですか。

 

フリン警部は警察の人だし

仕事上汚い言葉を使う場面も

これまで多かっただろうし、

だからあのFワードは

『卑語』というより

彼女の職業的過去・態度・

姿勢を示すそれなので

そのセリフを日本文に訳す時は

『Fワードを忠実に訳出する』ではなく

『彼女のような立場・状況の人が

どのような日本語を話すか』に

配慮して翻訳を進めるのが正解、

でもそれって結果的には

『原文にある言葉を訳さない』

ことになる、それはちょっと怖い、

でも訳者東野にはそれを

断行する勇気があるんです!

 

だから英書でも和書でも

フリン警部は「飾らない、

誠実な、味方・上司にすると

心強い有能警部」になっている。

 

・・・時々あるじゃないですか、

翻訳ものでFワードを頑張って

全部訳そうとしたあまり

緊迫した銃撃戦の場面で

「お前みたいなクソッタレに

ひとかけらでもクソッタレな

勇気が残っているんなら

そのクソッタレな銃を

ぶっぱなしてみなクソッタレ」

みたいな文章が

登場してしまうことが・・・

 

気持ちは!

 

わかるんですけど!

 

そんなわけで久々に

英語で小説を読みました。

 

2作目・・・

 

いつ手を出そうかしら・・・

 

 

夫(英国人)はこの間

3作目を読み終わり

「僕は今忙しいんですよ!」と

根性で4作目を封印しています

 

仕事が一段落したら

一気読みしたいらしいです

 

そんな夫がクレイヴンの

原作英語に言いたいことが

あるらしいのでそれは明日に続く

 

フリン警部、いいですよね

と頷くアナタも

まだワシントン・ポーに

手を出していないあなたも

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