結婚して以来数年間

夫(英国人)の実家では

率先して食後の後片付けを

担当してきたつもりであった

長男の嫁(私)、心優しき義母の

「義弟その2とその配偶者嬢が

我が家に遊びに来ると私は食後に

仕事をさせてもらえない、

ふたりがお皿洗いをしてくれるから」発言に

己の過去の所業を振り返るの巻、の続き

 

詳しくは昨日の記事をご覧ください。

 

『食事の後のお片付け』に関しては

私も義弟その2とその配偶者嬢も

やっていることはそれほど変わらない、

はず、なのでございます。

 

汚れたお皿を台所に運び、洗い、

拭き、食器棚に戻す。

 

ならば何故義弟その2の仕事ぶりに義母は

私の時よりも深い感銘を受けるのか。

 

それはたぶん、義弟その2とその配偶者の

「あ、皆さんは座っていてください。

皿洗いは私がやりますから」という明確な宣言

原因の一つがあるのではないか、と。

 

私が皿洗いを始めるとわが義母は

どうしても「悪いわ、そんな」という

気持ちになってしまうのか

(それとも私の仕事ぶりが不安なのか)

必ず席を立って台所にやって来て

「大丈夫?そんなことしなくていいのよ?

私がやるのよ?何か手伝いましょうか?」

というようなお言葉をかけてくださる。

 

いや、相手が実母だったら私もずけずけ

「今日は私がお皿を洗うから座っていて」

と言えるのですが、やはり義理の母には

そこらへんちょっと遠慮があるというか、

「座っていてください」=「来ないでください」

みたいなことはなかなか言えないというか。

 

つまり義弟その2組が皿洗いを担当する時は

義母は『食事の後、席に座りっぱなし』な状態に

物理的になっているのに対し、

私が皿洗いをする日はそうはなっていない。

 

これは実際かなり大きな

主観上の違いかと思うのです。

 

そして原因その2。

 

義弟その2がその配偶者と皿洗いをする時

主導的に作業を進めているのは義弟、

すなわちわが義母の息子。

 

義母だってそこはやはり人の子

というか人の子の母、

『自分の子』には評価が甘くなって当然。

 

この2つの要因を踏まえたうえで

私が出した結論は

「夫よ、私はもう君の実家で

以前のようには皿洗いをしないぞ」

 

「・・・あの、それはつまり

皿洗い完全放棄宣言ですか」

 

「違う。実質的には私はこれからも

今までとほぼ同量の作業をする。

しかしやり方を変える。

これまでの作業を君と私で分担したい。

つまり君の作業量は増える。だが安心しろ、

君だけに仕事を押し付けるような真似はしない。

とりあえず毎食後、これまでは私が

黙って皿洗いを始めていたところ、

これからは君が必ず

『僕がこれからお皿を洗います』と

大きな声で宣言しろ。そうしたら私が

『あら、じゃあ私も手伝うわ』と言うから」

 

この年末年始、朝昼夜の

お食事が終わるたびにわが夫婦の間では

言葉なき目線での会話が交わされました。

 

ご馳走で膨れたお腹を撫でて満足そうな夫の

視線を捉え、そのまま黙って目を流し台に向け、

もう一度夫の目を捉え直し静かに瞬き、

それを合図にわが夫は席から立ち上がり

「じゃあこれから僕がお皿を洗うね。

皆は座っていてね、僕がやるからね」

 

その言葉を聞いた義母は当然の如く

「あら、そんなことはしなくていいのよ!」

そこで私がにっこりと微笑み

「大丈夫です、私が夫を手伝います!」

 

・・・スコットランドの自宅に帰った今

私はしみじみ思うのです、

何故私はこの戦法にもう少し早く

思い至ることが出来なかったのか・・・!

 

片づけに要する時間が今までの半分で済むし、

食器を洗うそばから拭いていくから

水切りかごに常に余裕があって

作業が滞ることがないし、

いやー、分業体制の正しいあり方って

きっとこういうものなんですね!

 

私の仕事量は軽くなり幸せ、

義母は愛する息子が自分のために

皿洗いする姿を目にできて幸せ、

夫も・・・あれだ、妻と母が幸せそうなら

それは男冥利というものだろう、

うむ、これぞ三方一両得!

 

まあ結局のところ夫は昼間は

力仕事(邪魔な木を切り倒すとか

雄牛を柵で囲い込むとか)に

駆り出されることもあり

朝と昼は私がひとりで皿洗いを

担当することもあったのですが

やっぱりほら、根本のところで

一人じゃないって素敵なことね!

 

今後もこの施策を推し進めたい所存です。

 

 

この戦法は義弟その3にも効果があり

これまでは私の皿洗い姿に

お礼を言うだけだった彼が

夫がお皿を洗っているとその隣で

お皿を拭いたりなんかするように

 

・・・私は特に義弟その3に

嫌われているはずでもないんですが・・・

 

(あ、これは冗談ね)

 

(真面目に考察するとやはり『義理の姉』が

黙々と一人で作業しているところに

彼も手は出しにくかったろうと思うんです)

 

(その点身内がそこに先に参加していれば

自分も気軽に仕事に混ざりやすいのかと)

 

しかも義弟その3、今回の実家滞在中に

懸案の食洗機を修理することにも成功

 

ぐいんぐいんお皿を洗う機械の前で

「君にはこんな才能もあったのか」

と義弟その3を賞賛したところ

「ないですよ、これ、本当は

2年前に直っていたんですよ、

でもその後誰も

使おうとしなかっただけなんですよ」

 

 

いや・・・

 

直っていたって知っていたら

私は使ったよ・・・?

 

たぶん義弟その2たちも

使いたかったんじゃないかな・・・?

 

嫁ぎ先の台所事情は難しいですね

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