週末映画観賞会、今週は

『アイ, トーニャ』を観ました。

 

 

 

 

夫(英国人)が以前から

「僕は一時期トーニャ・

ハーディングのファンで」とか

 

申していたこともあり。

 

主演女優(トーニャ役)が

非常に素晴らしくて、

そりゃCGの力も

借りているんでしょうけど

氷上の動きとか振る舞いが

「・・・そうそう!トーニャ・

ハーディングってこうだった!」な

圧倒的説得力に満ちていて、

私は当時生中継で

トーニャの滑走を

観ていた世代なんですが

いやこれはもうすごい。

 

 

 

 

「有無を言わせぬ

圧巻の役作りだな。

本物のトーニャの

現在の映像や

当時の映像と比べても

違和感が全然ないものな。

演技姿に懐かしささえ

覚えるというか、なあ!」

 

しかし夫は妙に奥歯に

物の挟まった反応で

「でもまあその・・・

トーニャ以降のスケーターは

皆トーニャ的な滑りを目指して

練習を積んだでしょうから、

役者さんも撮影前に

『フィギュアスケートの練習』を

重ねたらこういう動きを

手に入れることは

可能なんじゃないですか?」

 

何言ってるんだ君、と

夫を問い詰めてみたところ。

 

夫は若い頃(大学時代)

トーニャ・ハーディングの姿を

初めて目にした時

「こんなに可愛い女の子が

この世に存在するなんて」と

衝撃を受けたのだそうですが

その『姿』というのは氷上で

演技をしている姿ではなく

偶然目にした雑誌の

写真姿だったそうで

・・・トーニャの滑走姿、

つまりスケート靴を履いて

飛んだり跳ねたり

踊ったりしている姿を見たことは

これまでなかったらしく・・・

 

「君・・・それはつまり

完全に見た目だけ

恋に落ちたという・・・?」

 

「だって衝撃的に

可愛かったんですよ!

その写真のトーニャは!」

 

 

「いや、いいけど、

いいんだけど・・・

そうか、君はああいう娘さんを

可愛いと思うのか・・・

別にいいんだがしかし

私とトーニャの外見には

共通点はほとんどないぞ。

そこらへん君は大丈夫なのか」

 

「大丈夫です大丈夫です。

君の場合は見た目も含めて

当時の僕には何もかもわけが

わかりませんでしたから!」

 

「・・・見た目の

わけがわからない、

というのはまた

どういうことなのだろうね?」

 

「自分の中に評価基準がない

驚きというんでしょうか・・・

あまりに理解不可能なので

学究心が芽生えた、みたいな」

 

なお夫にとって私は

いまだに時々

『理解できない』存在だそうです・・・

 

何が怖いって夫はこれを

誉め言葉として

口にしている風なんですが・・・

 

ま、まあ私も夫のことを

100パーセント

理解しているかと尋ねられたら

そんなことはないと

答えるしかないわけですし・・・

 

そんな夫が

映画を観終わって言ったのは

「トーニャの結婚相手が

トーニャのことを殴るでしょう?

僕はああいう男の人のことが

わからないんですよ、

どうして女の人のことを、

それも結婚したいくらい好きな

相手のことを殴れるんでしょう?」

 

「・・・トーニャに最初に

『君って可愛いね』と言ったのが

君のような男の子だったら

また話は違っただろうなあ」

 

でもそこらへんは本当に

運・不運の話になりますよね。

 

当時のフィギュア女子

スキャンダルを覚えている皆様には

お勧めできる娯楽作品です。

 

でもこういう映画を観ると

どうしてもトーニャに肩入れして

トーニャを状況の被害者と

弁護したくもなりますが、

間違いなしの第一被害者は

練習直後にいきなり襲撃された

ナンシー・ケリガンであることは

明確な事実として

忘れてはいけないと思います。

 

こんなことを言いながら

トーニャの悲劇に落ち込む夫に

『ケリガン、五輪表彰台で

金メダル受賞者に

冷たい一言の噂』とか

『銀メダル受賞者として招かれた

ディズニーランドのパレードで

ケリガン愚痴を吐き、

その姿をカメラに抑えられ

一気に大衆の支持を失った』とか

当時の裏話を囁いてしまった私は

本当に駄目な人間でございます。

 

いやでもあの頃フィギュアを

観ていた人は皆

知っている話ですよね?これ!

 

 

劇中でトーニャが

「私は教育を

受けていない人間です」と

言う場面があるんですけど

私はあそこで色々と

考えてしまいました

 

近頃の私は正しい『教育』には

『世間に受け入れられる

喧嘩の仕方』も含まれるよな、と

考えているのでございます

 

自分が不当に

中傷されたと感じた時に

トーニャのように激昂して

「クソが、死ね!」って

言っちゃうのと

「あなたの私に対する

マイナス評価の基準と理由を

教えていただけますか?」と

震えながらも冷静な声で

言えるのでは

周囲の受け止め方が

段違いでございましょ?

 

喧嘩の売り買いには

自信のあるアナタも

実はトーニャ

現役応援世代だったあなたも

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