さてそんなこんな

ナローボートのトイレが

詰まってしまったわけですが。

 

ボート会社は優秀でした、

修理屋さん、連絡からなんと

20分で現場に到着。

 

 

「すみません、気を付けて

使っていたつもりだったんですが」

 

「ハハハ、じゃあ

現場のトイレを見せてください」

 

お兄さんは個室内で

少しごそごそやった後

「修理のために

便器を取り外しますね」

 

あっさり仰いますけど

それってかなりの

大仕事なのでは?

 

しかしプロフェッショナルの

判断に間違いはない、というか

ナローボートのトイレって

普通のトイレに比べて

着脱がかなり容易な作りを

していた感じなんですよね。

 

 

お兄さんはさっさと便器を取り外し、

それをボート後方に持って行って

(中略)

修理時間は約1時間。

 

 

「はい、直りましたよ。じゃあ

今日からはもう少し注意深く

トイレを使うようにしてくださいね」

 

 

「あの、お支払いはどうすれば」

 

「うーん、修理しながら

確認したんですが、

お客さんたちは

トイレットペーパーしか

流していないみたいなので。

これがね、トイレに変なものを

流した結果配水管が

詰まったっていうなら

一発で修理費請求なんですが、

そういうのは見たら

すぐわかるんですよ。

今回はもしかするとトイレ側の

問題だった可能性もありますから

お代は結構です。いや本当に」

 

・・・お兄さん、アナタ、

後光が輝いているよ・・・!

 

そして人間、流せるトイレ

有していると

身も心も軽くなるものです、

我々はチャークの町で

買い物などして

船で楽しく昼食を取り、

食後に寛いでいた時

夫(英国人)のことを

わが義父(白色シュレック)が

ちょっと手招きし何やら

低い声で話し込んでいたかと思うと

意を決した眼差しで

我々のほうにやって来て。

 

トイレ詰まりの犯人は

なんとわが母(イメージ武将:

豊臣秀吉)ではなく

またわが義母

(永遠の文学少女)

でもなくどうやら

義父であったらしいのです・・・!

 

「色々思い返してみたが

どうも自分が一番怪しい。

実は昨日の夜、ちょっとした量

トイレットペーパーをまとめて

トイレに流したような記憶がある」

 

「お義父様、アナタ

どうしてそんな真似を」

 

「どうしてと問われるならば

答えねばなるまい、それは

君のせいだ、わが義理の娘よ」

 

「わ、私のせい?私が何をしました!」

 

「昨日の昼頃、君は

うちの息子(わが夫)に

『シャワーを使った後、

トイレの床が濡れていたら

ちゃんと拭いて個室を出ろ』と

強い口調で告げていたろう!」

 

それを聞いたわが義父は

わが説ごもっともと納得し、

その夜シャワーを使った後に

「床を濡らしたままにすると

義理の娘がおっかないから」と

丁寧に丁寧に床を

トイレットペーパーで拭いて

で、そのペーパーを

トイレに流したのだそうです。

 

「お義父様・・・」

 

「でもそんなに大した量じゃなかった。

だから今回のトイレ詰まりは

修理屋さんの言ったようにきっと

トイレ側の問題だったんだと思う」

 

「お義父様、だからあんなに

必死になって自分で詰まりを

直そうとなさっていたんですね」

 

 

義父は我々一堂にそこで

正式に謝罪を入れ、さてでは

ボートの旅再開、となった時に

わが母秀吉さんが「ハッ!」と

何かに気づいた顔をして私に

「じゃああれ!

私のせいじゃなかったのね!」

 

「そうだね、わが義父の

せいだったね。でもまあ

白色シュレックもああやって

ちゃんと皆に謝ったことだし」

 

「それはいいの!お母さんも

あの謝罪は受け入れたから!

そうじゃなくてアナタたちよ!

アナタも三成さんもゴメス君も

犯人は私だって頭から

信じていたでしょ!誰も私の

せいじゃないって

言ってくれなかったでしょ!

それってひどくない?どうして

私のせいだって信じちゃったの?」

 

冤罪の生み出される過程、

捜査に予断を持ち込んでは

いけない理由が

よくわかるお話でしたね。

 

推理小説における

鮮やかなレッドへリングというか・・・

 

ちなみにこの日、わが義父は

実はかなり動揺していたらしく、

この後ボートのペグを失くして

珍しくオロオロしておりました。

 

しかしこんなこと(トイレ詰まり)や

そんなこと(ペグ喪失)は

この後に起きたことに比べれば

何事でもなかったのであります。

 

続く!

 

 

・・・文末でお尋ねするのもアレですが

本日の記事ってもしかして冒頭に

「トイレ写真多数掲載、注意」って

但し書きをしておくべき内容でした?

 

・・・トイレが外された個室の

写真もおまけに貼っておきますね

 

 

なんかね、きゅきゅきゅって感じで

あっという間にトイレが外れていました

 

そんなわけで皆様、

ナローボートご利用の際は

トイレの使用は慎重に!

 

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