すこっち探検隊が行く「落合博満講演会」 | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

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どうも、すこっちです。(^o^)

 

連休最終日、アタシが訪れたのは仙台の電力ホール。実は今日ここで、あの元中日ドラゴンズ監督・ゼネラルマネージャーの落合博満さんの講演会が開催されるのです。

 
いやぁ〜楽しみ、楽しみ。北海道旅行の疲れがいまだに身体にまとわりついてて、気だるさがハンパない。(*_*)
 
でも、チケットも買ってるし、何より落合さんの話が生で聴けるという超レアなひととき。
 
ここで聴いたためになーる人生訓をこのブログの読者の皆さんにお伝えしないでなんとする。
 
それではここからは、講演の中でアタシが心に残ったお話のお裾分けタイムです。
 
その1「楽天イーグルスのチーム評について」
 
講演会の会場が宮城県だし、ご自身も東北出身者(秋田県)だし、この話題を素通りするわけにはいかない。落合さんいわく、野球の勝敗はピッチャーの出来不出来が全てである。極端な話ピッチャーが点を取られず、自軍が点が取れなくても、最低限引き分けは確保できる。現在のペナントレースは143試合で勝率が1位のチームが優勝な分けですから、極端な話1勝142引き分けだと優勝なんです。
 

楽天は野手陣のうち6人が規定打席に到達している、これはパ・リーグでは楽天がトップ。ということは、それだけ固定のメンバーで試合に臨めているということで、理想的な形ではある。

一方で規定投球回数に達している投手は早川一人だけ。しかも、防御率はさほど良くない。

やはりあてになるピッチャーが複数枚あって、ローテを組める状況でないと厳しい。

現状を考えれば、楽天はあの戦力でよく戦っている。

クライマックスシリーズに進出できるかどうかは、監督や選手が腹をくくってやれるかどうかに掛かっている。

 

その2「どうして、ペナント終盤で争うようになるのか?」

 

優勝もクライマックスもタイトル争いも、どうして残り試合が10試合や20試合になってから騒ぎ立てるのか?だったら、ペナントレースの開幕戦から、本調子でパフォーマンスを出せるように整えてきたらいいのでは?よく、春先は調子が出ないとか、夏場から調子が上がってくるとか、春先はチームも手探りでとか、言い訳がましい発言が飛び出すが、シーズン終盤に「あの時のあの試合を獲っておけば」とか「あの打席で打っておけば」と後悔するぐらいなら、一打席一打席を大事にして、捨てゲーム、捨て打席なんて意識を持たないで試合に望むことが寛容だ。

 

その3「よく取り沙汰される、今の野球勘と昔の野球観」

 

昭和のプロ野球はとにかくピッチャーは走って、投げるのが仕事だったし、それが当たり前だった。それが今では、走り過ぎ、投げ過ぎは良くないとコーチが止める。確かに科学的な分析が進歩してトレーニングの仕方も変わってきていることは事実だが、昔のやり方が必ずしも効果がなかった分けでもない。中にはもっとやりたいという選手もいたりする。そうしたコーチと選手のギャップを埋められるのは監督だけなのである。(でもコンプラ重視のパワハラ警戒で、監督もコーチも遠慮せざるを得ない空気感がある)

 

人の見ていないところでやるのが本当の練習である。2004年に中日の監督を引き受けた当時の選手たちは今の選手の2倍~3倍は練習をしていた。

 

当時の中日のノックは通称「虫けらノック」と呼ばれていて、選手がノックを受け始めると、延々とノックが続き、自分がもう動けなくて限界という合図はグローブを外すということなのだが、誰一人として自らグローブを外そうとはしなかった。(外したくても、外せなかったようです、結果、トレーナーが✕サインを出して止めさせる)終わる頃には頭が真っ白になって、意識が遠のいていた。

 

そのぐらい自分を追い込むと、自然に動けるようになる。

 

特打ちも誰かが止めるまで止めなかった=自分は最初に上がりたくない。そういう負けたくない意識の火花が散っていた。

 

今は監督やコーチが選手に気を遣って、怪我をさせない無理させない練習が主流になっている。

 

その3「監督要請時にお願いされたこと」

 

第1は優勝してくれということ、第2はチームの環境を変えてくれということだった。

 

それまでのキャンプの練習は3日、4日練習して1日休みだったが、それを6日練習、1日休みにした。なぜか?シーズンが始まると、金・土・日が試合で月休み、火・水・木が試合で6勤1休なのだから、キャンプの段階からそれに合わせれば体も慣れて楽になるから。

 

2月1日のキャンプ初日に練習試合をやったのは、12月、1月に選手が遊ぶことのないように。

さすがに選手も逆算して、怠けることなく、試合に望めるような体に仕上げてきていたので、キャンプインから実践に近い形式の練習に取り組むことが出来た。そもそも球団がお金を払って、温暖なキャンプ地に連れて行くのに、最初のうちは体力づくりからみたいな練習からスタートするという発想がよろしくない。

 

監督・コーチが変わって練習量は増えたけど、選手の顔色が良くなった。ホテルの方も以前より選手が食べる食事の量が増えた。なぜか?首脳陣と選手の間に深い溝があり、首脳陣が選手に信頼されていなかった、空気が良くなかった。

 

暴力禁止!=暴力を振るったらユニフォームを脱いでもらう!これを浸透させるのに5年掛かった。(暗に以前のスターフィールド監督が根付かせた中日の暴力指導体質は相当のものだったようだ)

 

その4「年俸闘争で苦労したこと」

 

当時、三冠王を獲っても年俸交渉になると散々厳しいことを言われた。

①有籐が3,800万、村田兆治が3,600万なのでそれ以上の年俸にするにはお前には実績がない。

②長島さんが7,000万、王さんでさえ8,000万なのにお前が1億もらったら失礼だろう。

③ロッテはガム1枚をいくらで打ってる会社だぞ!バットでボールを引っ叩いて1億もらうなんて、従業員に対して失礼だぞ!

 

その5「野村野球と落合野球の違い」

 

野村野球は選手に先に頭で理解させて、それを実践させる手法。野村ノートなどはその良い例

落合野球は先に体で覚え込ませて、あとから頭で理解させる。虫けらノックが良い例

 

その6「ペナントレース終盤の底力は体力勝負」

 

ペナントレース終盤になって、チームの調子が急下降だったり、選手の調子が落ちたりするのは体力がないから。最後は体力勝負、だからキャンプでスタミナを付けておくことが大事。

今のプロ野球にウェイトトレーニングが積極的に取り入れられているが、あまり意味をなさない。腕周りが太くなったとか、太ももが太くなったとか目に見えるので鍛えられたような気になっているが、走る・投げる・バットを振るといった実技を伴ったトレーニングのほうが野球に合った筋肉を鍛えて、野球に合った体になる。ちなみに落合さんは現役時代にウェイトトレーニングをやったことはないそうです。

 

その7「ヒッチとコックは使う選手が少なくなった」

 

これ、すこっちは初めて聞く言葉だったのですが、バッティングにはヒッチとコックというのがあって、それを利用することでタイミングが取りやすくなったり、パワーを生み出すんだそうです。詳しい解説はこちらを御覧ください。↓

 

 

その7「大谷翔平の打ち方は良い子はまねしないでね!」

 

大谷の打ち方はあくまで彼の上背と体力があり、彼なりのバッティング理論のもとにたどり着いた打ち方であり、他の人はまねができない。ましてや少年たちがあの打ち方を真似するなんてとんでもない話。下からしゃくりあげるような打ち方は全く真逆のことをしている。

 

以上が講演の内容の一部なのですが、いやぁ時間の経つのを忘れるくらいあっという間のためになる楽しい時間でしたよ。中には「SNS NG司令」が出た会場騒然の裏ネタなんかもあったりして、いやはやこれだから生は面白い。

 

このあと東京と名古屋で開催されるそうなので、興味のある方は足を運んでみては?