私と愛犬アーシー(黄色大犬)の

お散歩仲間である

元毒舌夫人と牧羊犬ちゃん。

 

牧羊犬ちゃんはこの春から

使い始めた痛み止めが

どうやら非常に『合う』らしく、

最近はかなりご機嫌で

・・・というか、たぶん我々と

散歩を一緒にし始めた頃は

まだ傷も完全には癒えて

いなかったのかもしれません。

 

犬の誇りというか習性で

痛みや不調を隠していただけで。

 

毒舌奥様も実は今も

例の犬に噛まれた傷が

時々痛むらしいですし。

 

毒舌夫人曰くアーシーは

牧羊犬ちゃんの

「唯一の友」だそうですが、

その言葉の真偽はさておき

近頃は2匹も非常に気心

知れあった感じになっていて、

私と奥様の前をアーシーと

牧羊犬ちゃんが歩いていて、

時には浮かれた速足で

牧羊犬ちゃんが先頭に

立ったりする場面もあり、

で、そういう時に前方から

他の犬がやってくると

牧羊犬ちゃんは非常に

さりげなく速度を落とし

アーシーを振り返って

「ほら、挨拶してきなさいよ!」

 

そしてアーシーが素直に

先方に駆け寄って挨拶すると

 

 

「安全確認完了、ヨシ!」

みたいな足取りで仲間に加わる。

 

初対面の犬とふごふごと

ニオイを嗅ぎ合っている

牧羊犬ちゃんの

様子を見て奥様は

「・・・うちの子がまさか

こんなに他の犬に気安く

近づくようになるとはねえ・・・

これもアーシー効果ねえ・・・」

 

そんな二人と2匹でしたが、

先日は季節外れの陽気に

犬も少し浮かれたのか、

散歩道の向こうにいた

人間二人連れと犬2匹の

姿を確認するや否や、

われらがアーシーの出動も待たず

牧羊犬ちゃんたら弾む足取りで

あちら様に駆け寄り、まるで

物凄く情が深い友好的な

犬であるかのようなそぶりで

尻尾を揺らし鼻を鳴らし

向こうの犬2匹と交流。

 

そんな牧羊犬ちゃんを見て

向こうの人間二人は呑気に

「あらあら、こんにちは!」

 

牧羊犬ちゃんはそのままご機嫌に

初対面の人間たちに

撫でられちゃったりなんかもして

さてこの光景に

驚いたのが毒舌奥様と

われらがアーシーですよ。

 

「やだ・・・うちの子、

どうしちゃったの・・・

会ったこともない犬に

あんな風に挨拶しちゃって・・・」

 

そう呟く奥様の顔を

見上げる形になったアーシーも

完全に混乱した顔をしていて、

つまり何と申しますか

「あの、あれは私の仕事ですよね?

初対面の人と犬との最初の接触は

私の職分でしたよね?こうなると

私は何をすればいいんですか?

 

ともあれ我々は

しばらく4人と4匹で

立ち話をしたのですが

その中で毒舌奥様が

「それにしてもうちの犬が

ああいう風に初対面の犬に

近づいて行ったのは初めてです!

いつもはそれはアーシー、

こっちの黄色い大きな犬の

役目なんですよ、もう

びっくりしました、本当!」

 

そして我々は気が付きました、

その時牧羊犬ちゃんは

牧羊犬ちゃんで

自分の行動に

心底驚いていたらしく、

アーシーが他の犬2匹と

遊んでいるところから離れ

「・・・私は今・・・

いったい何を・・・」みたいな

思いつめた顔をして

手近な藪の中に

座り込んでいるのに・・・!

 

つまりノリで適当なことを、

というか衝動的に重大なことを

うっかりしちゃった後に

ふと冷静になって

己の行動に

衝撃を受けるアレです・・・!

 

愕然とする犬、の顔を

久々に間近に見ました。

 

可愛かったです。

 

 

牧羊犬ちゃんがあまりにも

初対面犬に対し

ガードが低かったため

「痛み止めが効き過ぎて

実はハイになっている説」まで

私と奥様の間では出るほどでした

 

偏屈でも心配だし

人見知りをし過ぎなくても心配

飼い主心は複雑なのです

 

その複雑さがよくわかるあなたも

正直よくわからんあなたも

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