どうも、すこっちです。(^o^)
ずいぶん前に買ったんですけど、なかなか読書が進まなかったこちらの本。
元ソフトバンクホークスの監督にして、おそらく知名度的には高いと思われる工藤公康さんの本「数字じゃ野球はわからない」
まあ、この本を読んでますとプロ野球における昔からの刷り込み的な常識がどんどん覆っていて時代に合わせて進化して、考え方を変えていかなきゃ結果が付いてこないんですってよ、ことのようです。
でね、なんでアタシが今回ブログでこの本を紹介しようかなと思ったのかと言いますと、実は社会生活にも役に立ちそうなすんごい良いことが書かれてあったからなのです。
この著書の中で紹介されていたんですが、例えば選手が内野ゴロを打って全力疾走しなかった選手がいたとする。本来であれば、その怠慢プレーに対してすぐさま「なんで、全力疾走しないんだ!しなきゃだめだろう。」とコーチだったり時には監督が注意しなければいけない。
でも、それを一旦は見過ごして、見て見ぬふりをする。そして、オープン戦でも全力疾走しなかったとしても、「まあ、オープン戦だからいいか」と首脳陣がスルーする。
でペナントレースが始まってしばらくたったある日、またこの選手の怠慢プレーに対して、さすがに「おい、なんで全力疾走しないんだ!」と注意したとする。
すると、その選手はこう思う。「なんで、今まで注意されなかったのに、今になってそのことを注意されなきゃいけないんだよ」と首脳陣に不満を持ち、憤る。結果的に信頼関係が崩れ、選手は選手でフラストレーションを抱えたまま、シーズンを過ごすことになる。
これが例えば、プロ野球であればキャンプが始まる前の段階で、選手全員を集めて首脳陣がこう言ったとします。「チームが勝つためにはみなさんに最高のパフォーマンスをしてもらうことが求められます。なので、怠慢プレーや目に余るプレーがあったときにはそれをあらためてもらうように注意や改善を求めます。なので、みなさんはそれに忠実に従ってください。」
と事前通告をしていたとします。そうするとね、先に言われてますから、仮に選手が注意されたとしても、「ああ、そういえばキャンプ前にそういう話をされていたっけな」と納得するわけです。不満を持とうにも、持ちようがありません。不貞腐れている暇はありません。だって、事前通告されているし、それはチームが勝つための方策だからです。
これって、会社勤めをしているアタシたちサラリーマン社会にも当てはまるとは思いませんか?
会社は営利団体であり、必然的に常に利潤の追求、右肩上がりの業績が求められる。
なので、本来であればその予算や目的達成のために社員が一丸となって、ようは稼がなければならない。上司や経営陣は社員に至らない点があったら指摘し、注意や改善を求めていかなければならない。
なのに、今はどこの会社も上層部や上司が部下に対して、なにも言わない。なにも言えない。ただ流れに流されてスルーするだけ。んでもって、気まぐれに注意をしたりする。だから、部下は不満を持つ。「なんで普段なにも言わないのに、今になってそんなことを言うんだよ」ってね。
確かに社会の風潮として、モラハラやらパワハラだの面倒くさい世の中になってしまって、注意がしづらいという理由もあるにはある。でもさ、本当に必要なときは言わなきゃ駄目っしょ。
だから例えば、この本では「全力疾走」として取り上げているように、会社でも年の始め、年度の始めに社員を集めて、社長が事前通告をしたら良いんだと思うのです。
「当社は今年の業績目標を売上◯◯◯万円、営業利益◯◯◯万円と掲げています。この目標達成のためには、みなさんの力を結集する必要があります。ついては、目標達成のために明らかに目に余る事象が確認された場合は、注意や改善を求めます。でもそれは会社が良くなるため、会社が存続するための大事な忠告ですし、皆さんのためでもあるので、それに従ってください」
といった感じの事前通告を社員にしておけば、仮に自分が注意や改善を求められたとしても、ある程度納得して、粛々とそれに従うのではないかと思うのです。
人間誰しも、ダチョウ倶楽部のギャグじゃないけど、「えっそんなの聞いてないよ!」っていうのが一番瞬間的にイラッと来るポイントだったりするものです。だったら、先に言っておけよ!っていうことなんですわな。
そんなことを気づかせてくれた工藤さんの本。興味を持たれた方はご一読頂きたい。